日本テレビ、検索視聴時代に先手

2010年02月23日 12時41分17秒 | ニュース
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20100222/212931/

日本テレビ、検索視聴時代に先手
電子番組案内を直接ヤフーに情報配信する
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 日本テレビ放送網は、ヤフーが運営する「Yahoo!テレビ.Gガイド」に対して、「日テレ公式情報」の配信を2009年12月24日に始めた。電子番組情報は配信業者を通しても提供してきたが、日本テレビは他局に先駆けてヤフーに直接の情報配信を始めたことになる。

 その狙いについて、日本テレビの編成局デジタルコンテンツセンターデジタル制作部長の若井真介氏らに聞いた。主眼は、「検索視聴時代に備える」ということにあるという。またいわゆる番組放映の内容をログ情報として提供する動きが活発化しているが、こうした動きにも一石を投じることになりそうだ。

番組関連のメタデータ集約の成果

 現在、電子番組案内(EPG)の情報は、放送波にデータが多重された形で送信されてくる。しかし、電波を使う以上は、伝送容量の制限があり、文字数や表現手法(写真を使用できないなど)にも限界があり、リンクができないなど様々な制約が課せられている。この現状に対してもう1歩踏み込んで、何かできないかトライしたい、というのがそもそもの原点という。

 新聞のラジオ・テレビ欄の閲読が横ばいなのに対し、ヤフーの番組欄の閲覧は増えている。また「特に若い世代を中心にして、検索して視聴するというスタイルが始まりつつある」という。インターネットの電子番組表へ積極的に番組情報を提供することで、こうした時代の変化に対応していきたいという考えである。

 日本テレビでは元々、番組情報を一元的に扱える体制を構築しようという社内的なプロジェクトとして「MAM(メディア・アセット・マネジメント)」をスタートさせていた。テレビ局には、映像アーカイブに加えて、映像に関連する様々な情報、例えば出演タレント、あらすじ、原作・・・など各種の関連情報がある。ただし、こうした情報は、紙やデータの形でバラバラに存在するのではなんら価値を生まない。1つにまとめて整理することで、何か新しい活用をできないか、という発想である。現在「日テレペディア」として番組関連メタデータの集約を進めており、今はまだその途上と説明するが、公式情報の提供はその成果の一環である。

 実際に「Yahoo!テレビ.Gガイド」を見ても、一目で、明らかに内容の充実度が従来のように配信業者を通して提供してきたものを上回っていると感じさせられる。日テレ公式情報は、日本テレビの詳細な番組情報およびプロモーション画像などから構成されている。従来からの番組の概要説明に加え、各回の見どころ紹介やプローモーション画像の提供、プレゼント告知などを見ることができるという構成である。

 この結果、まずインターネットの電子番組表を見る層へのアピール度は増す。表現手法も、どんどん高度化されそうだ。例えば、現行は静止画になっている部分をテレビ局が持つ「予告動画」にすれば、より興味を引く番組情報になる。予告動画も、基本的に既存のものを使える。まもなく始めるという。

 検索視聴に対応するには、できるだけたくさんの情報を提示した方が、検索にかかる率は向上する。詳しい情報提供によって、検索にひっかかる可能性が上がるという効果も期待できる。

勝手メタデータの提供の動きに一石

 番組の放映後に、その内容について番組を見て手作業で記録したものが、いわゆる勝手メタデータである。登場の背景には、インターネット上の話題も元をたどれば、圧倒的にテレビ放送だという現実がある。例えば、「あの番組で紹介された、あのお店は・・・、あの商品は・・・」など検索したくなった時、勝手メタデータとして店や商品の名前を記載した情報を提供すると、視聴者による検索のキッカケになり便利という発想である。そして、必要なリンクの提供も始まっている。

 ただし、これらの内容は、放送事業者は関知するものではない。本来、放送事業者の放映した番組の内容であり、放送事業者としては忸怩たる思いもあったはずだ。

 もっとも、放送事業者は当然だが番組の内容は知っており、しっかりとした内容を提示できる。また、放映した責任もあり、視聴者からの問い合わせに対応するための情報もある。これもメタデータとしてMAMに取り込む体制ができているという。

 また「日テレ公式情報」からは、番組ホームページのほか、番組に関連した商品の通販サイトへ簡単に移動できる仕組みを用意する計画である。番組の放映後に放送事業者が自ら情報を提供する動きは、今後の放送とインターネットの関係作りの大きなカギになるだろう。

(田中 正晴=日経ニューメディア編集)

地デジやフルセグ携帯が民放キー局を苦しめる

2010年02月16日 13時50分22秒 | ニュース
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20100215/212773/

日本民間放送連盟の会長である広瀬道貞氏(テレビ朝日顧問)は、1月21日の定例会見において、放送受信機に内蔵されたソフトウエアによるデジタル放送のスクランブル解除やコピー制御の実現に意欲を示した。現在、地上デジタル放送やBSデジタル放送、東経110度CS放送では、スクランブル解除やコピー制御を行う仕組みとしてB-CASカード方式が採用されている。これに対して広瀬氏は、「一刻も早く受信機内蔵のソフトウエアでコピー制御やスクランブル解除を行う方式に切り替えていきたい」と述べた。

 広瀬氏の発言の背景には、現行のカード方式において地上放送事業者が支払う金額がどんどん増して大きな負担になっていることがある。B-CASカードには、地上波専用受信機用カード(青カード)や3波共用受信機用カード(赤カード)など複数の種類がある。青カードを基盤にしたインフラ利用費などの関連コストは、地上放送事業者が大部分を負担している。

 具体的な負担額は、「地上放送事業者は赤カードについては1枚当たり72円、青カードについては265円を、負担している。これは値引きをしてもらったうえでの金額」(広瀬氏)という。地上放送事業者の青カードの負担額は赤カードの4倍程度であり、青カードの発行枚数の推移は地上放送事業者の業績に少なからず影響を及ぼす。

民放キー局の負担は想定より1億円超

 2009年度の民放キー局の業績にも、青カードの発行枚数の増加は影響を与えそうだ。地上放送の完全デジタル化の期限(2011年7月24日)が迫っており、地上デジタル放送受信機の出荷台数は増えている。2009年12月には年末商戦の時期ということもあり、月間出荷台数が初めて300万台を超えた。

 さらに総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)が2009年度中に、経済的に困窮度の高い世帯(NHK受信料全額免除世帯のうち災害被災者以外の世帯)に最大60万台の地上デジタル放送の簡易チューナーを無償給付するという“特需”も発生した。これらの影響により、2009年度における地上放送事業者のB-CAS負担額は当初の予想を超える金額になった。例えば民放キー局の場合、「1社当たり2億6000万円程度の予算を組んだが、実際は3億6000万円程度になるのではないか」(広瀬氏)という。

 これに加えて、将来的に携帯電話事業者が12セグメント放送(現在は固定テレビ向けに提供)対応携帯電話機(フルセグ携帯)を発売することになれば、地上放送事業者の負担はさらに増える。放送事業者はワンセグにスクランブルをかけておらず、現行のワンセグ端末にはB-CASカードが不要のため、ワンセグ端末の普及は地上放送事業者の負担額を増やす要因になっていない。

 しかし仮に携帯電話事業者がワンセグに比べてより高画質な12セグメント放送を視聴できる機能を新端末の売り物にした場合、それぞれの端末にB-CASカードを同梱する必要がある。地上放送事業者の負担額はさらに増えることになる。広瀬氏は、「携帯電話機の買い替えは1年から2年ごとに1回であり、これを考慮すると民放キー局の負担額が10億円を超えるということにもなりかねない」と懸念を示す。

 端末側の視点で見ると、12セグメント放送を視聴できる環境を整えるためのハードルはかなり低くなった。ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社、東京都渋谷区)は2009年11月に、「Plug-in SIM」形状の地上デジタル放送専用カード(ミニカード)の端末メーカーに対する支給を開始した。携帯電話機にSIMカード用と同じ大きさのスロットをもう1つ付ければ、端末側としては12セグメント放送を視聴できる環境が整う。

 B-CAS関連コストの負担増の要因がある中で、地上放送事業者はB-CASカードのソフトウエア化に活路を見いだそうとしている。受信機に内蔵されたソフトウエアによって放送波のスクランブルを解除したり放送番組のコピー制御を行ったりといったB-CASの機能を実現できれば、カード発行が不要になる。

 この仕組みの実現によって地上放送事業者は、ソフトウエアがデジタル放送のスクランブルを解除するために使う鍵データの管理などを手がける組織である「ライセンス・発行管理機関」との契約条件にもよっては、より安いコストでB-CASインフラを利用する道が開ける。放送事業者からはB-CASのソフトウエア化について、「フルセグ携帯の発売前に形を作りたい」(広瀬氏)という声が出ている。

(長谷川 博=日経ニューメディア編集)

「ドライブ専用コーヒー」の陰に独自の分析手法

2009年11月21日 13時53分21秒 | ニュース
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090918/337458/

車中で飲む時の気分は3種類

日本コカ・コーラ(東京・渋谷)は、消費者が飲料を口にする際の欲求を分析できる「CBL(コンシューマー・ビバレッジ・ランドスケープ)」という独自手法を活用して、ドライブ中に飲まれるコーヒー市場の攻略に乗り出した。2009年6月にドライブ専用ペットボトルコーヒーとして「ジョージア ギア」のブラックとアイスコーヒーを発売、8月にはカフェオレを追加した。容器は車内の飲用を想定して握りやすい「ダブルグリップ」と呼ぶ形状にし、常温でもおいしく飲めるといった特徴を持たせた商品だ。

 同社は2006年8月にCBLを導入した。CBLではまず数千人規模の消費者を対象にしたインターネット調査を実施。1週間に摂取したあらゆる飲料(アルコールや水道水を含む)について、名称や容器、購入・飲用した時間や場所、その時の気分などおよそ100項目をたずねる。これらの質問から消費者は「なぜ」飲んだのかを割り出す。そのなぜを欲求の状態を表す「ニードステート」として19に分類している。ニードステートには「食事との相性」「栄養補給」「自分らしさ」などがある。調査は1年間に複数回行う。

 CBLの調査結果はデータベース化しており、ニードステートや時間帯、場所、年齢層など様々な切り口で分析できる。例えば、「午後8時台」に「20代女性」が「気分転換のために」飲む飲料のシェアといった調べ方もできる。このようにして市場を商品カテゴリーではなく、飲料を口にする時の気分で分析できるのがCBLの特徴である。コカ・コーラグループでは2004年から世界40ヵ国以上で同手法を展開してきた。

 ジョージア ギアを企画したマーケティング本部コーヒー&ジュースカテゴリージョージアグループの島岡芳和シニアマネジャーは「ドライブにおける上位のニードステートを調べたうえで商品を開発した」と認める。例えば、今回発売したジョージア ギアではブラックが「気分転換」のニードステートを、カフェオレはリラックス系のニードステートを意識したものだという。各商品のパッケージにあるイラストやコピーも異なるニードステートを反映している。例えば、ブラックには「FOR REFRESHING DRIVE」、カフェオレには「FOR RELAXING DRIVE」とある。

 日本コカ・コーラは「ノーカロリー コカ・コーラ」を持ちながら2007年に「コカ・コーラ ゼロ」を投入したり、「アクエリアス」商品群に「アクティブダイエット」「フリースタイル」を加えたりしてきた。一見、自社商品同士でのカニバリズム(共食い)を引き起こしそうな新商品にもかかわらずトータルな売り上げは伸ばした。いずれもCBLにおけるニードステートを重視した戦略である。

(上木 貴博=日経情報ストラテジー)  [2009/09/28]

データ放送の強化へ取り組むTOKYO MXの戦略

2009年11月18日 14時02分37秒 | ニュース
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091116/340565/

東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)は,データ放送の強化に乗り出す。2009年7月放送の特別番組「首都決戦2009~東京都議会議員選挙開票速報」で行った「番組一体型データ放送」を,2010年度から本格的に展開する。

 TOKYO MXの番組一体型データ放送が従来のデータ放送と異なる点が二つある。一つ目は,視聴者がテレビリモコンの「d」ボタンを押さなくても自動的にデータ放送コンテンツを画面に表示する「ポップアップ型」を採用している点である。二つ目は,従来のデータ放送のように番組の画面を小さくしてその外側にデータ放送コンテンツを表示するのでなく,番組の画面に文字などのコンテンツをそのまま表示する「オーバーレイ型」であることだ。

狙いはデータ放送コンテンツの活用推進

 TOKYO MXはこの特徴を生かして,2009年7月に都議会選挙で視聴者が自分の選挙区の開票結果の速報をデータ放送で好きなときに確認できるようにした。同社は以前から選挙速報番組で開票情報をデータ放送コンテンツとして提供していたが,「あまり利用されなかった」(取締役編成局長の本間雅之氏)という。データ放送コンテンツを視聴者に活用してもらうため,ポップアップ型・オーバーレイ型のデータ放送を本格展開することにした。

 同社は現在,このデータ放送を今後どのジャンルの番組で採用するかを検討している。例えば朝の情報番組において地域の交通情報などを提供したり,スポーツ中継番組で出場選手やほかの試合の結果を視聴できるようにしたりすることを今後検討する。これ以外にも,「実際にやるかどうか分からないが,映画の放送中に出演者や監督の情報を流すといった使い方ができる」(本間氏)としている。今後,自社の放送番組からこのデータ放送と親和性が高そうな番組を絞り込む。「2010年度の番組一体型データ放送の本格展開に備えて,2009年度中にもう一度,番組一体型データ放送を行いたい」(編成本部編成局局次長兼クロスメディア推進部長の山下学氏)としている。

 TOKYO MXは,ポップアップ型・オーバーレイ型のデータ放送で広告を掲載することも検討している。既に通常のデータ放送でコンテンツとともにスポンサーの広告を掲載しており,スポンサーから要望があればポップアップ型・オーバーレイ型のデータ放送でも同様に対応する。視聴者がチャンネルを切り替えると即座に表示される特長を生かして,新たな収益源にしたい考えである。なお,常時表示という特徴がテレビCMに悪影響を及ぼさないように,テレビCMの放送時はデータ放送コンテンツを一時的に消す。テレビCMが終わり番組本編に戻るのに合わせて,データ放送コンテンツを再び表示する。

 ポップアップ型・オーバーレイ型のデータ放送は従来のデータ放送と同様に,アナログ放送の視聴者は利用できない。この問題については,「TOKYO MXはデジタル放送の視聴者が全体の7~8割を占める」(本間氏)として,大半の視聴者がポップアップ型・オーバーレイ型のデータ放送の恩恵を受けることができるという見方を示した。

視聴者のデジタル化が先行

 TOKYO MXのデジタル放送の視聴者が7~8割程度の水準に達している背景には,同社がアナログ放送とデジタル放送の両方についてUHF帯の周波数を使っていることがある。一方,民放キー局5社は関東広域圏において,アナログ放送ではVHF帯の,デジタル放送ではUHF帯の放送波を親局である東京タワーから送信している。

 地上放送がアナログのみだった時代は,東京都の大半の世帯はVHFアンテナのみを設置していた。TOKYO MXは視聴可能世帯を増やすには,新たにUHFアンテナを設置してもらわなければならず,このことがTOKYO MXが視聴世帯を増やすうえでのハードルになっていた。

 ところが地上放送の完全デジタル化と,地上デジタル放送で民放キー局がUHF帯を使うことになったことで風向きが変わった。東京都でTOKYO MXのデジタル放送の受信可能世帯が増えていった。こうしてTOKYO MXがデジタル放送の強みの一つであるデータ放送の強化に乗り出す環境が整った。

(長谷川 博=日経ニューメディア)  [2009/11/17]

NTT、全国のスタバ850店に公衆無線LAN配備へ

2009年11月07日 11時21分01秒 | ニュース
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS1D2706F%2027102009

NTTは27日、全国のスターバックスコーヒーで高速無線インターネット通信が可能な公衆無線LAN(構内情報通信網)を利用できるようにすると発表した。グループのNTT東日本やNTTドコモの無線LANサービスの基地局を店内に設置し、2010年12月までにスターバックスの全国850店舗で利用できるようにする。
 まずNTT東日本とNTTドコモがそれぞれの無線LANサービス用の基地局を設置、11月1日から東京都内など計111店舗で始める。
[2009年10月28日/日本経済新聞 朝刊]