★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

女人禁制の意味について

2018-04-13 23:57:17 | 思想


吉崎祥司氏などが書いた「相撲における「女人禁制の伝統」について」をお昼を食べながら読んだ。女相撲の存在さえ忘却してしまった者が多いらしい日本人に絶望していた今日この頃であったので、お腹もふくれてきたし、少し気持ちが静まった。

盲者と女力士の取り組みという、屡々性行為すらも見物されていたのではないかという、所謂「合併相撲」というのは以前ちょっと調べたことがあるのであるが、――そういえば、安部公房の「砂の女」で、主人公と女が村人の前で性行為を強要されそうになる場面がある。この小説の中で、この場面はとても重要で、小説の空気を変えてしまう出来事である。以前から、この場面によって傑作の条件を備えるこの小説というのはどういうことなのか、と疑問であった。

「ラスト・タンゴ・イン・パリ」もそうであるが、主人公がタンゴ会場でケツを出しながら女の子を追いかける場面がクライマックスである。このあと、女の子の主人公の殺害という結末までは展開がはやい。

相撲も、ほとんど裸という点が案外重要かもしれない。性の問題とはじめからかなり結びつきが強い競技なのかもしれないのである。