まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

パチンコ物語番外編 パチスロ一獲千金(1993年)

2016-10-01 00:00:53 | 懐かしのパチンコ・パチスロ映画




90年代の懐かしパチ・スロ映画(Vシネマ)レビュー


「パチンコ物語番外編 パチスロ一獲千金」

(1993年8月27日VHS版リリース、2005年5月20日DVD版リリース)



(主な出演)
勝俣州和、仁藤優子、堀部圭亮、沼田爆、綾田俊樹、
松金よね子、中村由真、久保田篤、山下洵一郎


勝俣州和(遊平)


仁藤優子(麻美)


左端:沼田爆(深見) 右端:堀部圭亮(カズ)
当時、勝俣と堀部はお笑いコンビ「K2」を組んでいた
(元々、勝俣はアイドルグループ「CHA-CHA」所属)



久保田篤(敵対するスロプロ軍団のリーダー)


中村由真(桃子…スロプロ軍団の女メンバー。カズを誘惑。)


綾田俊樹、松金よね子(遊平の両親、焼鳥屋「鳥広」経営)


右:山下洵一郎(麻美の父。「青葉幼稚園」園長)
※その後の調査により、「青葉幼稚園」の撮影地は
東京都調布市染地3-1の「染地幼稚園」と判明した。
因みに、この幼稚園は80年代人気アイドル歌手の
河合奈保子が通っていたことで知られる。麻美を演じた
仁藤優子も80年代アイドル出身。意外な繋がりといえよう。



(その他の出演)
掛田誠、浅見小四郎、二橋進、清家利一、
浅岡陽子、桐生さつき、鵜川彩花、大海渡歩


(スタッフ)
監督:鎌田浩
企画:シネウェーブ
制作:シネマパラダイス
原作:間部洋一
脚本:井上誠吾
プロデューサー:草野啓二、玉盛正陽、夏山昌一郎、大山雅義
撮影:町野誠
照明:岡本幸典
録音:湯脇秀雄
美術:小林正己
助監督:久田昌
編集:神田信武
製作担当:浅津弘義
技術指導:辻野優
撮影助手:小山田勝治、割谷浩
照明助手:上田雅晴、木村匡博、板沢友己
録音助手:鶴巻仁、筒井努
監督助手:広田幹夫、市原大地
スクリプター:吉田真弓
美術助手:中谷暢宏
メイク:山上綾子
衣装:小野今朝義
選曲:山川繫
効果:脇坂孝行
整音:中田裕章
編集助手:中川毅彦、加藤佳恵
ネガ編集:大橋まさみ
助手:小笠原郁恵
スチール:吉田元芳
デスク:竹島貴美江
制作進行:千葉裕美、戸田格、増田悟司
プロデューサー補:新井正勝


(各種協力)
撮影協力
・パーラースエヒロ1、2号店
・パーラーABC東久留米店
・HOTEL CITY2
・IDO

協力:東京現像所、光映新社、映広、イトナガオフィス

制作協力:ヌーベル


(あらすじ)※ネタバレあり




若いのに就職もせず、パチスロに明け暮れる遊平(勝俣)。だが、その腕は一流で、
完璧な目押しと高設定看破、ハマリ台のハイエナを駆使して、連戦連勝。馴染みの
ホールの店長(掛田)は、遊平の顔をシマで見かける度、「またヤラれる」と胃が
キリキリ痛む。勝ち分でベンツの頭金を稼いだ遊平は、高級車をダシにナンパ三昧。
だが、小さな焼鳥屋を営む両親(綾田、松金)から見れば、道楽に耽るダメ息子だ。
そんな遊平には、麻美という幼馴染みがいた。恋人というより、喧嘩ばかりの腐れ縁
といった関係。麻美の父親(山下)は地元幼稚園の温厚な園長だが、経営は苦しい。
「保母の資格を取り、園を手伝って欲しい」と願う父だが、麻美にそんな気はない。
しかも、就いた仕事はどれも続かず、転職を繰り返す日々。そんな二人は、ある日、
遊平の発案で、大好きなパチスロで遊んで儲ける人材会社「遊カンパニー」を設立。
早速スカウトを開始して、二人の人材を獲得。一人は、上司に不満タラタラだった
陰気な営業マン、カズ(堀部)。もう一人は、リストラ間近な年配サラリーマンで、
麻美の元上司だった深見(沼田)だ。二人とも、仕事では冴えないが、パチスロは
大の得意でメンバー入りを承諾。遊平を中心に、徹底した立ち回りと分業(技術の
無い麻美は情報収集に励む)で、着実に儲けを出していくメンバーたち。一週間で、
一人頭100万円もの荒稼ぎを見せる。順調な滑り出しの「遊カンパニー」だったが、
地元の若手スロプログループに、目を付けられてしまう。リーダー(久保田)の女、
桃子(中村)が仕掛けた美人局に引っかかったカズは、仕返しで軍団から袋叩きに。
だが、純情な彼は桃子を一途に愛してしまう。また、その想いを感じ取った桃子も、
カズと真剣交際を決意、スロプロ軍団と決別する。一方、コケにされて引っ込みの
つかなくなったリーダーは、遊平の申し込んだ「パチスロ勝負」を受ける。遊平が
勝てば軍団が手を引き、負ければ麻美が桃子の後釜になる、という条件。勝負台は
3号機「スペーススペクター」。凄腕のリーダーが早々のビッグ獲得で先行するが、
遊平は残りコイン3枚から起死回生のビッグで追いつくと、3連チャンで逆転して
勝利を収める。軍団を追い払い万々歳…と思いきや、カズは桃子との結婚を決意、
メンバー離脱を申し出る。さらに、「会社から追い出しを喰らうまでの限定活動」
だった深見も、リストラが現実となりメンバーを抜けてしまう。元の二人に戻り、
開店休業状態となった遊カンパニー。折角の「生き甲斐」を失った遊平と麻美は、
やる気を失って抜け殻と化す。そんな折、悪徳金融・黒崎(浅見)からの電話で、
麻美の父が借金の保証人になっていた知人が行方をくらまし、父が3000万円の
負債を背負い込んだことが発覚。しかも、返済期限まで10日。心労で倒れる父。
途方に暮れた麻美が、涙ながらに遊平に相談すると、彼は「パチスロで返す」と
息巻く。離れていた他のメンバーも、のっぴきならない事情を知って、再び集結。
さらに、対立していた軍団リーダーも「俺はその幼稚園の卒園生だ」と告白して、
全面協力を申し出る。パワーアップした新生・遊カンパニー。10日で3000万の
大金を稼ぎ出そうと、懸命にホールで立ち回る。だが、リストラ直後で妻子持ち、
懐事情の苦しい深見が、つい出来心で、皆で稼いだ800万を持ち逃げしてしまう。
信頼する仲間の裏切りに、遊平はショックを受けるが、事情を全て両親に話すと
「麻美と結婚する」と勢いで出まかせを言って、店の権利書を預かる事に成功。
当日、不足分を権利書で払おうとする遊平。と、そこへ深見が800万を持って
現れて、借金の完済に成功。まさかのどんでん返し。平謝りの深見を遊平は許す。
万事うまくいって喜ぶメンバーたち。一方、遊平の両親は、息子が麻美と一緒に
なるものと、すっかり信じ切っている様子だった…。



(ロケ地となったパチンコ店)

エンディングで正式にクレジットされたホールは、以下の3軒。
・パーラースエヒロ1号店(閉店)
・パーラースエヒロ2号店(閉店)
・パーラーABC東久留米店(閉店)

また、クレジットは無いが、映像から確認できるのが、以下の二軒。
・新宿・西口「アラジン」(現存)
・パチンコ「日の丸」(⇒何処の店舗かは不明、現在調査中)


パーラースエヒロPart1(京王線・稲城駅近く)

(C)Google
既に閉店。建物も現存しないが、2009年のストリートビューを見ると、
取り壊し前の店舗の外観が確認できる。



パーラースエヒロPART2(JR南武線、稲城長沼駅近く)
「新・パチンコ物語」シリーズ(主演:西川弘志)、
「田山幸憲のパチプロ日記」(主演:斉木しげる)等、
90年代パチンコVシネマのロケ地となる事が多かった。

(C)Google
コチラも既に閉店。やはり2009年のストリートビューで、
在りし日の雄姿が確認できる。



パーラーABC東久留米店(西武池袋線・東久留米駅)のネオン

(C)Google
コチラも閉店。現在は「パチンコ大学・東久留米店」が営業


新宿・西口(ヨドバシ本店エリア)の「アラジン」(現存)。
麻美が店の出玉状況を遊平に報告する為、IDOの大きな
携帯電話で連絡する場面。時代を感じるワンシーンだ。


パチンコ「日の丸」(店舗不明)。新装の出玉状況を調べた麻美が
店外に出てくるシーン。右端に「祝開店」の花輪。一方、左側には
「新台入替・新装開店」の大きな張り紙が。これらのアイテムが、
撮影用に急遽置かれたものか、元から店頭にあったものかは不明。
造作としては、「モノホン」の可能性が高いと思うが…。


(気になるロケ地)


遊平の実家=両親が営む焼鳥屋。看板に「鳥料理 鳥広」とある。
(不鮮明ながら電話番号もある。まだ「3桁―4桁」の表記)
昭和然としたレトロな店の造りが印象的。現在、都内には
同名の焼き鳥店が数店舗あるが、どの店舗か(或いは既に
閉店したか)について、現在、追跡調査を行っている。
※その後の調査により、この「鳥料理 鳥広」は
東京都狛江市和泉本町1-7にある老舗の焼き鳥屋と判明した。
撮影当時と同じ場所で現在も営業(建物は改装されている)





(本作で登場するパチスロ台)

当時の文献によれば、本作のロケは「93年5月」に終了。
よって、映り込む台も、その当時、実際ホールに並んだ
人気機種ばかり。具体的には、以下の7機種が確認できる。

・コンチネンタルIII(メーシー3-1号機、1990年)
・ワイルドキャッツ(アークテクニコ3-1号機、1991年)
・アラジンII(サミー工業3-1号機、1991年)
・スペーススペクター(日活興業3-2号機、1992年)
・コンチネンタルII(ユニバーサル3-2号機、1992年)
・バニーXO(オリンピア3-1号機、1992年)
・チェリーバー(ECJ4-1号機、1992年)



(個人的な見どころ、抜粋)

(その1)
「爽やかでコミカル」のイメージが強い勝俣だが、
本作ではセクシー女優との濡れ場に挑戦(90年代
パチ・スロVシネマでは、お色気シーンがお約束)

(その2)
遊平の両親が、熱海への旅行費用を捻出しようと、
初めてパチスロに挑戦する場面。出だしは好調で
アラジンIIの連チャンでドル箱を重ねるが、後に
大ハマリを喰らって全部飲まれた挙句、夫婦で
20万もヤラれて、閉店時には茫然自失となり、
台の前に佇む。貯金や状態など、裏全盛だった
3号機のハマリの怖さを、改めて思い出す。

(その3)
遊平とのスロ勝負で、スペーススペクターでビッグを終えた
軍団リーダー(久保田)が、下皿のコインをドル箱に移す時、
「スライドドア」(スペスペの大きな特色)をしっかり開けて
コインを流し入れている。賛否両論あった機能だが、改めて
見ると、何とも味わい深い。

(その4)
やはりスペスペの場面だが、「777」が揃ってビッグが
スタートしても、「ダッダダッダダッ」のドラム効果音
ばかりで、何時まで経ってもスターウォーズのサウンドが
聴こえない(多分、著作権の問題で流せなかったのだろう)

(その5)
麻美がコンチIIIを打つ場面で、背後でコーチする遊平が
「フラグが立った」と呟く(リール窓は映らず)。直後、
盤面映像に切り替わるのだが、麻美がリールを止めると、
「左中段赤7・下段プラム」から、プラムが右上がりに
テンパイして、右でハズれる。コンチIIIの制御上、BRや
7ラッシュの成立中には出ない目である。だが、次の
プレイでは上段に赤7が揃う。「考証」の詰めが甘い…。



(参考:間部洋一原作による’90年代映画
(Vシネマ)
「パチンコ物語」シリーズ)

・パチンコ物語/満員御礼大放出(古尾谷雅人、財津一郎)1990年
・二代目/パチンコ物語・一発勝負必勝篇(美木良介、財津一郎)1991年
・大阪パチンコ物語・浪花の勝負師(長原成樹、長江健次)1992年
・パチンコ物語・裏ワザ大勝負(榊原利彦)1992年
・新・パチンコ物語/デジパチ必勝法(風見しんご)1993年
・新・パチンコ物語/パチプロVS伝説の釘師(西川弘志)1993年
・パチンコ物語番外編 パチスロ一獲千金(勝俣州和)1993年
・新・パチンコ物語/壊滅・闇のゴト師軍団(西川弘志)1994年
・元祖/パチンコ物語・駅前戦争(財津一郎)1994年
・元祖/パチンコ物語・温泉珍道中(新藤栄作、財津一郎)1994年

このシリーズでは財津一郎が複数作品に登場。
どれも、いい味出してるんだよな…




※※本記事中、作品に関する画像の著作権は、全て下記に属します。
(C)1993 シネマパラダイス



1 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-10-01 03:34:47
いつも楽しく拝見しています。

まさかパーラースエヒロの名前が出てくるとは…
地元のパチ屋がVシネマの舞台になっていたとは驚きです。

パーラースエヒロPART2にはほんの1、2回出入りしたことがあるだけなので記憶が曖昧ですが、地下がパチスロコーナーになってて、ネイバル802とかバラクーダが置いてあったと記憶しています。

競合店もないような小さい店だったので出玉状況はアレでしたが、駅前の再開発で跡形もなく消えてしまったのは寂しい限りです。
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