1988年(昭和63年)に尚球社(現・岡崎産業)から登場した2-1号機「チャレンジマン」
(画像は以前、新宿「ミリオン」にて撮影。)
「ジャンボフルーツ」と呼ばれるロングの小役集中で一躍人気を集めた、昭和末期の名機。
ベット時の「ドミソ」(「ソシレ」が正しいが)や、リールスタート時の「バーン」という効果音も特徴。
小役判定用カウンターの周期が遅く、小役乱数の配置にも極端な偏りがあった為、体感器で8枚小役を狙う攻略が発覚。プロ・セミプロの餌食となった。対策機として「チャレンジマン2」が登場。
(各種ボーナス確率)
設定1 設定2 設定3 設定4 設定5 設定6
BIG BONUS 1/466 1/404 1/356 1/328 1/308 1/280
REG BONUS 1/466 1/404 1/356 1/328 1/308 1/280
ジャンボフルーツ 1/3616 1/3107 1/2726 1/2183 1/1758 1/1321
いかにジャンボフルーツに入りづらいかは、この数値を見れば一目瞭然であろう。また、集中機ゆえに、両ボーナス確率も低めに設定されている。
7揃い(ビッグボーナス)
クレスト(紋章)揃い(レギュラーボーナス)
(主なリーチ目)
通常時は、(1)左リールのプラム・オレンジ引き込み制御、(2)左・中リールのプラム・オレンジテンパイ制御が働く。
したがって、左にプラム・オレンジが出現しない形や、中リールでプラム・オレンジがずれた形は、問答無用でリーチ目。
また、中段チェリーや7・BARの単独テンパイ形なども鉄板目。角チェリーでも、同時にオレンジが出ていなければ入り目となる。
スマイル(ピコ)やブドウの単独テンパイ形も、プラム・オレンジのテンパイを蹴っているので、やはり100%のリーチ目である。
代表的な左リール1確目(クレスト・スマイル(ピコ)・7)からのレギュラー揃い
中段チェリー…鉄板目。
(ジャンボフルーツ)
本機のフルーツゲームは一種独特で、計4段階の抽選を経て、ジャンボフルーツに突入する。
8枚役成立⇒第1判定⇒第2判定⇒第3判定(途中、抽選に漏れた時点でアウト)
(1)最初の抽選契機は、8枚役成立時である。8枚役は、オレンジ、プラム、ブドウ、スマイル(ピコ)の4種類で、すべて同一フラグ。確率は、全設定共通の1/7.57。
(2)8枚役成立で、フルーツ第1段階の抽選が行われる。当選率には、以下の設定差が存在。
設定1:1/53.1 設定2:1/45.6 設定3:1/40.0
設定4:1/36.0 設定5:1/33.1 設定6:1/29.1
フルーツ第1段階に当選すると、15ゲームの間、8枚役が3/4の確率で揃い続ける。いわゆる「ミニフルーツ」で、比較的当選し易いが出玉はショボい。
(3)ミニフルーツ終了後、最初の8枚役成立時に、再びフルーツの抽選(第2段階)が行われる。こちらも、やはり設定差が存在する。
設定1:1/3 設定2:1/3 設定3:1/3
設定4:1/2.83 設定5:1/2.65 設定6:1/2.45
この振り分けに当選すると、2回目のミニフルーツがスタート。やはり15ゲームの間、3/4の確率で8枚役が落ち続ける。
(4)2回目のミニフルーツ終了後、最初の8枚役成立時に、いよいよ第3段階の抽選となる。ここで、(3)で示した設定別の振り分けに当選すると、待望のジャンボフルーツ突入。但し、(3)(4)の振り分けに落ちた時点で無条件で(1)に戻る為、突入率は激辛である。
★最終的なジャンボフルーツ突入率
設定1:1/3616 設定2:1/3107 設定3: 1/2726
設定4:1/2183 設定5:1/1758 設定6:1/1321
ジャンボフルーツ中は、60ゲームの間、3/4の確率で8枚役が落ちる。1回の集中で獲得できるコインは180枚。
60ゲーム完走後、最初の8枚役成立時に、再び突入抽選が行われる(当選率は(3)(4)と同じ)。ここで外れても、突入当選するまでエンドレスに抽選が続く。いわば、集中の「無限ループ」状態である。
これは、他の2号機のフルーツゲームとは、大きく異なる荒波システムといえる。やはり体感器攻略を受けた「ガリバー」にも大量獲得の集中があったが、ガリバーはフルーツではなく「シングルボーナス」の集中である。
本機の集中が「ジャンボフルーツ」たる所以は、その破壊力にあった。途中でレギュラーが入ってもパンクしないばかりか、上述の「無限ループ」仕様の為、ビッグボーナスが入る以外、パンクの心配が全くなかったのだ。ヒキさえ強ければ、延々とフルーツのループでコインが増え続けた。
高設定台はジャンボフルーツ突入率が高い為、終日打てば大量コイン獲得も夢ではない。一方、低設定台は突入率こそ低いが、パンク契機となるビッグボーナスの確率が低く、一撃ワンチャンスでの大量獲得が可能になっている。何かと夢のある機械ではあった。
ただ、ジャンボフルーツ中のメイン小役は8枚(純増5枚)で、コインの増加速度は非常に遅い。
ここで、「ビッグボーナスを除きパンクが起こらないなら、フルーツ中に1枚掛け、2枚掛けをすれば、ビッグ確率が下がってフルーツが延々と続くのではないか」との疑問が生じるかもしれない。
しかし、フルーツ中の8枚役確率は、1枚掛け時=1/20、2枚掛け時=9/20と低い。ビッグによるパンクはなくとも、フルーツ中にコインが増えないのでは、何の意味もなかろう。
(体感器攻略について)
チャレンジマンの小役判定用カウンターは計159コマあり、そのうち8枚役の乱数は21コマの範囲に固まっていた(よって8枚役確率は21/159=1/7.57)。
しかも、判定カウンターの周期が0.30528秒(1コマ:0.00192秒)でタイミングを図る事が出来た為、体感器で小役乱数を狙い撃ちする事が可能だったのだ。
8枚役を意図的に多く出せれば、通常時のコイン持ちが極端に高くなる(コインが増える)うえに、フルーツゲームの抽選機会も増える事となり、結果的にジャンボフルーツの確率がアップする。これは、極めて破壊力の高い攻略であったといえる。
専用メトロノームであれば、タイミングをほぼ完全に掴む事が可能。また、市販のメトロノームを使っても、「61BEAT9」或いは「86BEAT7」にセットすれば、特定のタイミングを掴むことで、やはり小役乱数を狙う事が出来た。もちろん、プレイを重ねるごとに微妙なズレが生じるが、台ごとのクセ(前にズれるor後ろにズレる)を掴んで微調整を行えば、対応が可能であった。
因みに、チャレンジマンの場合、フラグ判定のタイミングは成立役毎に異なる。
(1)1枚目のコイン投入(或いは1ベット時)…ビッグボーナス、レギュラーボーナス
(2)レバーオン時…フルーツ集中
(3)左ストップボタンを押した時…8枚小役
(4)中ストップボタンを押した時…チェリー
(5)右ストップボタンを押した時…フルーツ集中
※フルーツの判定タイミングが(2)(5)と重複しているが、条件により何れか一方が選択される。
したがって、体感器で8枚役を狙う場合は、レバーオンではなく、左ストップボタンをタイミング良く押す事が必要とされた。また、小役乱数を拾った結果は、次のプレイで反映される。
(参考文献:「パチンコ必勝ガイド」1990年1月号、「パチスロ完全攻略事典」保存版PART12)
完全に同調させられた友達が、台のスピードは二種類ある事を発見(と言っても微差)
後に、製造時期で違う事を知りました。
パチスロ台の製造工程による誤差を文字通り体感したって話です。
現場では、少々ズレてもリセットすれば問題無しでしたよ。小役探すのも簡単でしたからね。
小役狙うだけならメトロノーム改で充分だったと思います。