新宿・東南口の老舗「パチンコ平和」閉店か

（C）Google

相変わらずの「局地ネタ」で恐縮だが…

 

新宿・東南口（東口）エリアで、30年間の長きにわたり営業していた老舗パチンコ店「HEIWA（平和）」が、今月26日をもって閉店するとの事である。

 

※詳細はコチラ（ピワルドの店舗HP）

http://www.p-world.co.jp/tokyo/heiwa.htm

 

ここ最近は、パチ・スロとも「ほぼ」引退状態の身だが、かつてお世話になった思い出のホールの灯がまた一つ消える事に、やはり一抹の寂しさ、せつなさ、そして哀しみを覚える。

かつて、新宿・東南口のシンボルともなっていた（？）「平和」のネオン。コチラは改装前のネオンだが、実は1999年のリニューアル時に出来た「2代目」のネオンである。リニューアル前の「平和」は、さらに昭和レトロな雰囲気タップリな、味のあるネオンだった。残念ながら画像が無いので、記憶に基いたイラストで再現しよう。

 

このように、平成初期～1999年までの「平和」は、看板が上下2段になっていて、上に「平和」の文字、その下に「PACHINKO」の英文字が並んでいた、と記憶する。店の両隣には、ピンク映画の「新宿国際劇場」（昨年9月閉館）とカメラ屋「ラッキーカメラ」があった。

夜になると、赤・青・黄のネオンが新宿の街並みに良く映えていた。このギラギラしたネオンを見ると、「ああ、今自分は新宿の東南口にいるんだな…」と実感出来たものだ。

正面入口の左右2カ所に自動ドアがあり、右がスロットシマ側、左がパチンコシマ側の入口になっていた。店の反対側にも小さな裏口があって、ドア手前の古臭い鏡張りの手洗い場で、手や顔を丹念に洗ってから、いつも店を出ていた事を思い出す。

 

「平和」は、30年前（昭和58年頃）にオープンしたという老舗だが、自分が通ったのは平成2年（1990年）から平成15年（2003年）の14年間で、特に、平成初期の数年間と、2000年を挟んだ数年間が思い出深い。

1990年は私がパチンコ道に入り込んだ「記念すべき」年で、夏頃から新宿界隈（歌舞伎町、東南口、西口）に頻繁に足を伸ばすようになった。

当時の新宿・東南口エリアでは、「パチスロ・グリンピース」「パチスロ・てんとう虫」「平和」「メトロ」「パチスロ・ロッキー」「パチスロ・太平洋」が営業しており、併設店よりもパチスロ専門店の方が多かった。近くのホテル1Fには「楽苑」というパチ屋もあったが、90年当時は既に閉店しており、ゲームセンターになっていた。1991年には、甲州街道の陸橋沿いに「トーオー」というパチ・スロ併設店が新規オープン（現在、跡地ではニューアサヒ新宿店が営業）。

※1980年代～90年代の新宿・東南口パチンコ店ヒストリー

http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/1342b20a18969bdd7dc7d8e57ff4cf3e

 

1990年当時の「平和」には、ハッピーキャットI、すし五郎、パチンコ大賞13、スーパーブラザースといった旧要件ハネモノや、ファンキーセブン、エキサイト麻雀5などのオマケチャッカー付きデジパチが置いてあった。一方、パチスロシマには、アメリカーナX2とガリバー2の2機種が並んでいたが、90年暮れの新台入替でコンチネンタルIとコンチネンタルIIIに入れ替わった。後にコンチIIも入り、「コンチ三兄弟」の揃い踏みとなったが、その頃の客付きは…だった（汗）。

パチスロのコインが、他店と違って茶色い10円玉のようなコインで、たまに本物の10円玉が混じっていた事や、パチスロのドル箱がハネモノと共用で、透明なオレンジ色の小箱を使っていた事などを思い出す。このドル箱、普通にコインを入れるとビッグ2回分の量で一杯になるので、連チャン中はギチギチに詰めて「カチ盛り」にしていた。

その当時はコンチIをメインで打っており、新宿「平和」のコンチIも嫌という程打ちこんだ。その後、某・辰巳出版系の攻略誌に、「コンチIの通常時の打ち方とリーチ目」をまとめた読者投稿ネタを送った所、運良く掲載されて「8000円」の原稿料を貰った事もある（雑誌の現物もあるので、いずれ紹介したい）。

それから、コンチIと同時期に「アラシキング」という、西陣の元祖・全回転リーチ搭載機が入った時は、液晶上下2段デジタルの独特な動きに魅了され、東南口に行く度に打っていた。別に連チャン機でも何でもないのだが、あのピンク色の液晶には、人を寄せ付ける独特の「魅力」があったと思う。そんな訳で、私にとってこの時期の「平和」といえば、コンチIとアラシキングである。

（コンチネンタルI、瑞穂3-1号機、1990年登場）

 

（西陣の旧要件デジパチ「アラシキング」、1990年登場）

 

一方、新要件機時代には、フィーバーマキシムEXIII、フィーバークイーンII、フィーバーパワフルIII、エキサイトジャックII、野球拳などの連チャン機を、この店で打った事が印象深い。

（1992年の新宿「平和」で、三共の連チャンドラム機「フィーバーマキシムEXIIIを打つ客。このシマは私も良く座っていたので、個人的にもグッとくる光景である。台間の玉貸機に手を伸ばす姿や、頭上にある旧型の呼出ランプも懐かしい。ちなみに、このシマのマキシムは「7」揃いのみ連続遊技可、その他は一回交換であった。

 

中でも、この店のF・クイーンII、E・ジャック2、野球拳の3機種は、「社会的不適合機」として撤去対象となった後も、みなし機として長く設置され続けたので、ここで2000年以降に打った方もいるだろう。1000円で10回しかデジタルが回らなくても、もはや何の不満もなかったハズだ（笑）。

その他のみなし機では、ハネモノのニュービッグシューターや、権利物のリアルゴール2に弁慶パニック、デジパチのビバシティ、CRデジパチの撃墜王などを比較的長く設置した。

 

それから、1990年代の中頃には、新宿「平和」の店内で撮影された、某・菓子メーカーのCMが放映された事があった。

新宿「平和」の店内で撮影された、某・菓子メーカーのCMより（1996年）。顔面パックの主婦たちが打っているのは、将棋モノのCR機「CR・RYU－OH」（平和）。この1シマだけが入口に対して「垂直」に並んでおり、背中側には野球拳やクイーンII、エキサイトジャック2などの「平行」シマがあった。また、RYU-OHの反対側がパチスロのシマになっていた。

 

また、1999年（平成11年）の全面リニューアルでは、かなりパチスロに力を入れていた印象がある。アレックスやウルトラマン倶楽部3、ビーナスセブン、仮面ライダーV3などに連日高設定が入り、夜ともなると会社帰りの客などでごった返す日も多かった。アレックス好きの自分としてはかなり重宝した時期でもあり、平日は丸の内で仕事を終えてから電車やタクシーで直行、休みの日は朝イチから出向き、アレックスの設定判別などに勤しんだ。

 

なお、新宿「平和」には、かつて一軒の系列店があった事をご記憶だろうか。代々木駅東口でひっそり営業していた「平和会館」という半地下型の小さなホールだ。1996年の日本テレビ系パチンコドラマ「グッドラック」（松本明子主演）のメインロケ地ともなった。ドラマの中では「飛鳥球殿」というホールだったので、そちらの名前で記憶している方もいるだろう。

（C）日本テレビ

「グッドラック」のワンシーン（1996年）。松本明子の他、共演の金田明夫、網浜直子、伊藤俊人、宮地雅子、原田龍二、勝村政信、原田泰造の姿も。松本の左上には「HEIWA」の店内看板も見える。

 

まぁ、そんな訳で、色々な思い出の詰まった新宿「平和」だが、遂にその長い歴史に幕が下ろされる日が来たようだ。ピワルドのHPでは、「長期改装工事の為」とあるので、営業が再開される時が来れば良いとも思うが、「30年間のご愛顧、誠に有難うございました」とも書いてあるので、その可能性はかなり低いかもしれない…。

 

★追記（えむさん）2014.3.18

「平和」の近くでゲームセンターになったパチ屋というと、新宿セントラルホテル東京の1Fにあった「楽苑」だと思います。当時の資料によれば、1987年の時点ででナイアガラを設置していたのは、あの界隈では「楽苑」だけですね。

ちなみに「平和」はデートライン21、パチスロ「ロッキー」がファイアーバード7U、「パチスロセンター」（太平洋）がスターダストII、「レディバグ」（後の「てんとう虫」）がファイアーバード7です。

「メトロ」は現在も営業しており、当時は一発台コーナーに「ミサイル」（高尾）と「アラジン」（マルホン）を設置していたとの事です。一方、’87年当時の「平和」は、一発台が「ミサイル」と「キューピット」（奥村）で、権利物が「コスモチャンピオン」（西陣）と「スカッシュ」（大一）となっていますね。