まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

パチンコ風雲録(1990年ドラマ、主演:西川弘志)

2016-08-25 15:23:45 | 90年代ドラマとパチンコ

90年代・パチンコドラマレビュー


「パチンコ風雲録」(ぱちんこ・ふううんろく)



(C)関西テレビ放送


★関西テレビ放送・深夜ドラマ「DRAMADAS(ドラマダス)」枠
(関西エリアで放映。関東在住者には馴染み薄いかも。
私自身も関東だが、運良く、映像が手に入ったクチだ)

★1990年(平成2年)12月放映(全5回)

★製作:関西テレビ放送 プルミエ・インターナショナル

★脚本:大隅充

★監督:田中重幸

★主なキャスト

本多明日也(あすや):西川弘志  ※後にVシネ「新パチンコ物語」でも主演
若宮今日子:森川さくら  ※元・オールナイターズ
鯛雷月(たい・らいげつ):武発史郎
喜納(きのう):松永久仁彦
常連客の保険屋、野崎:津村鷹志
常連客の角刈りオヤジ:殺陣剛太
常連客のメガネ老婆:花原照子
常連客の女(スナック勤務)エリカ:野田善子  ※現「野田よしこ」名義
ビデオ屋の店長:アイデン・ヤマンラール  ※故人
パチンコ屋の店長:峰のぼる  ※現「峯のぼる」名義
パチンコ屋の店員:斉藤勉
警察官:斉藤勝
体感器を使う若者:岩本宗規
※ドラマ「スクールウォーズ」の内田(弟)役、現「丸井大福」名義


※※明日也=「明日」、今日子=「今日」、喜納=「昨日」、
雷月=「来月」と、役名にシャレが利いていて面白い。


★その他の出演者
淵野直幸、矢野明仁、林路子、頓田文子、
中川圭永子、たかのひろこ、青松かおり

★マンガ:たい しんいち
(ドラマの節々で、漫画による回想シーンアリ。作者の詳細不明)

★撮影協力
(関西の番組だが、ロケ地は全て東京)

・東京アナウンス学院(明日也が通う予備校や、今日子が通う大学の教室)
・東京日の丸(メインロケ地のパチ屋=「パチンコ日の丸・荏原中延店」※)
※閉店(品川区中延2-16-6、中延昭和通り)。跡地はクリーニング関連の店舗。
・奥村遊機(ドラマを通して使われたメイン機種は、同社の名機「ドリームX」)
・パチンコ専門高等技術学院(かのクエタ(久恵多勝利)氏主宰の、パチンコ専門学校)

奥村「ドリームX」


★ストーリー(ネタバレあり)













本多明日也(西川)は大学合格を目指す受験生だが、目下二浪中。
大阪から上京後、予備校通いの日々。そんな日頃のストレスから、
CD屋で万引きをしてしまい、交番で警察官に説教を食らう始末。

気分転換にレンタルビデオ屋へ赴いた明日也は、怪しい作品と出合う。
タイトルは「荒野のカイウン牧場」。それを手にカウンターへ行くと、
ヒゲを蓄えた初老の外国人店長が「スカッとしますよ、スカッと」と、
笑みを浮かべる。

明日也が自宅に戻りビデオを再生すると、先程のヒゲ店長が登場。
「このビデオは運命を変える。数字の「7」が明るい未来を約束する。
奇跡が起きる」という台詞が、明日也は半信半疑ながらも気にかかる。

その効果か、明日也は中学の美術部の頃に好きだった今日子(森川)と、
電車内(都電荒川線にて撮影)で偶然に出会う。彼女は東都大の学生で、
今は上京して明日也の自宅近くに住む。ただ、彼女には付き合っている
男性がいる様子。

一方、ビデオで言われた「7」に拘る明日也は、模試のマークシートを全て
7番で埋めたり、当り付き自販機で7番目を買ったりするが、巧くいかない。
それどころか、以前よくタカられた悪友の喜納(松永)とバッタリ再会して、
「タカリの喜納」と悪名高かった彼に、なけなしの1万円を奪われてしまう。
しかも、それが明日也にとって、通算「7回目」のタカリだった。

「ロクなもんやない。あのインチキビデオ!」と嘆く明日也だが、道端に
一発のパチンコ玉が落ちているのを見つけて、もしやと思いパチ屋に赴く。
やはり「7」番台で打ち始めるも、小銭しかなく、あっという間にオケラ。

その帰り際、さっき拾った玉がポケットに残っているのに気づき、
ダメ元で上皿に乗せハンドルを捻ると、その一発で777の大当り。
玉切れでパンクしかけるが、隣にいた角刈りのオヤジ(殺陣)が
玉を貸してくれて、事なきを得る。オヤジの情報だと、その台は
3日間、誰が打っても当らず、もう14~5万は入っているという。

その反動か、明日也の台は大当りを続け、瞬く間に保留4連チャン。
(「カルテット=4回連続フィーバー」のテロップ。自分は「フォース」と呼んだが)
常連達から羨望の視線を浴びて、久々に訪れた幸運に夢心地の明日也。
これもビデオのお陰と、「奇跡、奇跡、開運、奇跡」と何度も呟く。

大勝ちに浮かれる明日也だが、今日子に意外な「お願い」をされる。
彼氏との間に子供ができてしまったが、その男が全く取り合わぬ為、
中絶する為、夫を装って産婦人科に付き添ってほしいというのだ。
他ならぬ今日子の頼みで承諾した明日也だが、内心は忸怩たる思い。

そんな心のモヤモヤを晴らすべく、再びパチ屋に出向いた明日也。
例の「7番台」が、100円で即フィーバー。相変わらずの好調ぶり。
順調にドル箱を重ねる明日也。そこへ、カウボーイ風の男が登場。
さすらいのパチプロ、鯛雷月(武発)である。旅先で一稼ぎして、
久々に東京へ戻って来たのだった。着席後、すぐ大当りする雷月。
「早打ちの雷月」の仇名は伊達ではなかった。やがて、明日也と
雷月の「出玉対決」の様相に。角刈りオヤジ、ツキに見放された
保険屋の野崎(津山)、メガネ老婆(花原)といった常連客も、
どちらが勝つか興味津々。予想の賭けまでしている。

途中までは明日也が圧倒的に優勢だったが、雷月がお得意の
「単発回し※」に切り替えると、流れが変わる。出目を読み、
タイミングよくチャッカーに入れると、次から次へ大当りする。
あっという間に明日也を抜き去り、雷月は見事に勝利を収めた。
帰り際、雷月は明日也に「パチンカーの心得第一条。まずは
相手の手を読むこと」とアドバイス。頷くしかない明日也。

※「ミラクル単発回し」のテロップ。野崎が「今の台じゃ、
単発回しは、もう通用しないんじゃなかった?」というと、
角刈りオヤジが「いや、雷月はデジタルの目を読んでるよ。
新しい攻略法だ」と、したり顔で解説。言うまでも無いが、
パチンコドラマならではの「架空攻略ネタ」である。
(ドリームXで単発回し攻略は利かない)

そこへ、今日子が店に入ってくる。しかも、あの喜納と一緒に。
今日子を孕ませた彼というのは、憎き「タカリの喜納」だった。
動揺した明日也は、手元のドル箱を床にひっくり返してしまう。

諸々あったが今日も大勝。換金所で万札の束を受け取る明日也。
そこで喜納とバッタリ出くわす。手元の札束を見てタカろうと
する喜納だが、角刈りオヤジの反撃に遭い、あっさり退散する。
そんな明日也の前に現れた雷月。「パチンカーの心得、第二条。
勝ち金は人に見せないこと」と、手厳しく忠告。

今日子と喜納の関係を知り、ガックリ落ち込む明日也だったが、
今日子自身、無責任で軽薄な喜納が、もはや好きではなかった。
明日也は、そんな今日子から、東京タワーのデートに誘われる。
OKと返事した明日也は、その前に一稼ぎしようとホールへ直行。
得意の7番台で777の大当りを速攻で出すと、角刈りオヤジから
「パチプロ」とおだてられる。オヤジにどの台が出るか聞かれて、
自分の予想台を教えると、見事に的中。それを見ていた保険屋や
老婆も、明日也から出そうな台を教えて貰うのだった。

そこへ、美脚の美女、エリカ(野田)が入店してくる。彼女は、
明日也が捨てた台に座ると、あっという間に大当り。オカマを
掘られた明日也が気落ち気味に台を替わると、さらにその台も
ハイエナするエリカ。当然の如く大当りを決める。ムカついて
エリカの隣に座った明日也は、勝ち金で買った高級腕時計を
賭けて、彼女との出玉対決に挑む。

そんな明日也の傍に雷月がまたやって来て、「パチンカーの心得
第三条、目には目を」と一言。「ハイエナされたら、やり返せ」
の意味にとらえた明日也は、エリカが捨てた台にすかさず移動。
見事「333」の大当り。だが、運悪くVに玉が寄らずパンクする。
「ロクなもんやない」と悔しがる明日也だが、雷月の反応は違う。
「あの兄さん、勝ったぜ」とエリカに告げる。すると、エリカも
「3カウントパンクで、最初の回り目が「334」だったの?」と、
驚いて尋ねる。雷月が「そうだ」というと、エリカは悔しそうに
「地獄のパンク返し…」と呟く(テロップ付)。そう、偶然にも
明日也の台は、連続で大当りが来る「10万分の1」の攻略条件を
満たしたのだった(註:これも、ドラマならではの架空ネタ)。

その後、連チャンに次ぐ連チャンで、エリカを圧倒する明日也。
だが、今日子とのデートをすっぽかしたことに気づき、大焦り。
翌日、今日子に謝罪するが、今日子は「絶交よ!」と怒り心頭。
何時電話しても留守で、連絡のつかない明日也が歯がゆかった。

一方、保険屋の野崎は相変わらず絶不調で、給料袋の万札を
両替する度に吸い取られている。サラ金の取り立てもキツく、
ボコボコにやられては、懐の十字架を握りしめて耐える日々。
(野崎は敬虔なクリスチャンのようだ)
雷月の部屋に赴いた明日也が、そんな野崎の様子を伝えると、
「典型的な負け組だ」と突き放す。そんな折、雷月と同棲中の
エリカが焼くお好み焼きが、「関西風」だと気付いた明日也は、
彼女が18歳まで大阪にいた事を知る。彼女が上京した理由は、
東京に出て行ったまま行方知れずになった、バクチ好きな父の
行方を捜す為という。だが、その父親も既に他界してしまった。
以来、故郷の大阪には一度も戻っていない、とエリカは告げる。

明日也が部屋を出て店に出向くと、一人の小太りな若者(岩本)が
爆連させてドル箱を積んでいる。その若者と出玉勝負を行う事に。
だが、彼が賭けの品で取り出したのが、何と「カイウン牧場」の
ビデオだった。この男も、例のビデオでツキが回って来たのか…。
思わぬ強敵出現に焦る明日也。いつもと違って大当りも来ない。
終始、圧倒的な力の差を見せつけられて、大差で敗れた明日也。
様子を見に来た雷月が「パチンカーの心得第四条、ツキの悪い時や、
釘を絞っている時は、やらないこと」と助言するが、時すでに遅し。
ところが、爆出しした若者は、体感器を隠していたのが見つかって、
店員に連行されてしまう。敵の反則で、何とか敗北を免れた明日也。

だが、彼の心は、次第にパチンコから離れていく。勝負しても、
虚しさだけが残る。雷月は「虚しいが、救いもあるんだぜ」と
アドバイスするが、ピンとこない。そんな明日也は、雷月の部屋で
漫画用の道具を見つける。聞けば、雷月の昔の「商売道具」だという。
明日也は、自分が好きな漫画で、雷月が以前に喰っていた事に驚く。
そして、押入れには古いパチンコ台が。「それは、名機さ」と雷月。
かつて、彼を虜にした平和のヒコーキ台「ゼロタイガー」であった。

そして、エリカと今日子が「実の姉妹」だと偶然にも知った明日也は、
「妹と会わないのか」とエリカに問うが、彼女は「自分は父の生き写し。
放浪癖は治らへん」と言って、七年ぶりの姉妹の再会を頑なに拒む。

一方の今日子は、喜納にしつこく付きまとわれるが、「私には
本多明日也という好きな人がいる」とキッパリ絶縁。そして、
明日也の留守電に、自分が好きなら大学祭に来てくれるよう、
メッセージを残す。それを聞いた明日也は、もう一度ツキを
戻すべく「カイウン」ビデオを観るが、怪しいヒゲ店長曰く
「数字の「9」を見てしまうと、今までのツキが全部落ちる」。

明日也は、エリカと旅に出る事になった雷月から、漫画用の
ロットリングペンを置き土産に貰う。その足で、パチンコと
ケジメをつけようと、「これで最後や」と一人勝負を挑む。
見事、速攻で大当りを決めるが、その背後には喜納の姿が。
今日子を取られ、逆恨みした喜納に挑発されて、パチンコ勝負。
無論、賭けるのは今日子。だが、明日也は絶不調。一方の喜納は、
明日也の部屋で偶然見た「カイウン牧場」の効果で、絶好調だった。
ようやく明日也も大当りさせるが、運を落としてしまう「999」。
これで明日也の負け…と思いきや、シマ全体がビカビカ光りだし、
無人の全台が777で一斉大当たり。見ると、例の体感器の若者が。
狂気じみた顔で「スリーセブンのウィルスを仕掛けた!」と笑う。
取り乱した喜納は、「バカヤロー」と台のガラスをかち割る。一方、
明日也は、腹を決めたかの如くスッと立ち上がると、店を後にする。

明日也が向かったのは、今日子が待つ大学祭の模擬店だった。
入店して「ダブルパスタ一つ」と注文すると、今日子は涙ぐみながら、
「高いのよ。手間かかったし、貧乏浪人生じゃ買えないのよ」と返す。
彼女はさらに続けて、「心配ばっかりさせて、電話の返事もくれないし、
デートはすっぽかすし。ごきげんようの一言くらい、言ったらどう?」
と、半ベソをかいて明日也を問い糺す。

明日也は「浪人はヤメた。ごきげんよう。美術学校に願書出した。ごきげんよう。
今日子ちゃん。昔から好きやった。そやから、そやから、ごきげんよう」と、
彼女に大きな封筒を手渡す。中は、「パチンコ純情伝」と書かれた漫画の原画。
主人公は明日也。ヒロインは今日子だ。明日也は「俺、漫画家になる」と宣言。
その瞬間、封筒からコロッとパチンコ玉が落ちる。キーンと床に跳ねる銀玉を、
無言で見つめる二人。ここで、エンディング曲&スタッフロールに切り替わる。


★追記(くらはしさん)
貴重な情報提供のコメントに感謝致します。森川さくらさん、気がかりです…。
鯛雷月の「鯛」は、もしかすると鯛慎一さんから取ったのかもしれませんね。

 



2 コメント

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このドラマ… (黒猫)
2016-09-02 01:16:22
当時私は中学生でしたが見た事がありますよ!!

全話録画したのですが、自宅が火災に遭い焼失してしまいました…

ちなみに主役の西川弘志さんは現在博多で飲食店を経営されております。
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マンガ道 (くらはし)
2016-10-16 02:49:42
タイトルバックと随所に出てくるマンガは、鯛慎一という淡路島出身の漫画家でガロなんかに寄稿していました。ヒロインの森さくらは、その後長野に帰って自殺したという噂があったが、事実かどうかわからない。監督は、その後映画「ムーランルージュの青春」を撮ったそうです。
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