友岡雅弥さんは、執筆者プロフィールにも書いてあるように、音楽は、ロック、hip-hop、民族音楽など、J-Pop以外は何でも聴かれるとのこと。
上方落語や沖縄民謡にも詳しいようです。
SALT OF THE EARTH というカテゴリーでは、それらの興味深い蘊蓄が語られています。
いくつかかいつまんで、紹介させていただきます。
カテゴリー: SALT OF THE EARTH
「地の塩」という意味で、マタイによる福音書の第5章13節にでてきます。
(中略)
このタイトルのもとに書くエセーは、歴史のなかで、また社会のなかで、多くの人々の記憶に刻まれずにいる、「片隅」の出来事、エピソー ド、人物を紹介しようという、小さな試みです。
2019年1月14日 投稿
友岡雅弥
2012年の夏。岩手県の山田町に行きました。津波で壊滅的な打撃を受けた町。
町の中心に残った建物は、ほとんどありません。建物の土台だけが、生い茂る草のなかに残っています。不思議なことに、古い蔵はところどころ残っていて、明治三陸津波や昭和三陸津波も、乗り越えてきたから、今回も残ってるんだなと思いましたね。
かろうじて、地域コミュニティの拠点におじゃましました。かろうじて建物の外側が残ったところです。津波から1年経っているので、ぐちゃぐちゃだった建物の中も整理されていました。
ここで、週一度、子どもたちが集まり、町の未来について、行政に要望を上げようとしているのです。
子どもがそんなことをするのか、って思いはる人もいらっしゃるかもしれませんが、「未来」には、子どもたちは大人になるのです。自分たちが住む町のことを考えるのは当然です。
日本では、全然、根付かなかった「コミュニティ主権教育」が、ここ東北の被災したところではじまってるんだな、と思いましたね。ここだけじゃないですね。閖上でも、雄勝でも、あちこちで、子どもたちが、かなりリアリティもって、取り組んでました。東京のコンサル会社に見せてあげたい光景です。
さて、さて、そこに1人の男性がいました。30代ぐらいかな。子どもたちの集まりを真剣にメモしてます。
どこかのメディアの人かなと思ったのですが、違いました。集まりが終わってから、尋ねると、中国の世界屈指の電子機器メーカーの社員さんでした。
そこの電子機器メーカーでは、社員さんを被災各地に1人づつ派遣して、そこの住民として暮らす。そして、現地の人が考え立ち上がってくる様を学ぶ。もし、そこでITやAI技術が必要ならば、本社も無料で支援する。
これ聴いて、「日本負けたな」と思いました。
政府の復興補助金を得ようと、ゼネコンやコンサルとともに、復興マネーに群がる日本の企業をたくさん見てきたからです。
もちろん、なかには、ロート製薬やカルビーなどのように、こんな良心と知性をともなった継続的支援があるんだと、びっくりしたような企業もありましたが。
確かに、企業としては、全部持ち出しです。でも、それによって、問題解決能力を1人の社員が蓄積する。現場のニーズを聴く能力を蓄積できる。それは、目先の「補助金」よりも、将来のためになる。
この視点が、今、日本社会に決定的に欠けていることだと思いましたね。
【解説】
企業としては、全部持ち出しです。でも、それによって、問題解決能力を1人の社員が蓄積する。現場のニーズを聴く能力を蓄積できる。それは、目先の「補助金」よりも、将来のためになる。
この視点が、今、日本社会に決定的に欠けていることだと思いましたね。
なるほどなと、思いました。
友岡雅弥さんのエッセイが読める「すたぽ」はお勧めです。
獅子風蓮