★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

髑髏島の大決闘

2018-03-30 23:38:26 | 映画


研究の都合で朝ドラの「ひよっこ」をビデオレンタル屋で借りてこようと思ったのであるが、まだそこには置いてなかったので、つい「キング・コング 髑髏島の巨神」というのを借りてきてしまい、「アルパカと仲間たち」という癒し系動画と悩んだ末に、コングの方を選んでしまったので、残念な一日となった。

「地獄の黙示録」にキングコングとか巨大イカや蜘蛛などを登場させるという夢を実現したのが、この映画である。映画の最後にとんでもない事態が起こるのであるが、それも含めて、要するに、怪獣のことで学業に全く身が入らない小学生の夢をそのまま映画にするとどうなるか、という映画である。キャストに、サミュエル・L・ジャクソンを出してくるところもやりたい放題である。

太平洋戦争でその島に不時着して以来、30年ぶりぐらいに帰国して、成長した息子と奥さんに会う中年親父の映像でちょっぴり観るものの涙を誘っておきながら、その後でそういう政治や現実を全否定するかの如き展開が……。これはアメリカ社会の否定であり、日本のサブカルチャーの全肯定であった。つまり、これはアメリカから出てきた反米映画(昔から結構あるが)なのである。しかし、大人が子どものようなことを大まじめにやってみるからすごいのである。

これに比べると、日本の「シン・ゴジラ」って、ほんとつまんない映画だったよな、と思うわ。子どもが社会を語ろうと思ってもだめなのである。


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