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★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

天使はなぜ堕落するのか

2012-01-30 01:51:56 | 思想


私は哲学の訓練も受けていなければ、中世哲学についてちゃんと講義を受けたこともない。が、卒業論文のために、スピノザを読まなければならなかったことから──というのは嘘で、卒業論文をダシにスピノザを読みたかったのであるが──、引っかかっている事柄が哲学の方面で沢山ある。大学院の時は、必要があって、エックハルトやスコトゥスとかを読まなければならなかった。芥川龍之介の演習の前に、落合仁司の『地中海の無限者』を何が何だか分からないまま読んだのは悪い思い出である。

最近読んだなかでのヒットは、上の八木雄二の本である。多くのことを教えられた。テリー・イーグルトンの『宗教とは何か』よりもよほど私には啓蒙的であった。

ただ、私は、八木氏が言うように、ヨーロッパの論争的伝統に対して、日本の文化的伝統が「源氏」や歌合わせのような文学主義だとはあまり考えていない。