oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

ダンスしながらアメリカ社会を融合していく?

2006-08-25 | アメリカ社会
わたしはミュージカル映画やダンス映画が結構好きなので、「青春ダンス映画」だと宣伝されている『Step Up』を鑑賞しました。東海岸のボルティモアが舞台で、ヒップホップ(ブレイクダンス?)が得意な問題児とバレエが得意なお嬢様(上の画像)が主人公です。当然この高校生同士は恋に落ちるわけですが、cornyな(安っぽい)ストーリーはどうでもいいとして、ダンスシーンは結構楽しめました。興味のある方、http://www.myspace.com/stepupmovie にアクセスして「VIEW TRAILER」をクリックすると予告編が見れます。



バレリーナ少女とヒップホップ少年のカップル、ということから分かるように、このダンス映画の「ウリ」が、バレエとヒップホップの合作。映画の最後のダンス・シーンを観て、「へえ~、バレエとヒップホップを一つのルーティーンにうまくまとめたものだ」とわたしは感心しました。(上の画像がそのダンス・シーンから。)

バレエとヒップホップの融合というのは、見た目以上の深い意味があると思います。それは、アメリカ社会の融合も意味しているのではないか、ということです。大雑把にいうと、「バレエ=金持ち&白人&女性」、「ヒップホップ=貧困&黒人&男性」。お互いに正反対というか、本来ならばバレエをやっている人とヒップホップをやっている人はお互いに接点がなく、一生話をすることもないであろう者同士。(ちなみに、この両者の違いを強調していたのが、ヒップホップの象徴、ぶかぶかの「ずり下げズボン」とバレエの象徴、「ぴっちりタイツ」。)そんな、社会における接点がない者同士である、超エリートの芸術高校に通うバレエ少女と犯罪歴のある孤児のヒップホップ少年でも、お互いの特徴を生かしながら一つの曲に合わせて見事なダンスのハーモニーを作り出すことができる――、というメッセージをわたしはこの映画から受け取りました。

ちなみに、この映画のTVコマーシャルの一つの中で、「Two Worlds(二つの世界)」、「Two Strangers(お互いに他人同士の二人)」、「One Passion(一つの情熱)」という文句が順番に出て来ます。この映画では、「二つの異なったものが一つになる」ということを暗示していると思います。このコマーシャルを見たい方、上記のウェブ・アドレスにアクセスして「TV SPOT2 TW0 WORLDS」をクリックしてください。

アメリカ社会を分離する要素である人種、階級、ジェンダーなどの壁を取り除いて社会をもっと融合させるのが理想とするならば、政治家が政策を考えたり法律を制定したりするよりは、ファッションや音楽、それにダンスなどのエンターテイメントや娯楽を通して一般市民がリードしていく方が手っ取り早いのかもしれません。アメリカにおける地球温暖化防止をリードするのが市民なら、アメリカ社会を融合していくのも市民先行か?

娯楽といえば、ここ2、3年、アメリカの本屋で日本の漫画が非常に増えました。良好な日米関係を築いていく原動力になるのは、政治家よりも漫画!?

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2 コメント

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フツーな文化交流 (ボージー)
2006-08-25 20:56:11
少し違っているかもしれませんが、ここ数年の間に日本で起こった韓流ブームに通じるものがあるような気がしました。

それ以前と以後の日本では韓国に対する態度というか、勝手に描いているイメージというか、そんなような諸々がガラッと変わってしまいましたからね。

単なるメロドラマがきっかけでしたので「ケッ…くだらねー」というような発言も多かったようですが、日本人の多くが持つあまり根拠の無い「悪いイメージ」を払拭できて、むしろなんとなく「ステキなイメージ」を抱けるようになったというのはやはり喜ぶべきことだと思っています。

政府や公的機関が躍起になって、やれ文化交流だなんだのやったって誰も振り向きやしないわけで、しょーもないメロドラマであろうが何か響くものをもっていれば、あっと言う間に大きなチカラを持つものですものね。

せっかくのインターネット時代、もうマスコミにも政府にも頼る割合が格段に減っているこの時代、フツーな文化交流に期待大です。

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日韓関係 (しんのすけ)
2006-08-26 02:34:31
韓国の大学生(?)の調査によると、日本の政府(だったと思う)には悪い印象を持っているけれど、日本人やその大衆文化には好印象を持っている、みたいなことが先日発表されてましたね。わたしが先日記事にしたように、一般大衆受けするものというのは特にエリート意識を持っている方から批判の的になりますが、数からいえばエリートよりは大衆の方が圧倒的に多いわけですから、大衆のパワーというのは侮れないと思います。
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