oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

便利になればなるほど、忙しくなるという矛盾

2005-12-15 | シンプルライフ
年末の「忙しい」時期。何気に使ってしまうこの言葉に、疑問を投げかけていらっしゃる方もいますね。わたしは以前、学校で宗教学の授業を履修したとき、「忙しさ」について議論をしたことは覚えていますが、具体的にどんなことを議論したのかは覚えていません。が、その何年後、「家族の歴史」という授業で先生が、「余暇の時間が増えるように、仕事のスピードアップを図った様々な道具が20世紀に発明されてきたけれど、それとは逆に、人間は益々忙しくなってきている」とおっしゃったことは、よく覚えています。

矛盾しているように一瞬思える、先生のこの言葉。でも、ちょっと考えてみると納得します。一つ一つの仕事をこなす速度が上がれば上がるほど、仕事の絶対量は増えていくばかり。例えばの話し、以前なら全部で20の仕事を1日でこなせばよかったところが、一つ一つの仕事を片付ける速度が上ったために、100こなさないといけなくなったわけですね。仕事の速さに関わらず、1日は24時間と決まっていますから、一日にこなす仕事量は増える一方。余暇を過ごすといっても、特に旅行に出た場合などは、自分たちにサービスをしてくれる人、例えば交通機関、レストラン、それにホテルで、自分たちのために働いてくれる人が必要。そのような余暇のスタイルを取る人が増えれば増えるほど、そんな人たちのために働く人ももっと必要になってきますから。みんなで余暇の時間をもっと増やしましょう、といっても簡単ではないでしょうね。

スピードアップを図った道具が世の中に出てくれば出てくるほど、生活のペースも速くなってきているように感じます。特に日本のコンビニ!レジで客を並んで待たせるのがタブーのごとく、あのせかせかしたレジさばきというのは、こちらから「もうちょっとゆっくりしない?」と声をかけたくなるほど。速い生活ペースに慣れてしまった人間は、並んで待つことが落ち着かないのでしょうか?それとも、「忙しい」から並んで待っている時間がない?まあ、コンビニ自体がそんなスピード時代にマッチしたもの(entity)だから、「スロー気分を味わいたいのなら、コンビニに行くな!」と言われればそれまでですが・・・。

近い将来、東京からニューヨークまで日帰り出張が可能になる、なんて言われているようですが、そこまで速い交通機関が必要か?と思ってしまいます。そんなことしてたら、こなさなければならない仕事の量が益々増えていきそう!「スロー・フード」や「スロー・ライフ」といった言葉がもてはやされるはずですね。

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