(21.5.6 「征服」第4版のこと記載)
【過去問】
1,8-3の出題
呉牛月を見てあえぐ 8-3K、征115頁=呉牛喘月
標準解答に、喘(嘽)とあります。喘ぐは、1級配当ですが、嘽ぐは配当外です。喘ぐを憶えておけばいいので、嘽ぐを学習する必要は毫もありません。ただ、8-3では、嘽ぐも標準解答に載っているのですから、これも正解でした。
このときの採点基準は、次のようになっていました(平成12年度版過去問題集より)
(字体)問題の解答は、筆画を正しく、明確に記すこと。くずした字体や、乱雑な書き方は採点の対象外とする。2級~7級の解答には常用漢字の旧字体、表外漢字、常用音訓表以外の読み方は正答と認めない。1級・準1級についてはこの規定は該当しない。
つまり、1級については、どんな漢字を書いてもよかったのです。
2.14-2の出題
ところが、
鴉が鳴き牛があえぐ 14-2K
では、標準解答は、喘だけです。嘽は載っていません。そして、採点基準は、平成13年度第1回より、字種・字体については、現在と同じ基準に変更になりました。引用しますと、
字種・字体 1級・準1級の解答は、『漢字必携一級』(財団法人日本漢字能力検定協会発行)に示す「標準字体」「許容字体」および「旧字体一覧表」による。
つまり、「必携」に載っていない字体は、認めないと読めます。従って、嘽を書くと不正解になったのでしょう。試験である以上、採点の公平性の観点から字体を絞るのはやむを得ないような気がしますが、つまらない変更をしたものです。
3.「征服」第1版~第3版
ただ、よくわからないのは、上記にも記したように、新採点基準適用後に出版された「征服」(第1版~第3版)にも、解答に括弧書きで、嘽が載っていたことです。私が持っている「征服」の発行日は、第1版第1刷は平成16年3月31日、第2版第2刷は平成17年9月10日、第3版第1刷は、平成18年4月1日です。
新採点基準は、この頃は、もしかしたら有名無実になっていたのかもわかりません。
4,「征服」第4版
第4版は、第3版と問題は全く変わっていないと思いますので、購入していませんが、本屋で見たところ、解答欄から、嘽が消え、喘だけになっていました。新採点基準に合わせて、削除したのでしょうか。いずれにせよ、配当外の漢字を書くのは危険でしょう。
閑話休題、嘽の音熟語に行きます。
【音熟語】
嘽嘽
タンタン 牛馬のあえぐさま。
センセン よろこび楽しむさま。さかんなさま。のびのびとしたさま。
「新字源」によると、タンと読むときはあえぐの意、センと読むときはゆったりとしているさまの意です。
【單(単)の音符字】
パソコンの都合上、單になったり、単になったりしていますが、1級配当漢字は、音符が単と書く許容字体が「必携」に載っていないのがありますので、全て、單と書いた方がいいでしょう。
J單(単) タン ゼン [ひと(つ)] ひとえ=襌
(2)憚 タン はばか(る)8-1Y 11-1K 16-1K 16-K 忌憚(きたん)14-1K 18-2K
(3)鄲 タン 邯鄲(かんたん)10-3K 14-1K
(1)殫 タン つ(きる)
(1)襌 [タン] ひとえ=単
J1箪 タン [はこ] 瓢箪(ひょうたん)8-1K 箪食瓢飲(たんしひょういん)12-1K
J1騨 (タン)(タ)(ダ)
J弾 ダン たま ひ(く)はず(む)はじ(く)はじ(ける)
J戦 セン たたか(う) いくさ おのの(く)8-1Y そよ(ぐ)
(3)嬋 セン 嬋姸(せんけん)16-2Y 18-2Y 20-2Y= 嬋娟(せんけんorせんえん)6-3Y 8-3Y 14-3Y
J1蝉 セン [ゼン] せみ 蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)4-1K 12-3K 15-2K 春蛙秋蝉(しゅんあしゅうぜ(せ)ん)7-2K 鳴蝉潔飢(めいせんけっき)11-3K 蝉蛻(せんぜい)18-3Y
(2)闡 セン ひら(く)14-2Y 闡明(せんめい)4-1Y 9-2Y 17-2K
(3)鱓(セン)(ゼン)うつぼ ごまめ8-3K
J禅 ゼン(セン)
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