EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

中世音楽セミナー

2013年04月25日 | 日記
ゲントで12.13世紀中世ヨーロッパ専門の音楽学者が講義、マスタークラスが開講されました。私は、最近14世紀の音楽を演奏する機会も多いのですが、今日は、もう一つ前の時代。
グレゴリアンからすこし進んだ音楽です。

午前中は、どのように楽器を復元するか、絵画や石碑から読み取れる内容など、楽器の構造やら、今殆ど演奏されなくなった楽器や、楽器の素材など。

美術館に残る、絵画、楽器は、後の時代に、時に別の国に持ち込まれ、ビジネスの為に別のスタイルに改造されたものが山ほどあるので、やはり、今よく耳にする音楽とは少しまた研究の仕方が変わります。

しかし楽器の音があって、始めて楽譜が音になる。響きが変わります。どの楽器を組み合わせるのか、羊の腸でつくられた弦なのか、スチール弦なのか。10世紀の書物にはすでに、
スチール弦のはられたプサルテリヨンが、、、

とあります。ハープもイングランド附近はスチールでした。

私の中世ハープは15世紀のモデルですが、まったく歴史に忠実にはつくられていません。製作者と演奏家と学者の中で解釈、選択意見が異なり、最終的に、音楽を演奏されるための楽器。
演奏家として何を選ぶか、今日は考えさせられました。

午後からは、12.13世紀の音楽の演奏実践。装飾法と、インプロビゼーションなど。
14世紀の音楽を演奏したことはあるでしょうか?

すごく知的で驚くほど技巧的で、それは現代曲と私の中で通じるものがあるほど、複雑極まりなく、それでいて美しい。12.13世紀の音楽はたくさんの装飾でかざられた音楽で、14世紀はそれに二重にも三重にも増して装飾でちりばめられた音楽です。

今日は夕方レッスンがあり、今ブリュッセルに戻る電車の中です。途中で退出しなければならなかったのが凄く悔やまれます。

(upするの忘れてました。数日前の日記より)