夜と霧

迷える子羊
ーこの場を借りて自分の考え方を確立したいと思っていますー

トヨタというビジネスモデル

2009-09-24 07:39:36 | Weblog
トヨタという会社は日本を代表する会社である。グローバルな会社として世界に通用する。かつてのGMの様なものであろう。しかし、トヨタにとってよいことは今や必ずしも日本にとってよいことではない。
自動車は、この国にあって、憧れの産業であった。この国では、民間の希望のみならず、国としても少なくとも自動車会社2セットは持ちたいという希望があった。この希望の下に、トヨタを育て日産を育てるのは戦前からの国策であった。戦前は陸軍が、戦後は通産省が、この目的に奮闘してきた。故障の多い国産車の変わりに輸入自由化を求めるタクシー業界などの要望にも門戸を閉ざしてきた。
私達は食料を買う外貨が欲しかった。外貨獲得に繋がる輸出はとにかくこの国のニーズであった。そんな中で、国際分業論、強い産業はこの国にとってよいことであった。トヨタや日産の工場の立地、その立地を人員の配置を含めて最大限に効率よくすることは、多くの犠牲を国民に負担させてもこの国にとって望ましいことであった。
しかし、今外貨の獲得がこの国の一番の必要でなくなったとき、トヨタというビジネスモデルは一企業の問題になった。勿論、トヨタを潰せと言うのではない。外貨を稼ぐ企業があるのは悪いことではない。
しかし今一番考えるべき事は、世界の食糧をこの国が食べ散らかしている時代にあって、幸せな国民、豊かな国民であろう。こんな視点に立ったとき、新しい社会のバランスを考えるときである。