【 Photo by Keiko Aoki 】
“町”がスキだ。
“街”ではなく“町”がいい。
“町”と“街”の違いは、
“街”ならスーパーやモールがドンと構え、
“町”には商店街が幅を利かせている。
“街”のお母さんはおしゃれだ。
高級でなくてもそこそこのブランドの服を着て、
“ママ”とか“ハイソ”とか“セレブ”とか
とにかくカタカナ系が似合ってるご婦人方が
時にはサングラスをかけトートバッグを手に
流行のスニーカーで買い物している。
それに反して“町”には“おかーちゃん”がいる。
“おばちゃん”も“おかん”も“ばあちゃん”だっている。
「どこで売ってるの?」って服が脚光を浴び、
サングラスをしている女性を見れば
2,3人が固まってひそひそと批評をする。
“町”はいつだってひらがなが主役だ。
“町”を面倒だとか暮らしづらいという人がいるが、
ボクは圧倒的に“町”にいたい。
朝の商店街のシャッターが開く音、
人と人の間を抜けていく子どもたち、
響き渡る商店の売り声、
スピーカーから流れる有線放送、
あの匂い、あの喧噪、あの雑多の中に存在したい。
下町でも山の手でも、とにかく“町”がスキなのだ。
時折、帰りたくなる“町”がある。
新婚の父と母が歩いた町へ行ってみたい。
どんな顔して、二人で、話して、笑ったのだろう。
ボクとキミが初めて住んだ町を二人で歩きたい。
キミがいなくなった後、感じられなくなった
何だかわからないあの空気感に包まれてみたい。
ボクはいつだって“町”で生きている。
思い出も、記憶も、今も、未来も、
すべて内包し、いつでも輝いている“町”で。
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