Groovy Days

2008年7月23日マキシシングル『青空』をリリース!
柳生伸也のblog

めぐみさんを返してください

2012-03-09 12:03:43 | 活動記録

今日は、桐生市で北朝鮮拉致被害者を救う活動を行っている『宙のこえの会』の皆さん主催による、横田めぐみさんの写真展、『宙のこえの会』の皆さんが作られためぐみさんの物語の紙芝居『届けよ!この心の叫び』の公演と、めぐみさんのご両親である横田滋さん・早紀江さんご夫妻の講演会の間に少し演奏をする事になっていました。

前日、かなり早く眠ったこともあって、朝はかなりすっきり目覚めることができ、人間はこう言う生活をしなくてはいけないなぁと思っていました。
会場には午前10時30分ごろに入りました。

本当は午後1時ごろに会場入りをして、自分の準備だけすれば良いと言われていたんですが、何か手伝うことがあるかもしれないからと思って早めに入ったんですが、結局、ほとんどの準備は済んでしまっていて、僕のすることはやはり自分の準備だけでした。
あと1時間早く入れば良かったかなぁとも思ったんですが、おそらく、ほとんどの準備は前日のうちに済んでしまっていたんでしょう。

イベントの開始時、かなり多くのお客さんが会場に入っていました。
この事件に対する関心の大きさの現われなんだと思います。

近所の中学校の生徒さんが見学に来たのですが、最後まではいられないと言うことでしたので、横田滋さん・早紀江さんご夫妻は急遽、『北朝鮮に拉致されたときの娘と同じ年頃のあなたたちに聞いて欲しい』と、特別に講演されました。
中学生たちにとって、とても有意義なお話だったと思いますし、そこから彼らにはいろいろな事を感じ取って、自分なりに考えてもらいたいと思いました。

主催者である『宙のこえの会』の皆さんの製作された紙芝居『届けよ!この心の叫び』は、皆さんによる手作りの紙芝居なんですが、どのようにしてめぐみさんが北朝鮮に連れ去られたのか、その後のご家族がどう過ごしてきたのかと言うことがとてもよく分かる物語で、大変良くできていました。
読み上げる方が大変上手にされたので、物語を追いながら、僕は涙が溢れそうになったんですが、その次に僕の出番があったので、ぐっとこらえて聞いていました。

それに、僕たちはあの物語を聞いて、泣いていてはいけないんです。
あの事件の事を心に刻み付け、多くの人と語り合い、決して風化させないように努力することが僕たちのすべき事ですし、多くの人が騒ぐこと、問題として日々取り上げることが、事件の早期解決の力になるんだと言うことを考えなくてはいけないんだと思います。

紙芝居の後は、僕の出番でした。
予め、『宙のこえの会』の皆さんから『浅き夢見じ』と『青空』を歌って欲しいとリクエストされていましたので、『浅き夢見じ』はシーケンサーによる自動演奏で、『青空』はピアノ弾き語りでお届けしました。
横田さんご夫妻にも聞いていただけましたので、少しでも何かしらお役に立てていればと思います。

僕の演奏後、横田さんご夫妻による講演があったのですが、僕は少し、横田さんご夫妻の印象が変わりました。
特に、早紀江さんの印象が本当に全く変わりました。

と言うのは、僕はこれまで、テレビのニュースなどでしか彼らのことを見たことはありませんでしたが、お二人は北朝鮮という犯罪国家に毅然と立ち向かう、強い両親と言う印象があったのですけど、今回の講演会で見たお二人は、ただ純粋に娘の無事を祈り、一刻も早い帰国を願う、ただの一組の両親と言う印象でした。
こんなにも普通の人たちから、普通の幸せを奪った北朝鮮の犯罪を、本当に許しがたいと思いましたし、僕たちは同じ日本人として、少しでも早くこの問題が解決するよう、一人一人がほんの少しずつ力を出し合って、大きなムーブメントを作らなくてはいけないと思いました。

会はつつがなく終了し、片づけが全て済んだ後、『宙のこえの会』の皆さん、横田ご夫妻と一緒に近くの喫茶店『ピノキオ』でコーヒーを飲みました。

そこで、横田ご夫妻と結構長く話したんですが、話せば話すほど、お二人とも本当に普通のお父さん、お母さんで、かなり親近感を感じましたし、この人たちのために、微力ながら僕も何かをしなくてはと言う気持ちが本当に強くなりました。
横田さんご一家は、一時期名古屋市に住んでいたこともあると言うことで、早紀江さんは名古屋での思い出をいろいろと語ってくださいましたし、滋さんは、僕の出身大学で講演会をしたときの思い出などを話してくださいました。
とても有意義な時間だったと思います。

余談ですが、喫茶『ピノキオ』のトイレの案内板は、男女の絵が木製の操り人形になっていてかわいらしかったです。


『宙のこえの会』の皆さん、横田ご夫妻と別れた後、残った僕は、前日番組でお世話になって、当日もライヴの開催に尽力してくださったFM桐生の濱田育代さんの案内で、少し桐生市内を観光する事にしました。
とは言え、夕方過ぎで雨だったので、ほとんどの場所は車窓見学と言う事になってしまいましたが、かつて紡績工場で大変な賑わいを見せた古い町並みなどはとても見ごたえがありました。
今度はぜひ、晴れた昼間にちゃんと見てみたいものです。

名残惜しかったですが、濱田さんと別れて、僕は一人帰路に着きました。

北関東自動車道に乗って、一路自宅に向けて走り出したんですが、少し走ったところで突然、案内表示の電光掲示板に不吉な文字が出ていました。

『雪 チェーン規制』

横川SAから先、冬用タイヤもしくはチェーンを装着した車でなくては走ることができない、と言うことでした。

絶望的な気持ちを抱きつつ、僕はロングドライブでほとんど空になっていた自分の車に横川サービスエリアのガソリンスタンドで給油して、駐車場に車を停め、チェーン規制が解除されるのを待つ事にしました。

長い夜が始まりました。