大学の帰りに寄ってゆく石清尾八幡……
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随神門のお方達……
右手の由緒書を読んでみるに――
「社伝によると、延喜一八年(九一八年)八幡大神が亀命山山上に現れ、時の国司が山上に祠を建てて祭ったと言われる。
また誰かが何かを見てしまったんですねえ――。国司も大変ですね、あっちこっちで誰かが何かを見るわけで。
「また、石清水八幡宮の分霊を祭ったともいう。」
全然違うではないか。山の上に現れた方がかっこいいな。だいたい、プライドはないのか。石清水八幡に分霊してやったとなぜ言わない。
「別に社の由緒に関しては、当社の縁起は年歴久遠にしてその濫觴定かならずとも云う。」
えっ、すごく自信ない……。高天原伝説と同じじゃないか。
「貞治年間(一三六二-一三六八)細川右馬頭頼之が戦勝を祈願して霊験をこうむり、社伝を拡築し武具を奉納し、毎年四月三日に祭礼を行った。これを右馬頭市という。」
本当は、ここらあたりからしかちゃんと記録がないんだろうねえ――、だいたいどこでもそうだから。伊予の河野通盛を細川が攻めた時だねえ――。河野氏はミスったね。
人生五十愧無功
花木春過夏已中
満室蒼蝿掃難去
起尋禅榻臥清風
これは、頼之の漢詩であるが、これをみると、彼は蠅を気にする男であった。わたくしが横光利一の「蠅」を不快だった理由がわかりました。わたくしもまた、蠅は大群で飛び回っているようなものであると思うからです。横光の蠅はウンコに突き刺さってる藁につかまったりして孤独です。そんな簡単に孤独になりますかいな……
「転生一六年(一五八八年)生駒親正が讃岐に封じられると、高松城を築き、当社を城の鎮守と定め、社伝を改築し、高松の産土神とした。」
さすが生駒さん、どんどん金をつぎ込んで下さい。
「松平頼重も当社を崇敬し寛永二一年(一六四四年)には社伝を造営して現在地にうつし、社領二〇二石余りを寄進、石灯籠、三十六歌仙の扁額等を奉納した。その後、宝永二年(一七〇五年)三代藩主頼豊が改修、以来歴代藩主は毎年社参を通例とした。」
いいよな-、お偉方の庇護を受けた神社はサー
「爾来改修をくり返し、すぐる大戦にも一部被害を受けたのみであったが」
よかったね。
「昭和六十一年十月、不足の火災により本殿・上拝殿は炎上、烏有に帰した。」
えっ、そうなの?どうりで、ピカピカなはずだ……
「平成元年九月、遠方近郊の崇敬者及び氏子、市内有力企業の奉賛を得て、本殿、上拝殿其の他社殿を改築整備し、神門、下拝殿を修復して、焼失前より更に規模を広げ、平成の復興は終了した。」
「焼失前より更に規模を広げ」
すごい。あと50年後には、香川大学も境内に巻き込まれてしまうに違いない。境内末社香川大学……
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夜中でも電灯がついている神社、なまいきである。ちゃんと手水舎にも電灯がついていて、トイレにも……
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御先社の鳥居(明治5年)
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燈籠にほんとに明かりつけてどうすんねん
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左手にの燈籠にも明かりがともっていた。何か、凶悪な怪人の顔を思わせる。
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神明社と若宮社に登ってゆく階段の両側には狛犬さん(「藩中」と台座にあったから江戸時代……)。
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「皇太子御成婚記念碑」を背にしていた……。次の元号が不安だな……。「平成」その実「乱成」だったから、今度は思い切って、「地獄」にしたらどうであろう。逆に天国行ってしまってもそれはそれで同じことか……。「その霊は出て行き、彼は自分の地面に帰る。その日に彼の考えは滅びうせる」(詩篇 146:4)
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「神明社」(天照大神、底筒男命、中筒男命、表筒男命、藤原鎌足公)
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「若宮社」(仁徳天皇)
えっ、見えない?神はそもそも見えないでしょうがっ
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「神明社」の前で、高松市方面を睥睨する。暗い。
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狛犬さんがベートーベンに見えてきました。
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拝殿の前で高松市方面を睥睨する。月が出ている。
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拝殿の前で随神門の方を眺める。明るい。
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階段を降りながら右手を見ると、デカい茸が燈籠がある。
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随神門の方に帰ります。
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随神門を出て、いつもの巨大狛犬を見上げる。相変わらず痩せていない。
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鳥居と、その向こうの高松市街。やはり街中の光がなつかしいわたくしであった。
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随神門のお方達……
右手の由緒書を読んでみるに――
「社伝によると、延喜一八年(九一八年)八幡大神が亀命山山上に現れ、時の国司が山上に祠を建てて祭ったと言われる。
また誰かが何かを見てしまったんですねえ――。国司も大変ですね、あっちこっちで誰かが何かを見るわけで。
「また、石清水八幡宮の分霊を祭ったともいう。」
全然違うではないか。山の上に現れた方がかっこいいな。だいたい、プライドはないのか。石清水八幡に分霊してやったとなぜ言わない。
「別に社の由緒に関しては、当社の縁起は年歴久遠にしてその濫觴定かならずとも云う。」
えっ、すごく自信ない……。
「貞治年間(一三六二-一三六八)細川右馬頭頼之が戦勝を祈願して霊験をこうむり、社伝を拡築し武具を奉納し、毎年四月三日に祭礼を行った。これを右馬頭市という。」
本当は、ここらあたりからしかちゃんと記録がないんだろうねえ――、だいたいどこでもそうだから。伊予の河野通盛を細川が攻めた時だねえ――。河野氏はミスったね。
人生五十愧無功
花木春過夏已中
満室蒼蝿掃難去
起尋禅榻臥清風
これは、頼之の漢詩であるが、これをみると、彼は蠅を気にする男であった。わたくしが横光利一の「蠅」を不快だった理由がわかりました。わたくしもまた、蠅は大群で飛び回っているようなものであると思うからです。横光の蠅はウンコに突き刺さってる藁につかまったりして孤独です。そんな簡単に孤独になりますかいな……
「転生一六年(一五八八年)生駒親正が讃岐に封じられると、高松城を築き、当社を城の鎮守と定め、社伝を改築し、高松の産土神とした。」
さすが生駒さん、どんどん金をつぎ込んで下さい。
「松平頼重も当社を崇敬し寛永二一年(一六四四年)には社伝を造営して現在地にうつし、社領二〇二石余りを寄進、石灯籠、三十六歌仙の扁額等を奉納した。その後、宝永二年(一七〇五年)三代藩主頼豊が改修、以来歴代藩主は毎年社参を通例とした。」
いいよな-、お偉方の庇護を受けた神社はサー
「爾来改修をくり返し、すぐる大戦にも一部被害を受けたのみであったが」
よかったね。
「昭和六十一年十月、不足の火災により本殿・上拝殿は炎上、烏有に帰した。」
えっ、そうなの?どうりで、ピカピカなはずだ……
「平成元年九月、遠方近郊の崇敬者及び氏子、市内有力企業の奉賛を得て、本殿、上拝殿其の他社殿を改築整備し、神門、下拝殿を修復して、焼失前より更に規模を広げ、平成の復興は終了した。」
「焼失前より更に規模を広げ」
すごい。あと50年後には、香川大学も境内に巻き込まれてしまうに違いない。境内末社香川大学……
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夜中でも電灯がついている神社、なまいきである。ちゃんと手水舎にも電灯がついていて、トイレにも……
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御先社の鳥居(明治5年)
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左手にの燈籠にも明かりがともっていた。何か、凶悪な怪人の顔を思わせる。
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神明社と若宮社に登ってゆく階段の両側には狛犬さん(「藩中」と台座にあったから江戸時代……)。
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「皇太子御成婚記念碑」を背にしていた……。次の元号が不安だな……。「平成」その実「乱成」だったから、今度は思い切って、「地獄」にしたらどうであろう。逆に天国行ってしまってもそれはそれで同じことか……。「その霊は出て行き、彼は自分の地面に帰る。その日に彼の考えは滅びうせる」(詩篇 146:4)
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「神明社」(天照大神、底筒男命、中筒男命、表筒男命、藤原鎌足公)
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「若宮社」(仁徳天皇)
えっ、見えない?神はそもそも見えないでしょうがっ
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「神明社」の前で、高松市方面を睥睨する。暗い。
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狛犬さんがベートーベンに見えてきました。
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拝殿の前で高松市方面を睥睨する。月が出ている。
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拝殿の前で随神門の方を眺める。明るい。
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階段を降りながら右手を見ると、
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随神門の方に帰ります。
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随神門を出て、いつもの巨大狛犬を見上げる。相変わらず痩せていない。
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鳥居と、その向こうの高松市街。やはり街中の光がなつかしいわたくしであった。