★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

大艦巨砲主義

2018-04-02 19:32:36 | 漫画など


新学期だから殲滅ですわいなみたいな気分になったら、上のような漫画を読むといいと思う。コンビニエンスストアに売っている書物というのは非常に興味深い。決して娯楽用の本が売っているわけではなく、むしろつまらない実用書が多い。

1、春画
2、漫画
3、占い
4、アスペルガー上司対策本、上手にしゃべれる方法、美しいパワポ
5、神社・仏閣に行こう本
6、地図
7、ニュートン
8、ファッションの本
……

すべて厳密にいうて実用本である。つまり、我々にとって、娯楽と実用は非常に近い概念と言ってよかろう……。で、漫画であるがよくあるのが

1、ゴルゴ13
2、美味しんぼなどのグルメ漫画
3、本当の日本史、神話
4、実は勝ってた第二次大戦みたいなテーマのもの
5、ドラえもん
6、ハッピーウェディングみたいなてーまのもの
7、三月のライオン、ちはやふる、進撃の巨人などの新刊

すべて実用本である。2、7は、「とりあえずついて行こう」みたいな意識に向けて売っているのであろう。1、3、4、5、6は、「ドラえもん」が入っているので理由は明白である。のび太の夢である。「助けてドラえもん~」という自意識には、タケコプターやどこでもドアといった本当の夢は不要である。むしろ、ゴルゴや不沈艦や美しい嫁(旦那)が必要なのだ。

今回、おにぎりと一緒に買ってきた「不沈戦艦 紀伊」の漫画は、結構「架空戦記」ものとして原作が有名なものであるが、大和よりでかく、対空砲火も抜群であるという設定である。

最後まで読む気がないのであれであるが、かえって日本がなぜ戦争に負けたのかよく分かる。日本の敗因は、とにかく仲間の国がいなくなったことがでかいのである。硫黄島、レイテ、沖縄、フィリピン、すべての戦闘で勝っていたとしても、日本が最終的に勝っていたかはかなり怪しい。国際世論に負けたのだということがなぜわからん。残念ながら、最近の北朝鮮の方がちゃんと仲間作りをできるようだ。

確かに、仲間はできた。彼らは浮かばれぬ日本の人民であり、夢の中で勝利への夢は燻り続けている。「目を覚ませ、そして、死にかけてはいるが、まだ残っているものを元気づけよ。」(ヨハネ黙示録)というわけだ。

この前観た、「モンスター・ユニバーシティ」というディズニー映画は、プライドを棄てて道筋と役割を見直したが方が勝つという、啓蒙的かつ、違う意味での自己欺瞞的なテーマを展開していたが、まだ死んでも勝つという頭の悪さよりはましである、と思った。