(21.4.27 char様のブログのこと追加、あおむし様の第2ブログへリンク先変更)
「辞典」には、罕に配当外の漢字が出てきます。配当外の漢字は、絶対出題されませんので、1外と書いて無視していました。ただ、最近あおむし様が配当外の漢字を学習されており、また、char様は古人の糟魄を嘗めながら配当外の漢字も果敢に学習されていますので、私も少しずつ始めます。
【用例】寸を詘(ま)げて尺(シャク)を信(の)ぶ 「辞典」(834頁)
【出典】淮南子 氾論訓(異体字の誳が使われています)
【類義の故事諺】(「成語林」・「四字熟語」・「辞典」より)
大の虫を生かして小の虫を殺す
【小の虫を殺して大の虫を助ける】
小を捨てて大に就く
小利を捨てて大利に付くべし
小利は大利の残ない
小利を見れば即ち大利に成らず(出典「論語 子路」13-17 )
【大事の前の小事】
【尺(しゃく)を枉(ま)げて尋を直くす】=枉尺直尋(出典「孟子 滕文公下一」)
(漢検新執行部に贈る故事諺です。)
【訓】
1 かが(む) かが(める) ≒屈(クツ)
2 しりぞ(ける) ≒黜(チュツ)
用例の「まげる」は、新字源では訓ではないですが、意味には載っています。曲げる・枉げると類義です。
【音熟語】
[詘指(クツシ)]意志を曲げる、主義を変える(「新字源」・「大漢和」)
[詘坐(チュツザ)]しりぞけ罰する(「大漢和」)
かがむの意味のときはクツ、しりぞけるの意味のときはチュツと読むようです。類義の屈(クツ)、黜(チュツ)の読みと一致しています。
[充詘(ジュウクツ)]喜びすぎて度を失うこと(出典「劇談録」 丁度今読んでいた「中国文明論集」(宮崎市定著 岩波文庫 40頁)に出てきました)
配当外の漢字を学習して、配当漢字を疎かにしてはいけないので、詘と同じ音符字を「音符字典」を参考に確認しておきます。1級漢字だけ、「過去問情報」を付記します。
【出の音符字】
J出 シュツ スイ で(る) だ(す) いだ(す)
J拙 セツ つたな(い) まず(い)
J屈 クツ かが(む) くぐ(まる)
(1)祟 (スイ) たた(る)8-2K 12-3K 16-1K
(4)黜 チュツ しりぞ(ける)11-3Y 17-3Y 黜陟(ちゅっちょく)8-1Y 12-3Y 17-3Y
(6)咄 トツ はなし 咄嗟(とっさ)6-2Y 8-1K 16-1K 19-1K
△柮 [トツ]
×朏 (ヒ)
出の音符字の音読みは7通りもあって、難しいものです。ただ過去問出題は偏っています。また、×の漢字が出てきてしまいました。
一応、毎週1回問題集は解いていますが、最近点数が下がって来ました。×の漢字や、配当外の漢字を学習している暇があったらもっと他にやることがありそうです。ただ、読み書きの復習は、今までブログで記事にしたことの繰り返しになってしまい、つまらないから、新生面に突入しています。
読みも出来ないのに書き取りなんて無理…。
取り敢えず10000字あれば、随分と古人の糟魄を嘗めるには楽になるかと。
十年計画ですのでボチボチといきますが。
積もるお話は、また後日にでも。
確かに、古典を読んでいると、1級配当外の漢字がごろごろ出てきますので、1級までの配当漢字(旧字体、異体字も一字と数えて)約6300字では不十分ですよね。「字通」の収録字数は約9500字で、常用人名漢字の他、
1,中国の古典に使用例があり、読書や研究の上に、普通に知識として知る必要のある文字
2,国語の古典や資料、また近代の文章表現に、普通に知識として知る必要のある文字
3,漢字の大系、その字形学的解釈の上に、要素的に必要と考えられる字形と、その関連の文字
を収録したとしていますので、この程度は必要なのでしょう。
>十年計画
毎日1字ずつ学習すれば、十年で3650字学習できますね。約6300字と合わせると約一万字になりそうですね。ただ、私は毎日一字は無理だろうから、どれだけかかるのだろう。
>配当外語選択問題を作成してみたりしてます。
書き取りですか! 私は漢字の意味がなんとなくわかって読めればいいだろうと思っております。
尚、漢検満点狙いには、配当外よりは、20-3で出題された「仕途」のような常用漢字の語彙力をつけるのがよいのかもわかりません。ただ、私は、常用漢字の学習ってあまり楽しくなく、あまり見かけない漢字学習の方が新鮮です。
漢検満点も一興ですが、私が求めるのは常用を含めた自身の出来る全てですので、出来るのであればせめて10000字を常用に…。
そもそも常用とは常に用いる、即ち自身が常に用いるものが1945字ではなく10000字であればよいわけです。然しそれは一生を懸けて実現出来るかどうか?
あおむしなんて所詮は芋虫。聖人でもなければ賢人でもありません。凡人です。
それを踏まえても、求めたいものですので。
十年計画ならぬ生涯計画、それはまた後日にでもお話したく。
求めるものがあれば、人生は充実するものです。折角出会った悠久の漢字学習を通して常に求道者でありたいものです。
その一つの目標として、取り敢えずは10000字を目安に、日々限られた時間の中でも精進していこうかと。
弊blogの本日の記事中、以下に挙げる7つの配当外漢字(1級配当の異体字も含む)に出会いました。
鱔、鱣、黿、噱、鼉、「肉月+豦」、崤
鱣序(センジョ)=講堂、学校
黿鼉(ゲンダ)=オオウミガメとワニ、思う儘に成らない物の譬え
黿鳴鼈応(ゲンメイベツオウ)=君臣が呼応し合うこと
一噱(イッキャク)を為す=大笑いする
肉月+豦(キャク)=鼻溝
なかなか手強いものばかりですが、逆に1級配当漢字が簡単に見えてくるので、そうした効果も期待できるのではないでしょうか。さらに、1級配当漢字をさらに固める効果も見込めそうです。
でも、「鼉」は超むずかしいですね。
このペースなら1年余りで3000字を超しますが。。。現実の文章で遘うとなるとなかなか。。。でも、柏木如亭のような江戸時代の文人の文章も結構咬み応えありますよね。
よしや6月中止になろうが、なるまいが、関係なく楽しめますよね。出ないんですから。。。
全部潰れてますね。。読む前に見えませんね。。。
そうなんです。配当外を学習していると、一級配当が易しく感じる錯覚に陥ってしまう。それ故に一級配当が難しいという先入観が払拭されて一級配当字の学習が捗るという効果もあるのですが。
配当外字をネットで表示するにはちょっと手間がかかって面倒くさいので遣りませんが。
見えなくていいです。それよりも如亭、いいですね。如亭に倣っての現代語訳を試みるのもいいかなぁと、超訳意訳でもいいので。
如亭もゆっくり咬んでみたいですね。どんな味がするのか、ワクワクします!人それぞれ違った味がすると思うのですが、どうでしょう?
>割り込みコメ失礼します。
>白魚一寸様のブログのコメント欄を使わせて戴いてchar様のコメントに返答する僭越の罪をお許し戴きたく。
お二人を見ていると、紀昌と飛衛のお話を思い出します。(尤も、どちらが紀昌で、どちらが飛衛ということではありません。)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/620_14533.html
どうぞご随意に。もう2年以上前ですが、SIMO様と大岡様がお話されていたことがありました。
>逆に1級配当漢字が簡単に見えてくるので、そうした効果も期待できるのではないでしょうか。さらに、1級配当漢字をさらに固める効果も見込めそうです。
>そうなんです。配当外を学習していると、一級配当が易しく感じる錯覚に陥ってしまう。それ故に一級配当が難しいという先入観が払拭されて一級配当字の学習が捗るという効果もある
私は、1級漢字を学習すると、常用や準1級の漢字と混乱するという経験をしていますので、配当外の漢字を学習すると、1級までの漢字と混乱してくるような感じがします。そのため、1級までの漢字を固めながら、亀の歩みで晋もうと思います。
>鱔、鱣、黿、噱、鼉、「肉月+豦」、崤
char様のブログに出てくる配当外の漢字も学習しようと思います。「大漢和」や「字通」は扱いにくいので、手頃で字数の多い「大字典」(番号の付いている親字だけで14924字)を見ることにします。見た漢字には、C(21.4.26)とか書き込んでいき、累計を数えます。1万字に至るのはいつのことだろうと茫然としておりましたが、これだとペースを上げられそうです。どんどん配当外の漢字を書いて下さいね(^_^)
>配当外字をネットで表示するにはちょっと手間がかかって面倒くさいので遣りません
そう仰有らずにあおむし様も遣って下さい。「大字典」にAと書き込みますから。
>4月25日の記事に
【尺(しゃく)を枉(ま)げて尋を直くす】=枉尺直尋(出典「孟子 滕文公下一」)
(漢検新執行部に贈る故事諺です。)
とあります。
この記事でしょうからこちらでお返事します。
>以前から気にかかっていたところで、リンク先の文献などを読んで、だいたい意味はわかるのですが、もう少し、(漢検新執行部に贈る)ところを教えたいただけるとうれしいのですがお願いできますでしょうか。
大きな利益を得るために、小さな犠牲をはらうことという意味ですよね。当時、新執行部が、旧理事長父子にどのような責任追及を行うのかが世間の関心事でした。責任追及は当然のことなのでしょうが、私は、天の邪鬼ですので、このことは小事に思えました。
では、何が大事なのか。あまり纏まっていないのですが、公益法人にもかかわらず、儲けることが悪いということであれば、儲からない仕組み作りが必要でしょう。500~100円の値下げで糊塗していますが、1級に関していえば、過去問集が高すぎるのは明かですし、そもそも、「適正な」受験料をとった問題を更に売りつけるのもどうかと思います。全部、漢検協会のHPで公表すればいいのではないでしょうか。
また、漢検協会というのは、漢検を実施することが自己目的化している団体ですが、検定というのは、漢字文化の向上という目的のために行われるものではないかと思っています。ある程度儲かる仕組みをそのままにしておいたとしても、漢字文化の向上に資する事業を行ってくれるのあればいいなあと願っています。