★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

地震とナンセンス

2016-04-14 23:23:43 | ニュース
熊本で震度7があったらしい。



大陸は、譬へば飴の海に浮んでゐる船である。これが浮動を妨げゐるのは深海床から伸ばされた章魚の手である。そしてこの章魚は大陸の船縁を掴んでゐるのである。或極限まではかくして大陸の浮動を支へてゐるけれども、遂に支へ切れなくて或は手を離したり或は指を切つたりして平均が破れ、隨つて急激な移動も起るのである。此急激な移動、これが即ち大地震の原因である。もしかような大移動が海底で起れば津浪を起すことにもなる。

――今村明恒「地震の話」


ところで、「国語科内容学演習Ⅰ」というので、新聞(今年は『朝日新聞』)を敢えて出来うる限り(無論悪意をもってであるが)模倣してみようという授業を始めたのであるが、今週はそのガイタンスということで、新聞の種類について講義した。家庭内の新聞の例としては、昔、わたくしの家でガリ刷りによって発行していたものをサンプルとしてあげておいた。



たぶん小学校の教員の親によって発案され、わたくしが主として書いていたのである。(同時期に、小学校のクラスでもやってたわ……)良くも悪くも新聞の紙面というものが、共同性を作り上げることをわたくしは小学校時代から知っておるぞということで……。むかしやったことが今になって少しは役に立った。文科省の役人は、教育の効果というものが、四〇年は平気で潜伏して現れる(かもしれない)ということを分かっているのであろうか。何がエビデンスだよ。むしろ人生は、エビデンスはほとんどないけれどもナンセンスな豊かさがあるんですよ。


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