男の人生と恋愛模様を描いた「伊勢物語」(江戸時代初期写、京都
学習院旧蔵、全1冊)は、多くの和歌を中心にしている。
展示資料は大名であり文人としても知られる小堀遠州の筆による書
で、独特の丸みを帯びた筆跡は“定家様”という藤原定家の筆跡を継承
したもの。
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奥書には「宗甫写」の3字と、「甫」の字の朱印があり、宗甫は遠
州の号。底本となっているのは定家が天福年間に孫娘のために書き与
えた「天福本」と称される書。
遠州とは、駿府城修築の功績が認められた際、従五位遠江守に叙せ
られたことからつけられた通称。
国立公文書館(千代田区北の丸公園3-2)