鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

19-1の出題傾向は暫く続くと思う

2007年08月04日 | 19-1(第43回)

(19.9.16修正 SIMO様の19-1の分析結果に変更、下線部若干の追加)

 漢検協会は、受験者数を増やすことを最大の目的にしている団体だと思います。受験者数をロゴに掲げ、増える度に何度も変えているような団体は、私は他には寡聞にして知りません。

 そんな漢検でも、準1級や1級の受験生数は停滞が続いていました。漢検協会は、国家の文字統制という誤った文化政策である常用漢字制度に乗っかって、2級以下の受験生を増やして来たのですから、常用漢字外を対象とする準1級や1級に力が入らなかったのは詮方ないことです。

 ところが最近、テレビやDSの影響からか、準1級や1級の受験生が増えてきました。漢検協会はこの傾向を維持促進しようとするでしょう。

 受験者は、新規受験者とリピーターに分かれます。1級の新規受験者は、あおむし様のような方は除き、準1級の合格者が多いでしょうから、先ずは準1級の受験生及び合格者を如何に増やすかです。

 漢検が以前から、リピーター確保に長けており、方策の一つとして読み問題を難化させてきたことは、ささきしげき様が夙にご指摘のとおりだと思います。ただ、読み問題の難化は、後は未出の漢字を出すくらいしかなく、もう行き着くところまで来た感じがします。しかも、受験生の二極化という傾向を踏まえ、平均点172点の合格者にも、平均点76.8点の不合格者にも、もう一度受けようという気持ちになって貰うことが肝要です。

 私は、19-1の問題は、次の観点から、合格者にも不合格者にも、もう一度受けようという気持ちを起こさせる問題であり、基本的には、暫くこの傾向が続くのではないかと思っています。我田引水的論理であることはご容赦下さい。 なお、19-1は、合格率8.5%で難しかったようですが、この難易度が今後も継続するかは不明で、下記3点の傾向が今後も続くと思うだけです。

1, 過去問からかなり出題される。

 mixiの1級お役立ちコミュでのSIMO様の分析によれば、19-1は、「征服」を解けば86点取れるとのことです。問題集で解いたことがあっても少しは間違うでしょうから、不合格者の平均点76.8点というのは、「征服」を一通りやった位ではないかと思います。

 1級の過去問題集は高いですから、なかなか買う気になりません。でも、「征服」や他の問題集だけでは立ちゆかないことに気づけば、今まで過去問から可成り出題されていることはネットでは常識の部類であり、次は最近の過去問に向かうでしょう。受験料5000円あれば、過去問3年分は買えます。 あんな高い過去問題集を買わせるのですから、今までと同じくらいは当然出題するでしょう。

 過去問からの出題は、合格リピーターにとってももう一度受ける気を起こさせます。初回合格者の多くは、「征服」と最近の過去問は遣っているでしょうが、古い過去問を入手している人はそう多くはないでしょう。私も合格してから、全部揃えました。過去問43回分を全部入手し、全部できるようにするには、可成り大変ですので結構楽しめます。また、オタク趣味ですが、過去問からどれが再度出るかを考えることも結構面白いと思います。また、読みから書き取りに転化する問題を予想する楽しみもあります。

2,「辞典」や「四字熟語」から多く出題される。

 1級受験生は、この二つの辞書を使っている方が結構居ると思います。漢和辞典は他の辞書を使って合格された方もいますが、「四字熟語」はこれに代わるものはないでしょう。この二つの辞典から多く出題されるということが分かれば、もっと辞典を学習しよう、辞典を学習すれば通るのではという気持ちになります。また、合格者も、「辞典」や「四字熟語」を隅々まで憶えている人は希有でしょうから、もっと辞典を学習しよう、辞典を学習すれば更に点数が上がるという気持ちになります。

1と2は、漢検協会が、自社出版物を何とか売ろうとしていることの現れでもあります。

3.準1級以下の難問が出題される。

 今回常用漢字から出題された覆舟、断章取義、六合、比擬の書き取りは、難問で、合格リピーターの人でも不正解が多かったように思います。合格リピーターはこういう熟語も書けるように更なる努力を傾注するでしょう。私も、 四字熟語」の5級配当を読んだり「辞典」に△の付いた音熟語を読んだりしています。

 一方、不合格者の多くは、準1級合格者でしょうから、1級の難しい熟語だとやる気もなくなりますが、準1級や常用の熟語だと、これならできるかもという気になるのではないでしょうか。

 ただ、今回、予想もしない5級の断章取義を出題しましたから、今後も、少しは、予想もしない出題をしてくるでしょう。

 さて、19-1の受験生の多くは、19-2も受験するのでしょうか。漢検は、樫の木発送のため名寄せをしていますから、リピーター受験割合は把握しているでしょう。19-2の問題傾向がどのようになるかは、受験生の傾向を見て最終的には決まるのでしょうから、上記予想が外れたらごめんなさい。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿