★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

非「何かと粉砕」教育論

2019-01-07 00:31:47 | 思想


中川文人と外山恒一の『ポスト学生運動史』を読んでて、一番面白かったのは、法政大学での「試験粉砕」というエピソードである。何回も書いてきたように、わたくしは不良学生の弾圧を使命とこころえている。初めて知ったが、法政大学では、「留年のピンチなんだ、試験をなんとか粉砕してくれ」と黒ヘルの連中に頼みに来るヘタレ学生がいたというのである。で、黒ががんばって暴れた結果、法政は試験ではなくレポートを課すという大学になったそうである。

わたくしの弾圧教員としての魂を揺さぶるエピソードである。

確か、昔、柄谷行人が法政で教えていた頃、学生のレポートをみて、彼らの「フィーリング」など糞役にたたん(←そうはいってないか)、感じることを考えなければとか、相変わらずのレトリカルな高尚さで閉めていた、――そんな文章を書いていたはずである。

柄谷先生は、学生に優しいですね……。弾圧渡邊は、そんなレポートこそ粉砕、いや添削して返却しているというのに。

法政では、総長や幹部を追及する集会(授業に侵入して質問するだけだが)をがんばって開いていたらしいのだが、柄谷先生も一度やられたことがあったらしい。柄谷先生に「こういうときにどうするのか」と問い詰められ、「こうこうです」と言うと、柄谷先生は「お前は頭がいい。なぜなら俺と同じ答えだからだ」と言って、黒ヘルたちを這いつくばらせていたそうである。さすがである。わたくしみたく、「お前は頭が悪い。なぜなら俺と違う答えだからだ」とばかり言っているのがだめなのはこれで明らかである。明日から実践してみよう。


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