oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

家族愛は不安の裏返し?

2007-09-09 | アメリカ社会
日本ハムのヒルマン監督(米テキサス州出身)が、家族を理由に退団を発表したのだとか。家族を理由にスポーツ選手が試合を欠場したり引退を表明したりするのは、アメリカではよくあります。「よくある」どころか、常套句になっていると言っても過言ではないですね。日本人の「一身上の都合により」と似たような感じ?去年わたしのアドバイザーに、「スケートアメリカでボランティアします」と「親と一緒にニューヨーク&ボストン観光します」と伝えたとき、両者に対する反応に大きな違いがありました。スケートアメリカに関しては、作り笑顔(fake smile)の裏に「テメエ、そんなことやってる暇あんのかよ」というメッセージを感じたけれど、親との観光に関しては心から「あら、素敵じゃない!」と言っているのが分かりました。この夏にまた親が遊びに来る事を告げたときも、やはり同じ反応でした。

家族を大事にしているように見えるアメリカ。でもな~、この家族愛というのは裏返せば、「家族がいつ崩壊してもおかしくない」という危機感があるからでは?とわたしは感じます。「家族」というのは当たり前に存在しているのではなくて、構成員が意識して維持していくものなんですよね。家族同士で「I love you」を常に言い合うのも、常に愛情を持ち続ける努力を要するからだと聞いたことがあるけれど・・・。仕事よりも子供の学芸会出席を優先させるなどして、常に言葉や行動で「愛情」を示すことによって家族という形態を維持できるように努力している、というふうにわたしには見えます。

ちなみに、幸か不幸かわたしは、「家族というのは当たり前に存在していて、わたしはその構成員の一人である」と思える家族に属しています。わたしが単身でオレゴンに来て6年の間、「自分がいない間に家族が崩壊するかも」という不安に駆られたことは一度もありません。里帰りしたとき、両親が些細な事で言い合っているのを見たら「離婚すれば?」と簡単に言えるのも裏返せば、絶対離婚しないという安心感があるからこそ。本当に離婚するかもしれない夫婦に向かって「離婚すれば?」と言ったらシャレになりませんからね。

ヒルマン監督が「家族との時間を大切にしたい」と言ったのが本心かどうかは分かりませんが、この理由は無難過ぎるので本心ではないのかも、と思います。でもそれこそ、「ヒルマン監督の退団理由は本当か、嘘か?」という問題は、「アル・ゴアは偽善者か?」と同様にわたしにはどうでもいいこと。ヒルマン監督、お疲れ様でした。

(写真は時事通信社より)

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2 コメント

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家族 (蘭丸)
2007-09-10 10:44:36
夫婦は元々他人ですし
大半の家庭で親から子への愛情は無償のものでしょうけど
子から親への愛は無償のものでは無いでしょうから
やっぱり円満な家族関係を維持するためには
努力が必要なんだと思います。

私も努力を怠らない様にしなければ。
家族は当たり前じゃない? (しんのすけ)
2007-09-11 10:02:27
「家族崩壊の不安」というのは、最近は日本でも増幅しているかもしれませんね。家族というのは構成員次第でどうにでもなるので、その形態を維持していくには各家庭にそれぞれの秘訣があるような気がします。

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