oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

何気ない表現からも分かる、見方の違い

2006-06-29 | 見方・視点
写真は、ある店がガラス張りの壁に標示している張り紙。この写真と全く同じ文句が、わたしが通うヨガ教室の入り口にも標示しています。もし、日本の大学入試で「この英語を日本語に訳せ」という問題が出たら、どう訳しますか?「笑って!!カメラに写ってますよ」。直訳するとこのような日本語になるのでしょうか?でも、こんな言い方は日本ではしませんね。

お分かりのように、「SMILE!! You're on camera」は「監視カメラ作動中」ということです。この日本語を英語に直訳した「Security Camera On」みたいな言い方もするのかどうか知りませんが、「SMILE!! You're on camera」とは洒落た言い方をするものですね。

「SMILE!! You're on camera」と「監視カメラ作動中」―――。どちらの表現が好きですか?「SMILE!!~」の方が洒落てるし、「ちょい遊び心」が感じられていい?それとも、「監視~」の方が単刀直入だし英語の表現はふざけた感じがする?

わたしは「SMILE!!~」の方が好きです。「監視~」は機械が主体で人間が客体という見方をしているのに対し、「SMILE!!~」は人間が主体(「You」が主語になってますよね)で機械が客体という見方。「あなたは主演女優よ!そんなあなたをカメラが撮影するから、さあ、笑って。最高の笑顔を見せて!!」というニュアンスがあります。(←もちろん、ちょっと大袈裟)「監視カメラ作動中」だと、文字通り「機械が人間を見張っている」のです(「機械が」=主語=subject=主体。「人間を」=目的語=object=客体)。それに、監視カメラが作動しているということは、その場で犯罪が起こる可能性があるということ。気持ちいい感じがしませんね。「俺は監視カメラだ。俺がずっと見張ってるから人間ども、悪さすんなよ!!」という無言の圧力をカメラからかけられている気がします。ちなみに、「SMILE!!~」は「監視カメラ(security camera)」という言葉を使用していません。機械よりも人間を主体にした表現をしたいのであれば、「監視カメラ作動中」よりも「SMILE!! You're on camera」の方が好ましいですね。

「日本もアメリカのようにカジュアルな言い方をしろよ」とは言わないけれど、表現をもっと工夫してもいいかも。でも、「監視カメラ作動中」の代わりに「カメラに撮りますよ~。ハイ、チーズ!!」という文句を店の入り口に標示したら、その場で立ち止まってピース・サインしたり、髪形を整えたり、目を大きめにしたりするなどの日本人が続出する!?

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スクリーン広告に登場するセレブ猫♪

2006-06-28 | 
写真は、この町にあるアート系映画館が飼っている猫。名前は「Boo(ブー)」。この映画館に行く楽しみの一つのが、このBooを見ること。下の写真を見れば分かるように、でかい!「アメリカの肥満化は人間だけではなくてペットも」と報告していた以前読んだ雑誌記事は、的を得ているのかも。このBoo、9キロ弱あってちょっとしたクッションのようです。体格に比例して性格もどっしりしているようで、周りが大勢の観客でごった返していてもマイペース。ロビーに置かれた椅子の上でいつも寝そべっています。



このBoo、ほんじょそこらの猫とは身分が違うのです。なんと、映画館での本編上映前にBooを紹介するスクリーン広告が登場するという、セレブな(?)猫!Booのボーとした顔のアップ写真が、以下のような紹介文と共にスクリーンに大写しになります。

―――――――――――――――――――
Meet Boo!

She was adopted.
She is almost twenty-years old.
She is 19 lbs. (She is dieting.)
She doesn't eat popcorns.
―――――――――――――――――――

どこからかは知らないけれど、この映画館が引き取った20才になるBoo。映画館に住んでいても、さすがにポップコーンは食べないようですね。「ダイエット中」だというのが笑えます。一日中ぐーたらしていても自分のスクリーン広告を製作してもらえる猫は、世界広といえどもほとんどいないはず。「わたくし、自分を紹介するスクリーン広告を持っておりますの。ほんじょそこらの猫とは身分が違いますのよ、オホホ!」などと「エリートチック」な事を言いそうな雰囲気はBooには・・・、ないですね。

地元経営の映画館だからこそ、スクリーン広告も自分たちが好きなようにコントロールできるのかもしれないし、ペット・フレンドリーなこの町を象徴している、とも言えるのかもしれません。飼い猫紹介のスクリーン広告を流すという「ちょい遊び心(「ゆる~い」遊び心?)」、わたしは大好きですが、日本でやると不謹慎?

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地球温暖化も民主主義で解決!?

2006-06-27 | 歴史
昨日鑑賞したのが、アル・ゴア元副大統領主演(?)のドキュメンタリー映画『An Inconvenient Truth』。地球温暖化は自然の現象ではなくて人間の仕業である事を証明し、皆で協力して温暖化を阻止しようと訴えていたこの映画のタイトル、「都合の悪い真実」とでも訳せるのでしょうか?誰にとって都合が悪いかは・・・、巨大な石油利権を握っていて環境問題に消極的な現在のブッシュ政権?ゴア氏が聴衆の前で地球温暖化について講演しているスタイルで進むこのドキュメンタリー映画、データや画像を豊富に使用し、わたしのように科学に疎い人間でも分かりやすかったです(上の画像は映画の一場面)。

地球温暖化といえば全世界共通の問題ですが、この映画はアメリカ人向けに製作されたようでした。さて、世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカの国民を、地球温暖化防止に取り組もうと鼓舞するためにゴア氏はどうしたか?

歴史に訴えたのです。独立宣言で民主主義を明文化し、奴隷制度の廃止、女性参政権の発効、公民権運動を経て法律上の人種差別の撤廃などにおいて、アメリカは民主主義の精神に乗っ取ってそのような問題を(それなりに)解決してきたのだ、と。以前も言ったように、アメリカ史を紐解くと、そのような一般市民による運動が最終的に連邦政府を動かしてきた例が多々あります(政治勢力の流れが市民という「下」から政府という「上」へ)。政府が法律を制定してそれに一般市民が従ってきたわけではないのです(政治勢力の流れが「上」から「下」へ)。つまり、地球温暖化に関しても、一般市民(下)がまず実際に行動を起こしてその問題に消極的な連邦政府(上)を突き動かそう、というのです。これまでいくつもの難題をそれなりに解決してきたアメリカ人なら、地球温暖化も草の根デモクラシーのスピリッツで解決できる!?

去年わたしが出席したビーガン活動家の講演でも、その方はやはり奴隷解放運動や女性参政権運動などに言及し、草の根デモクラシーのスピリッツで工場制畜産&肉食の撤廃を訴えました。自分たちの歴史を誇りとし、同胞を鼓舞する際に歴史に訴えるアメリカ人活動家たち。ちなみに、現職のブッシュ大統領はエール大学で何を専攻したか?歴史学です。C平均の成績では、きちんと勉強したとは言えない?

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「文明化」からの自己防衛に、シンプルライフ?

2006-06-26 | シンプルライフ
20世紀初頭にアメリカの中流階級以上で大ブームになったらしい、シンプルライフ。当時流行していた「arts and crafts movement(芸術と工芸品運動)」とも相成って、カントリー・ハウスやそんな家に置かれている家具や調度品などが都会のブルジョワの間で大流行したとか。19世紀終わりに発達した人類学の出発点も、アメリカ人のように「文明化された」人間が「原始的な(primitive)」人たちに対して抱いた一種の憧れのようなものだったそうです。わたしがアーミッシュに憧れて、その人たちの生活を調べてみたいと思うのと似たような感じ?

南北戦争(1861年~65年)後から産業の規模が拡大してカーネギーをはじめとする大資本家が登場し、国規模での市場が形成されたアメリカ。そのように「文明化」していく社会に対して違和感を感じているブルジョワが多かったようで、当時明治時代だった「原始的な」日本にもボストンなどから何人かのブルジョワが来日し、仏教や浮世絵などの「原始的な」芸術に傾倒したようです。道理でボストン美術館が多大な日本コレクションを保存しているわけですね。



明治時代の日本といえば、3年前の映画『ラスト・サムライ』は、当時の日本のシンプルライフを強調したような描き方でしたね(記事の一番上に映画のワンシーン)。サンフランシスコで飲んだくれていたトム・クルーズ演ずる主役が、日本でのサムライ式(?)シンプルライフを通じて自分に大切なものを見出していく、みたいなストーリーだったと思います。『ラスト・サムライ』に出てきた村がネイティブ・アメリカンの村みたいだと指摘した方がいましたが、そういえばケビン・コスナーのオスカー受賞作『ダンス・ウイズ・ウルブス』(写真上)も、南北戦争で傷ついた兵士が平原でネイティブ・アメリカンとシンプルライフを共にすることによって、心身ともに回復しながら世界観を変えていくというストーリーでした。傷ついた兵士がシンプルライフで心身共に癒されるというのは、ハリウッド映画の王道ストーリー?

このような「シンプルライフを通して生まれ変わる男性」という映画のテーマは、アメリカ社会の価値観を反映していると思います。シンプルライフは、1910年にアメリカでボーイ・スカウトを設立する一つの原動力になったようですし、カウボーイがアメリカ人男性の代表だとされたのも、「文明化」された都会を離れて田舎や山の中でシンプルライフを送る、と言うより送れるスキルを身に付けていることがアメリカでは男らしさ(masculinity)の条件の一つだった(今でも?)からのようです。以前も言ったように、「文明」や「進歩(progress)」を誇りとしつつも、そのような文明社会で生きる人間、特に少年や男性の脆弱化を危惧していた当時のアメリカ人エリートたち。そんな「文明化した」社会で心身共に強靭でいるために必要なのが、シンプルライフだった?

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アメリカでの紫外線対策に、ホホバオイル

2006-06-25 | "Green"
日差しが強くなってくると、気になるのが紫外線。わたしは幸い、多くの日本人のように「紫外線恐怖症」にはかかってないけれど(失礼!)、「舞台役者」根性旺盛ですから美肌維持には命かけてます。じゃなかった!皮膚ガン予防に紫外線対策しています。

紫外線対策といえば日本では椿油ですが、アメリカでその役割を果たすのがホホバオイル。暑くて乾燥した砂漠地帯で採れるはず。紫外線&乾燥対策になる植物が砂漠に生息しているとは、理にかなってますね。

写真が、わたしが愛用しているホホバオイル。オーガニックで量り売りです。何滴かラベンダーオイルを混ぜると電磁波除けになる、とあるサイトに書いてありました。わたしは、前回の旅行にローズマリーオイルを混ぜたホホバオイルを携帯し、洗髪後のリンスとして利用したほか、シャワーの後には全身に塗りこみました。塩素入りのシャワーを浴びた後は、気分の問題としてホホバオイルを塗りたくなってしまうのです。

雨季が長く、その分日照時間が少ないオレゴン。これから4ヵ月続く乾季の間はホホバオイルで武装して(?)、太陽と仲良く付き合いたいものです。

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さくらんぼ&ラズベリーを無料で食べ放題♪

2006-06-24 | 
写真は、下宿先の裏庭(backyard)にある木になったさくらんぼ。これから腐るほどでき、「鳥が食べる前にさっさと食べて」と下宿先の方から言われたので、遠慮なくいっぱい食べさせていただきます。この裏庭ではさくらんぼだけではなく、ラズベリーも段々できてきています。先日朝食にシリアルを食べていたら、学校が夏休みに入って暇になった下宿先のお子チャマがラズベリーを取って来てくれました(下の写真)。

余談ですが、さくらんぼといえば大塚愛の『さくらんぼ』を思い出しました。(←あんた、アメリカにいてもやたら詳しいね。)「あ~なたとわたし さくらんぼ~♪」ってどういう意味?な~んて理性を使うのではなくて感性で感じるのでしょうね、きっと・・・。



毎日晴天続きで夏本番!を迎えたオレゴン。毎日通る川沿いのサイクリング・ロードもすっかり夏景色に(下の写真。上が昼間で、下が夕暮れ時)。来週初めにかけて気温がどんどん上昇して月曜日には35℃を突破し、その後は30℃以下で落ち着くとか。わたしが好きな野菜や果物(トマト、スイカ、桃、ブルーベリー等など)がこれから旬を迎えるので待ち遠しい!





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宗教とビジネスが交錯した町、ミシガン州バトル・クリーク

2006-06-22 | 
わたしが先月訪れたミシガン州アヌアーバー(Ann Arbor)から列車で1時間南にある同州バトル・クリーク(Battle Creek)。この町をご存知ですか?知るかー!と言う方でも、「コーン・フレークで有名なケロッグ社の本部がある町」だと聞くと、へぇ~と思う方が多いのでは。(←『トリビアの泉』?)上の写真は、ケロッグ社本部内にあったケロッグ社のキャラクターの一つ、Tony the Tigerの像。列車でケロッグ社のすぐ横を通ったので、列車内から撮影しました。

バトル・クリークはまた、菜食主義で知られるキリスト教の一派、セブンスデー・アドベンティスト教会(以下、SA教会)の発祥地&本部があった場所(現在の本部はメリーランド州)。日本の三育フーズはSA教団系のようですね。

ケロッグ社とSA教会が両方ともバトル・クリークで発祥した―。これはもちろん偶然ではありません。健康体を重視したSA教会がバトル・クリークに1866年療養所を建て、そこに10年後赴任してきたのが、当時はSA信者だったジョン・ケロッグ博士(後にSAから脱退)。先日言ったように、博士はコーン・フレークとピーナッツ・バターの発明者として知られる「厳しい菜食主義者」でした。ケロッグ博士やその弟、それにケッログ博士の元患者までが朝食用シリアルなどを開発して会社を興し、ぼろ儲け。20世紀の初め、バトル・クリークには朝食ビジネスで一攫千金を狙う者が多く集結し、いろんな会社が乱立していたとか。SA教会の本部が置かれた宗教の町は30~40年後、ビジネスの町になったのです。



ちなみに、ケロッグ博士やビジネス・ブームだった時のバトル・クリークについては、新潮文庫からT.コラゲッサン・ボイル著『ケロッグ博士(The Road to Wellville)』という本が出ているようなので、興味がある方はどうぞ(上の画像は原書版)。史実に基づいた小説、というのでしょうか?アメリカ史上最も有名なベジタリアンだといってもいいケロッグ博士や、初期の頃の朝食ビジネスの様子を知りたい方にお勧めします。この本は10年以上前にハリウッドで映画化され、大コケしましたね・・・。

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「お上品=女性的」という見方はどのように形成されたのか?

2006-06-21 | ジェンダー
わたし「センセ、ついでにどっかで遊んできてもよろしいでしょうか、オホホ(もちろん返事は「Yes」だよな)」
先生「もちろんですとも!楽しんでらっしゃいませ、オホホ(こいつ、いつも遊ぶことしか考えてないな)」

以前の記事から引用した上記の会話文を読んで、気付く点は?ひとつ気付くのは、上品な言い方をする時は女性言葉、乱暴な言い方をする時は男性言葉を使用している、ということ。わたしは意識してこのような言葉遣いを用いたわけではなく、自然と書きました。大雑把にいうと「上品=女性」で「乱暴=男性」という(今では古い?)この見方、これはアメリカでも通用します(通用しました?)。このような見方、特に「上品=女性」は、アメリカではどのように形成されたのでしょうか?

キリスト教文化においては、洗練されたモノ(refined objects)というのが「文明」の象徴。個人の家においては、洗練された(ある意味で)贅沢品が、その家全体を文明化すると信じられていたようです。アメリカ革命後、多くの商品、例えばダイニング・テーブル、様々な料理&食事道具、ティー・セット、かつら、宝飾品などが市場に出回るようになったのは、多くのアメリカ人がそのような上品で当時としては贅沢なモノを望んだから。まるで、欧米のブランド品を渇望する現代の日本人?

「上品なモノ」を購入して自分の家を「文明化」――。アメリカで産業革命が起こり、中流階級以上に限っていえば、「男性=外で生産に従事」、「女性=家の中で家事&買い物」という性別による棲み分けができると、「上品なモノ」を購入して家の中を上品に飾るのは女性の仕事。(「上品」の範囲を逸脱し、贅沢で悪趣味に走る女性もいたようですが。)子どもの教育も任された女性は高い道徳心&宗教心を持っていることが期待され、トータルな意味での「上品で洗練された女性」になることが理想でした。このような文化背景の下に出来上がったのが、「わたくし、ハイソな生活を送っているお上品な淑女ですの、オホホ!」という理想の女性像。

「お上品でハイソなモノ=女性的」と見なすならば、上品やハイソと対極にある「粗野で労働者階級チックなモノ=男性的」。仕事の後にバーでタバコを吸いながら、「何か文句あんのか?何?言葉使いが乱暴?女みたいに上品な言葉なんか使ってられっか!俺は男だぜ!今夜も飲むゾ、ウォー!!」と言ってビールをボトルごと一気飲み、という粗野な言動が「男らしい」。昔のバーはいうまでもなく、ビジネスや工場での労働も、「お上品で洗練されている」とはお世辞にも言えなかったのかも。時代が進むにつれてどんどん「粗雑化していく」アメリカ社会に対して、「こんな社会を改良できるのは、高い道徳心を持って洗練された趣味を持つ上流&中流階級のわたくし達以外にはいないザマス!社会を『洗浄』するのはわたくし達にお任せくださりませ、オホホ!」と言って、多くの女性が社会改革運動を起こしたのはのは先日延べた通り。

この「上品で丁寧=女性」、「乱暴で粗雑=男性」という見方に大雑把に乗っ取っていた映画が、先日公開されたジェニファー・アニストン主演の『The Break-Up』(上の画像)。アニストン演じるBrookはアート・ギャラリーに勤め、家事をきっちりこなす女性。そのボーイ・フレンド、Garyはシカゴにある観光バスの案内人で、家事そっちのけでスポーツ観戦やテレビ・ゲームに熱中し、今どきのモテ男の条件である「sensitive」とはとてもいえないタイプ。Garyの親友がバーのオーナーで、そこでGaryがビールをボトルのまま飲む(←労働者&マッチョのイメージ)シーンがよく登場しました。映画の最後ではお互いがそれなりに歩み寄りますが、このカップルが「break upした(別れた)」原因は「粗雑な男性」のGaryの方に問題がある、と思う観客が多いのでは?

新聞や雑誌で最近時々目にするのが、「女性の方が男性よりも優秀だ」という内容の記事。「大学を卒業する数が、男性よりも女性の方が多くなった」、「中学校や高校においては、女子生徒の方が男子生徒よりも全体的に優秀」等など・・・。「上品で洗練されている女性」という理想像がもし現在でも残っているのなら、「粗雑で乱暴な男性」よりも女性の方がお勉強をよくするのは不思議ではないのかも。

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「脱」除草剤への第一歩

2006-06-20 | "Green"
写真は、川沿のサイクリング・ロードから見た一風景。緑の広~い芝生が爽やかですね~。ピクニックができるテーブルがあり、すぐ隣には芝生のサッカー場があります。多くの日本人を「なんちゃって国家主義者」にしている、じゃなかった、熱狂させているワールド・カップがアメリカでは話題にならない、ということがメディアで話題になるアメリカですが、ラテン系の方がここでサッカーをしているのをよく見かけます。写真のような所にサッカー場があったら、サッカーをしてみたくなるのも頷けます。

が、しかし。この芝生がこの状態で維持できているのは、もちろん除草剤のおかげ。この町には総面積にするとかなりの広さになる公園がありますが、そこにはすべて除草剤を撒いています。背が低い分芝生に近くなる子どもや、そのような芝生の上を飛び回っているリスへの影響は?除草剤が地下水にしみこんで川にも流れ込んでる?わたしももしかして、「川沿いのサイクリングはさわやかザマス~、オホホ~!」と言いながら、除草剤を結構吸ってきた!?ウォー、デトックスじゃ、デトックス!デトックス茶をくれ~!!

このような生物や環境への影響を懸念し、ほんの僅かな面積ではあるけれども、除草剤を使わずに市の職員が手で草むしりを始める、と地元紙が先日報道していました。状況を見て、草むしりをする面積を広げていくのだとか・・・。芝生の上を気楽に歩けてピクニックしたりサッカーしたりできたらいいな、と思うのは分かるけれど、いっそのこと芝生を失くしてしまっても構わない!?

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労働者の立場からも、肉には(ゆる~く?)No!

2006-06-18 | 動物の死体
わたしが肉を拒否する理由の一つが、工場制畜産(factory farming)に反対しているから。工場制畜産というと、その主役である動物にばかり焦点を当てがちだけれど、忘れてはならないのが、そんな工場で労働に従事する方たち。動物たちは進んで「自殺」して「○肉」という商品には変身してはくれないので、大量の「牛/豚/鶏」→大量の「牛肉/豚肉/鶏肉」になる過程では、人間の手が当然加わっています。その「変身」過程に従事するのはどんな人?労働状況は?

『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムニストが先日書いた記事のタイトルが、『Pork plant slaughters pigs and workers’ rights(豚肉工場は豚と労働者の権利を虐殺する)』。ノース・カロライナ州にある世界で一番大きな豚肉工場を所有するSmithfield Packing Co.が、そこで働く不法移民の労働者をいかに搾取しているか、ということを報告していました。

3、4秒毎に一頭の割合でどんどん豚を殺戮する機械。そのペースに合わせて死体を処理していく労働者の間では、ナイフによる怪我、血や内臓でにまみれて滑りやすくなった床や階段での転倒などが日常茶判事だとか。1906年に出版された『ジャングル』の時代から、アメリカの肉生産状況は何ら改善されていない?このような劣悪な労働状況を改善すべく、10年ほど前から労働組合結成の動きがあるけれど、Smithfieldは、労働組合に関わろうとしている労働者を脅迫したり(「移民局に通報して本国に強制送還するぞ!」)解雇したりするなど、連邦労働法に違反する行為を取ってきたのだとか。

ふ~、100年前のアメリカの労働状況を見ているようです・・・。このような労働状況の元に生産されている豚肉。「自然から生命力をもらっている!」と感じるオレンジ・ジュースとは対極に位置していますね。それでもまだ「豚肉っておいしいザマス、オホホ!」と食べれる人を、わたしはマジでリスペクト!わたしは労働者の権利向上を目指す運動に直接参加する気はないけれど、そのように生産される豚肉には消費者として「No!」と言うことによって、工場制畜産に反対する自分のスタンスを間接的に(ゆる~く?)表明するのでありました。

(画像は、10年ほど前の映画『Babe』。「『豚』と『豚肉』は違いますので。豚も好きだし豚肉も好き」とまで割り切れる方はご立派!)

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オレゴンで、ロハスなバケーションはいかが?

2006-06-17 | 自転車
わたしが勝手に決めたベジタリアン・フレンドリーな州No.1、オレゴン。そんな「the vegetarian state」のオレゴンが現在、自転車フレンドリーでもNo.1を目指し、「the bicycle state」の称号も手に入れようと色んな政策を練っているようです。オレゴン州唯一の国立公園、クレイター・レイク(写真)に「car-free day(車での立ち入りを禁止する日)」を儲け、自転車愛好家に存分に楽しんでもらおうとする案や、オレゴンに観光で来る自転車愛好家への対応窓口として、州政府が「自転車コンシェルジュ」を雇う案なども出ています。

つまり、自転車を州観光促進の手段として利用しようというのです。もっと悪い言い方をすると、地球温暖化、肥満、それにガソリン代値上げなどでにわかに脚光を浴びている自転車人気に便乗し、「環境に優しい州(a "green" state)」をアピールすることで金儲けをしようというのです。まるで、日本でのロハス人気に便乗して一儲けをたくらむ人たち?

便乗するのがいいとか悪いとかを決める「judgmental」なことは「大岡越前の守」に任せるとして、ポートランド市内でもオレゴン州全体でも、サイクリング・ロードがどんどんできていたり計画されていたりするようです。というわけで夏の間、ベジタリアン&自転車フレンドリーなオレゴンでヘルシーなバケーションはいかがですか?(←あんた、先日は確かカレッジ・タウンがお勧めって・・・?)バケーションをベジタリアン&自転車を軸にして楽しむって・・・、まさにロハス!?

「わたくしにアメリカに来てほしければ、まずはイラク戦争を終わらせてくださいまし。いくらオレゴンとはいえ、わたしく、イラク戦争をしているアメリカになど、金を落としたくはございませんので、オホホ!」

はあ~、分かりました・・・。こう言われてしまうと、何も言えません!

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生命力を与えてくれるオレンジ・ジュース♪

2006-06-16 | 
写真は、行きつけの自然食品店で購入したオレンジ・ジュース。有機栽培のオレンジ100%使用で、直売なので殺菌していません。16オンス(約480ml)入りで4ドル95セントですが、後で瓶を返却すると50セント還ってきます。

喉が渇いていた今日の夜。購入して、背景が良くないのは分かっていたけれど写真を撮って、早速ゴック・ゴック・・・。感想は?

あ~、生きてるって、素晴らしい!!

『クレヨンしんちゃん』のパパ、ひろしがビールを飲んだ後に発する言葉をそのまま借用しましたが、この表現、決して大袈裟ではありません。このオレンジ・ジュース、おいしいとかまずいとかいう味の問題を完全に超越し、生命を感じるジュースです。土や水、それに太陽などの自然の生命力が凝縮されていて、飲んでいると、「自然から生命力をもらっている」と感じました。これが「オーガニック」ってこと!?な~んて言うと、「そんな低次元の問題ではなくって~、オーガニックとはもっと高次元の~」と言いたくなる「エリート」の方がいらっしゃるのかもしれないけれど、「おバカな一般大衆」に属するわたしは、「そうそう、これがオーガニック!」と思うだけで満足してしまうのでした。ただ、このような生命力を感じるジュースは、夜寝る前よりは朝起きて、「さあ、今日もこれから一仕事!」という時に飲む方が妥当だと思いましたね。

そのうち結婚でもして(← 一応、まだあきらめてません)家庭を持ったら、ジュースは家で作って飲んでもいいのかもしれないけれど、今は時々店で購入して飲むのが、日常生活における手の届く贅沢。(←これって、スタバの売り文句だったっけ?)こんなジュースが店で手に入るなんて・・・、自然食運動家の皆さん、ありがとう!!ベトナム戦争の時代にアメリカ社会の将来を真剣に考え、その後も一丸となって食を通じてのコミュニティ作りに励んでいただいた、あなた方のおかげです。

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巷に溢れる「エリート主義者」&「自己文化中心主義者」

2006-06-15 | 見方・視点
タイトルに記したこの2つの言葉、聞いたことがありますか?英語でそれぞれ、「elitist」と「ethnocentrist」といい、非難する気持ちが含まれた言葉です。

エリート主義者は選民意識を持っていて、「その他大勢の民衆」を見下す人。例えば、一流といわれる大学や会社に属している人間が、二流以下の組織に属している人間を、その人の人柄や才能などに関係なく自分の方が優れた人間だと思い込む人。それに、自分の考えや行動が「高次元」だと思い込み、そのような「高次元」な考えや行動を理解できない「低次元」な民衆を軽蔑する人もいますね。「『タイタニック』?大衆受けするあんな低次元の映画、どこがいいの?わたしはもっと高次元なアートを目指し、目が肥えた観客が満足するような映画を製作したい。わたしが相手にするのは、レベルが高い観客だけ」と言い放った映画監督がいたとかいなかったとか・・・(古い例でごめんなさい!)。「わたしく、おバカでミーハーな一般大衆とは存在している次元が違いますの、オホホ!」という感じでしょうか?

このようなエリート主義者と似た者同士の自己文化中心主義者とは、自分の文化価値観を基準にして他者を判断する人。自己文化中心主義者の例としてよく引き合いに出されるのが、一昔前の(今でも?)ヨーロッパ系のキリスト教宣教師。ハワイに派遣された宣教師がそこの原住民を見て、「いくら暑いからって、そんな半裸のようなカッコしてんじゃないの、はしたない!」日本に来た宣教師が混浴の公衆浴場を見て、「男女が裸で一緒にお風呂に入る!?なんてお下劣!!」

「半裸のような服装」にしろ混浴にしろ、そのような服装や風習ができた文化背景を理解せず、と言うより理解しようとはせず、あくまでも自分の文化価値観だけで他者を判断していたのが宣教師だった、と言われています。

似たような例として最近よく見受けられるのが、自分のセンスだけを基準にしてファッションを判断する人。「全てのファッション様式には、それ独自の良さがある」などとは思いもせず、自分のセンスが全て。自分のセンスに合わないファッションは、「ヘンテコ」の一言でバッサリ。先日書いたアーミッシュの記事でちらっと言ったけれど、こんな人はアメリカでアーミッシュを見たら、「何でそんなヘンテコなカッコしてんの?もっと普通の服着なさい!」と言いかねない!?(この場合の「普通」とはもちろん、「自分がいい」と思う服のことです。)

自己文化中心主義者とエリート主義者の共通点は?両者とも、自分または自分の価値観が「ベスト」だと思い込み、他者を軽蔑する傾向があること。自分や自分の考えがあくまでも「主体(subject)」であり、他者や他の価値観は「客体(object)」でしかないのです。

というわけで、

あなたはエリート主義者ですか?
あなたな自己文化中心主義者ですか?

「そうですよ、文句ある!?」いえ、別に文句はないんですが・・・。「自己チュー」な部分というのは、自分も含めて誰にでもある程度はあると思いますし。ただ、何事も度が過ぎると・・・。「ゆる~い」エリート主義者&自己文化中心主義者ならOK?(「ゆる~い」という言葉、最近わたしは明らかに乱用しています。

(上の画像は、エリート主義者の格好の餌食になった?懐かしの映画、『タイタニック』。わたしは「低次元の一般大衆」の一員ですから、映画館で3度も観ました)

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ライフスタイルにもニュー・エイジ?

2006-06-14 | シンプルライフ
食におけるスロー・フードやマクロビ。ビーガンにベジタリアン。ベジタリアンの中には乳製品を摂るラクト・ベジタリアンや魚を食べるフィッシュ・ベジタリアン等など。ライフスタイル全般においてはスロー・ライフ、シンプル・ライフ、それにもちろん、ロハス。わたしが断りもなく勝手に使っているエコポリタン

エコポリタンは置いとくとしても、ふ~、色々ございますな~。一体何がなんだか・・・。例えば、ベジタリアンとマクロビって、具体的にどう違うの?スロー・ライフとシンプル・ライフの違いは?(←あんたが知らなくてどうするよ?)

これらの概念を厳密に定義して他の概念と差別化し、「自分は○○です」、または、「わたしは☆☆を実行しています」と堂々と宣言できる方が、中にはいらっしゃるようです。それはそれで、わたしはそういう方にはリスペクト。自分はといえば、ベジタリアンという言葉に不満を持っていながら相変わらず使用し続けているし、「あなたがいうシンプル・ライフって、スロー・ライフやロハスとどう違うか説明して」っと聞かれたら、絶対言葉に詰まります。わたしの言葉選びはある意味でいい加減である、というのは認めます。わたしがなぜシンプル・ライフという言葉を使用しているかは後日述べるとして・・・、では、自分の考えがどの概念と一致するのかをきっちりさせなければいけないのか?

とは思いません。わたしはまだまだ勉強中。気持ちをオープンにして色んな考え方と接してみようと思っています。というわけで皆様、今後ともわたくしの教育、よろしくお願いいたします。でも、「絶対○○よ!☆☆や△△なんかより○○が絶対いいって!!だから~、そうじゃなくってこうなのっ!」と、他人の意見を否定してまでご自分の意見を押し付けられたら、わたしは波のようにサーと引いてしまいます。「わたしのこの考え方を認めてっ!同意してっ!」という気持ちは分かりますが・・・。

「無理して一つに絞らず、色んな考え方に接してみよう」というわたしのこの姿勢は、ニュー・エイジに通ずるものがあるのかもしれません。またまた、ニュー・エイジも正確には理解してないけれど、以前言ったように、「特定の聖典や中枢組織、会員、牧師や教義、宗派などを持たず、 よって、特定のどの宗教にも当てはまらない宗教運動で、自分の価値観に合えば、どの宗派や宗教の教義を取り入れても良い」のがニュー・エイジ、だと自分なりに理解しています。例えば、Tom’s of MaineのCEOである方は聖公会の会員ではあるけれど、「キリスト教徒以外は全員地獄に落ちる!」などと脅す(?)キリスト教原理主義者(?)ではなく、仏教をはじめとする他宗教の教義も受け入れています。

同じように、自分のライフスタイルというのはもしかしたら、上に羅列した概念にはどれにもぴったりと当てはまらないのかもしれません。だったら、自分で新しい概念でも作るか!でも、自分はそこまでクリエイティブではないのでニュー・エイジの精神でもって、「わたしは、基本的にはシンプル・ライフという概念を信じていますが、ロハスからは○○という考えを、スロー・ライフからは☆☆の部分も取り入れてます」な~んて言うと、カッコいい?(←いいや、全然)今流行の「ゆる~く」というのは、ある特定の考え方だけに固執せず、色んなコンセプトから「つまみ食い」して自分独自のライススタイルや世界観を形成する柔軟性、ということも指しているのかもしれません。だからといって、一つのコンセプトを信じている人のことを「柔軟性がない」、と言っているわけではありません。一つの概念を信じようが、色んな概念を寄せ集めて「hybrid(色んなものを混ぜ合わせたもの)」を作ろうが、それは個人の自由だと思います。何を信じるにしても、enjoy_lohasさんがおっしゃったように、マスコミからの情報を鵜呑みにせずに自分の頭で考えたいものです。

(写真は、Tom's of Maineのロゴ。マスコミから「ニューエイジ・ビジネス」と評されている会社です)

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ボボズはロハス?

2006-06-13 | アメリカ社会
蘭丸さんが以前読まれたという、『アメリカ新上流階級 ボボズ―ニューリッチたちの優雅な生き方』。「ボボズ」とは、「Bourgeois Bohemians(ブルジョワ・ボヘミアンズ)」の略で、90年代以降のアメリカ社会をリードする新たな種類の裕福層を指しています。ブルジョワは80年代のヤッピーに代表される、スーツを着た会社員で金儲けが命(は、言い過ぎ?)。対照的にボヘミアンは、60年代の対抗文化に染まった(半?)ヒッピー。80年代まではブルジョワとボヘミアンは簡単に区別できたけれど、90年代に両者がお互いを「co-opt」して合体、「Bourgeois Bohemians=BOBOS」になった、というのが筆者の主張です。

ボボズは90年代に突然誕生したわけではない、と思います。わたしが把握している限り、70年代にはすでにTom’s of Maine(パーソナルケア)やパタゴニア(アウトドア)、それにBen & Jerry’s(アイスクリーム)などの、公共と個人の利益の両立を目指したボボズのような会社が出てきています。時が進むにつれてベビー・ブーマー(団塊の世代)がどんどん会社の要職に就いたり、90年代の情報技術革命でビル・ゲイツに代表される新たな世代の富豪が出現したりして、ボボズ人口が拡大したのが90年代だった、ということだと思います。

それなりの収入を得、上流階級に属するボボズ。しかし、60年代に起こった対抗文化の影響を受けた多くのボボズは当然悩むわけです。「以前は自分が蔑んだエリートに、まさに自分がなってしまったのではないか?」と。「エリート」や「物質主義」を蔑み、反体制の精神を持って成長したのに、「もしかして、今の自分はまさにそれ!?オー・マイ・ガッド!」自然食品業界で働いていらっしゃる平和@へぽいさんが理想と現実のギャップに悩んでらっしゃるようですが、そのギャップで悩むのはボボズも同じ。

理想と現実のギャップというこの問題に、どう対処するか?どっちか一つを選ぶのではなく、理想にも現実にも同時に向き合うのがボボズ。上記した会社のCEOのように、肩書きは多国籍企業のCEOだけれど、ネクタイを嫌って見かけは(半)ヒッピー。会社だから当然利益を追求するけれど、売り上げの10%は環境保護団体に寄付。ステイタスのために高級車を乗り回すのはNGだけど、それなりの大金をはたいてトヨタのプリウスを購入するのはOK。例を挙げていたらきりがないけれど、ボボズの世界観やライフスタイルって、まさにロハスなのです。1998年に生まれたロハスというコンセプトは、ボボズのライフスタイルを概念化したもの?


(自然&オーガニック食品スーパーのWhole Foods Marketが急成長しているのは、高品質の食品をゲットするためには金に糸目をつけないボボズのおかげ?写真は、4月にデンバーで撮影。店内は、ボボズらしき人種がウヨウヨしていました)

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