これは長崎松翁軒の桃のカステラ。
かかっているのは「すり蜜」。(いまでいうフォンダン、あるいはシュガーグレーズ)
砂糖を煮詰めたものを丸く焼き上げたカステラの上に塗り重ねてそのまま冷ますと、白いクリーム状になります。
そこに食紅をさし,ほんのり桃色にしあげ、練りきりの葉をつけて白桃をイメージ。
すり蜜が甘いので、土台のカステラの甘さは控えめになっています。
まるで上質のスポンジケーキみたい。
これが江戸から続くカステラのレシピで作られていると知らなければ、
どこかのデパートのスイーツといわれてもわからないかもしれません。
素朴で優しい味わいは、家族の祝いの席にピッタリだと思います。
長崎ではお誕生の初節句、ひなまつり、子どものお祝い事そして
結婚式などで、縁起の良い桃をかたどったお菓子をご近所に配るのだそうです。
それが、カステラにも活かされてるところが、
鎖国の時代も唯一海外との交易があった外交都市らしいところ。
カステラはスペインのカスティリア地方の焼き菓子で、
出島にやってきたオランダ人から伝わったとされています。
関東でカステラといったら電話は二番、三時のおやつはぶんめいどう♪で、文明堂がダントツ有名ですが、
カステラの発祥の長崎ではカステラの老舗が軒を連ねています。
それぞれに特徴があるようですが,我が家の一押しは『松翁軒』。
というわけで、長崎旅行のお土産にいただきました。
<カステラ元祖・松翁軒:http://www.shooken.com>