コーヒー・ハウスといえばオレゴン州の北隣、ワシントン州シアトルが有名。でも、ポートランドも負けちゃいない。オレゴン州最大のこの都市には、『
買い物は政治行動』で紹介した「Coffee People」以外にも、地元経営のコーヒー・ハウスがいっぱい。ポートランドにもシアトル系は多いけれど、せっかくなら地元経営のコーヒー・ハウスを利用したいもの。ちなみにポートランドは、世界で一番大きな独立系(全国チェーンではない)の本屋Powell’s Books(写真上)があることで有名(後方のビルは本屋ではありません)。新書も古本も置いてある、この迷路のような巨大な本屋で本を購入し、地元経営のコーヒー・ハウスでゆっくりとそれを読む―。これが、雨の日が多いポートランドでの正統的な過ごし方です(と、自分で勝手に決めてしまう)。
というわけで、ポートランド発のコーヒー・ハウスを、いくつか簡単にご紹介。シアトル系のように「世界制覇」の野望を抱かず、ポートランドだけで(せめてオレゴン州内で)地元に根を張った経営を続けてほしいもの。ここで紹介するコーヒー・ハウスはどれも、社会や政治に対して意識が高いポートランドを反映した店。「sustainability(持続可能な?環境にやさしい?)」を合言葉に、オーガニック・コーヒーやフェア・トレードのコーヒー、それに、渡り鳥の生息地を破壊しないように栽培された「shade grown coffee」などを積極的に使用しています。わたし達が普段何気なく飲んでいるコーヒーも、環境やコーヒー栽培農家の人たちの運命を左右しているのですね。社会意識が高いだけではなく、これらのコーヒー・ハウスはどこも、無料でインターネットができるようになっています。
高い社会意識と顧客サービス―。経営のお手本ですね。

(わたしのポートランドでの定宿、と言ってもユースホステル

、のすぐ近くにある「World Coffee and Tea」。朝起きるとまずここへ。コンセントがあちこちにあるところが

。Powell’s Booksにもこのコーヒー・ハウスが入っています)

(ミュージシャンなどの芸術家を従業員として雇い、活動をサポートしているコーヒー・ハウス「Stumptown Coffee Roaster」。市内に3軒。ツアーで何ヶ月か仕事を休むアマチュア・ミュージシャンなどにも、2ヵ月に一度のマッサージを含んだ手厚い福利厚生を提供し、経済的に不安的な状況にある芸術家たちをバックアップ。ちょっとウルサ系の音楽が大きめのボリュームでかかっているので、静かな環境を好む人には不向き)

(意外と客が少なくて、穴場的存在の「Boyds Coffee」。灰色の雨空を見飽きたら、原色を基調にしたコーヒー・ハウスもいいかも)

(Boyds Coffee内ののテーブルのひとつ。日本の侘び・寂びもいいけれど、お子ちゃま趣味のわたしは、このような図柄が結構好き

)