宝暦12年(1762)10月7日、小野家では直方の長女・ホノ夫妻の
壮行会の宴が、親類や知人を招いて催されている。
ホノの夫の桑原平兵衛盛利が大坂藏奉行を拝命し、夫婦で大坂に
赴くのを祝うため、親類がはなむけの宴を設けている。
身内だけということで、10人ほどで酒一斗(1升瓶で10本)を飲み
干し、出された料理も多彩で大いに盛り上がった。
こづけ飯、煮物、淡雪豆腐、鰆の膾、イシモチの焼き物、味噌吸
い物、等々。
その他、評判が良かったのが深大寺蕎麦。これは1ヵ月前に深大
寺引抜という蕎麦の実・四升五合を三百文で買っておいたのを、宴
の前日に粉に引き、当日の朝、桑原平兵衛と舘野忠四郎(直方の次男)、
そして小野家の奉公人・平蔵の3人で打ったもの。
大釜に湯を沸かし、蕎麦の茹で加減も上々で、直方も“至極、能
出来“と記している。
桑原平兵衛は、深大寺蕎麦の実を赴任先で配る“江戸土産”の一
つとして、船便で大坂に送っている。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)
壮行会の宴が、親類や知人を招いて催されている。
ホノの夫の桑原平兵衛盛利が大坂藏奉行を拝命し、夫婦で大坂に
赴くのを祝うため、親類がはなむけの宴を設けている。
身内だけということで、10人ほどで酒一斗(1升瓶で10本)を飲み
干し、出された料理も多彩で大いに盛り上がった。
こづけ飯、煮物、淡雪豆腐、鰆の膾、イシモチの焼き物、味噌吸
い物、等々。
その他、評判が良かったのが深大寺蕎麦。これは1ヵ月前に深大
寺引抜という蕎麦の実・四升五合を三百文で買っておいたのを、宴
の前日に粉に引き、当日の朝、桑原平兵衛と舘野忠四郎(直方の次男)、
そして小野家の奉公人・平蔵の3人で打ったもの。
大釜に湯を沸かし、蕎麦の茹で加減も上々で、直方も“至極、能
出来“と記している。
桑原平兵衛は、深大寺蕎麦の実を赴任先で配る“江戸土産”の一
つとして、船便で大坂に送っている。
(国立公文書館:千代田区北の丸公園3-2)