1996年(平成8年)に平和から登場した「CRサクセスストーリーSP」
★新要件デジパチ
★新枠「スペースサーキット枠」初採用
★ワープルート搭載
★賞球:5&10&15
★大当り確率:1/398.5(設定無し)
★デジタル停止順:左⇒中⇒右(全回転系を除く)
★図柄:1~9、ケイコ(10)、宝箱(11)、スミス(12)、
金塊(13)、マハラ(14)、ドル袋(15)の計15図柄
★最高16R継続、出玉約2300個
★15図柄中、「3、7、ケイコ、スミス、マハラ」の5図柄で当ると、
プラス2回の確変に突入(ループ有り)
★確変突入率&継続率=1/3
★確変中の大当り確率:1/53.1
★小デジ確率:通常時=1/10、確変中=247/250
★ミニアタッカー式の電チューは1個入賞で閉じるが、
拾い易い構造で複数入賞も可能。確変時の止め打ちも有効。
★大当たり中のBGM:「テイク・ファイヴ」
(デイヴ・ブルーベック・カルテット)
確変キャラの「スミス」は、いかにも成金の雰囲気で「38歳」の設定だった。
当時はオッサン臭いキャラと思ってたが、もう、自分の実年齢の方が7つも上。
わかっちゃいるが、ずいぶんと歳を取ったもんだ、はぁ…。
B・スミス(38歳、貿易商)
本機は、当時のCR機の主流だった「フルスペック」タイプで登場。
まぁ、低確率ゆえ初当りは遠かった訳だが、一たび確変を引けば、
巧くループして、足下に箱を5つ6つ…と積み上げる事も容易かった。
当時の業界を振り返ると、まさに「社会的不適合機問題」の真っ只中にあり、
96年~97年にかけて、連チャン性を持つ現金機の多くが「撤去対象」とされた。
(第1次~第4次と、順次撤去リストが公開された)
ただ、CR機については、「CR花満開」「CRグランパス」「CRバレリーナ」
「CRビッキーチャンスI」を除き、「健全化」の名目で不当に保護された為、
本機のようなフルスペックの爆裂機でも、撤去リストに載る事はなかった。
だが、「射幸性」の面では大いに問題があった訳で、現状を放置する事は
得策でないとも判断された。結果、「突入率1/3、プラス2回」タイプの
フルスペックは、今後一切出ないといわれた。そんな状況で出た本機は、
「最後のフルスペック」と評されて、大きく注目を浴びた。
自身の活動エリアでは、非常に設置が多かった。新宿、渋谷、高田馬場など
様々な地域で打ったが、一番記憶に刺さるのは、小田急線・向ケ丘遊園駅の
「パーラーニューギンザ」というパチ屋(現「Ginza G-Style」)。
(C)Google
この店を一番に挙げた大きな理由は、「初打ち」だったから。
「エキサイト麻雀5」がある旧要件期から通った馴染みの店だが、
かつて大一の連チャン一般電役「フルーツパンチ」があったシマに、
奇抜な白枠(スペースサーキット枠)の本機がズラッと並ぶのを見て、
以前との「ギャップ」を感じたし、視覚的なインパクトも大きかった。
それと、ニューギンザは、本機で確変を引いて箱積みした、唯一の店。
他店では、単発しか当てた記憶が無いが、ここは確変ループが炸裂して
10箱くらい積んだハズ(ドル箱規制の為、途中で流した可能性もあるが)
普段は現金機派だったが、あの時ばかりは、CRの「魔力」にやられた。
ニューギンザの当時の特殊景品は、下のイラストのような「ライター石」で、
価格別に赤・青・黄と色分けしてあった。それらをボール紙の長細い箱に入れ、
客に渡していた。もう長く訪れていないが、まだあの景品を使っているのか。
多分、変わってしまったと思うが。
(「ニューギンザ」の当時のライター石(フリント))
★中デジタルのスベリ
本機のデジタルの大きな特徴に、中デジタルの「スベリ」がある。
左デジが停止した後、中デジが通常停止するほか、「3~6コマ」
スベッて停止する場合があった。これは、内部の振り分けにより
決定されるもので、約85%が通常停止、約15%がスベリとなる。
(左の図柄によって、スベリコマ数に法則があった)
また、リーチはスベリを伴うケースが多く、通常停止からの
リーチは少なかった為、スベリ発生で「リーチ出現率」アップ。
★リーチアクションについて
・ノーマルリーチ
左中テンパイ後、右デジが速度をやや緩めてスクロール。
さらに、超低速に切り替わってから、2~5コマ進んで停止。
この時、超低速で「2コマ」進んで止まることが多かった為、
大当りの手前2コマで低速に切り替われば、チャンスとなる。
また、ノーマルでいったんハズレ後、再び右デジが動き出す
「再始動アクション」もあって、コチラは大当り確定だった。
まぁ、大抵はピクリともせずに、そのまま終わるが…。
・ポーカーリーチ
大富豪「スミス」との、ポーカー対決に切り替わる(左下にカードが配られる)。
ロイヤルストレートフラッシュの形だが、右端のみ「エース」と「JOKER」が
交互に切り替わる。最終的にエースなら大当り。ベロを出したJOKERならハズレ。
右端の絵柄が切り替わるパターンは、細かく見れば「9種類」存在した。
(エースのまま、一度もJOKERに変化せずに当るパターンもアリ)
但し、SPリーチの割には、信頼度が低い。
・ルーレットリーチ
大きなルーレット画面に切り替わり、回転するルーレットを背景に、
右デジが最大で「3周プラス1コマ」動く。右デジは、大当り手前で
超スローに切り替わる。大当りのパターンは、「2周目にビタ」
「3周目にビタ」「3周目に1コマ戻り」の3つ。大当り時か、
プラス1コマハズレ時のみ出現。必然的に、1コマ通り過ぎる
ハズレばかりを目にすることになる。リーチがハズれた時の、
バニーガールの台詞「ひえ~、ごめんね!」が、やたら印象的。
・ジャックポットリーチ(右デジ高速)
全デジタルがシンクロ状態で回転開始。全回転が8コマ進んだ所で、
右デジのみ高速で動き出すこのパターンは、信頼度が大きく下がる。
背景で金色コインが落下して山積みになっていくが、「右高速」だと
コインの「盛り」がショボい。全回転系だが大抵ハズれる(当る事もある)。
・ジャックポットリーチ(全回転キープ)
一方、全回転スタートから8コマ進んだ地点で、右デジが高速回転せずに
全回転スクロールがそのまま続けば、背景が山盛りコインで埋め尽くされ、
大当り確定(=スーパージャックポットリーチ)。後は、確変か単発か…。
なお、確変中は、このスーパージャックポットリーチのみ出現。
★大当り画面に登場する実写の女性
大当り中は、スミス、ケイコ、マハラの3人の大富豪が活躍。
その大当り画面に実写で出てくる、「謎」の美人女性がいた。
実はこの方、当時レースクイーンやCMモデルで活躍中だった、
「今井けい子」さん。「ケイコ」繋がりでお判りだろうが、
本機の確変図柄の一つ「ケイコ」は、彼女がモデル。大当り画面の
プロフィールにも「ケイコ・今井(23歳、投資家)」とある。
今井さんは、同社の先行機「CRスーパーダンク」でも、実写で登場。
★土曜深夜バラエティ番組「DAISUKI」との関係
1997年(平成9年)5月31日(土)放映、
日本テレビ「DAISUKI」パチンコ対決で本機が登場。
レギュラーは、中山秀征、松本明子、飯島直子。
この日のゲストは、藤谷美紀。
ロケ地は、品川区・西大井「パーラーバーディ」(閉店)
第1回戦「マジカルランプ」(奥村)、第2回戦「CRくだもの畑」(サミー)の後、
ラストの第3回戦で、本機が対戦台に選ばれた。
この日、藤谷さんはヒキが強く、マジカルランプで2回、くだもの畑で1回、
計3回の大当りをすでに出していたが、本機でも見事に大当りを決めた。
(中デジスベリから、「4」のポーカーリーチで当り)
ただ、大当りした藤谷さんのリアクションが常に「薄かった」為、
レギュラー陣にイジられていた。本機で大当りした時も、字幕で
「やっぱりあまり喜ばない藤谷さん」と出るなど、喜びを表情に
出さない彼女のクールな反応が、ある意味、番組を盛り上げた。
(本人曰く、「当たって嬉しかった」そうだが…)
(C)日本テレビ
なお、1997年4月5日(土)にも、DAISUKI・パチンコ対決で本機が登場。
(ロケ地は、港区・白金台「SPACE PINTA(スペース・ピン」)
この時は、ゲストの向井亜紀が絶不調。3回戦通して大当りゼロに終わる。
一方のレギュラー陣は対照的にヒキが強く、サクセスストーリー対決でも、
飯島と中山がそれぞれ1回づつ、単発ながらも大当りを引いている。
(飯島は全回転(ジャックポット全回転キープ)から金塊。
中山はルーレットリーチから、やはり金塊で大当り。)
しかし、短い放送間隔で2度も対戦台になる辺り、
首都圏における本機の高い普及率が見て取れよう。