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フィーバーアラビアンDX(SANKYO、デジパチ)

2015-11-14 10:47:50 | 現金機デジパチ



1996年(平成8年)にSANKYOから登場した時短デジパチ「フィーバーアラビアンDX」



(メタリックで次世代感タップリの「FF枠」)



★現金機(デジパチ)、ドラム機

★賞球…7&15

★大当り確率…1/227

★大当り図柄…赤7、魔女、王冠、Fever(F)、宝石、ランプ、青7、壺、女王の9種類

★ドラム停止順…左→右→中 (但し、中・右同時回転リーチ、全回転リーチあり)

★有効ライン…5ライン(計45通り)

★最高16ラウンド継続

★出玉…約2300個

★時短機能を搭載
・「赤7、青7、F」の3図柄で当ると、大当り後、100回転の時短モードに突入
・時短突入率=1/3
・時短中の連チャン率=35.7%
・時短大当り後、100回まわすと通常モードに戻る(「次回大当りまで継続」ではない)

★小デジタル確率…通常時、時短中ともに「1/3」
・小デジタルは盤面左下、半円(C字型)のLEDランプ。1~6のうち、1と2で当選)
・小デジ用チャッカーは、メインアタッカー左下にひっそりと存在。メモリーの有無はドラム左右の赤丸ランプで把握できるが、点灯数までは判らない。

★小デジ変動時間…通常時=約30秒、時短中=約3秒/7秒(小デジのメモリー状況で変化)

★電チュー開放時間…通常時=0.5秒×1回  時短中=1.5秒×2回
(電チューはヘソについていた。性能(拾い)は良い)

★実戦店…登戸「ハトヤ」、新百合ヶ丘「ダイヤモンド」、新宿「日拓1号店」、高田馬場「日拓本店」、有楽町「UNO」、赤坂「エスパス日拓・赤坂A館」、神楽坂「神楽坂センター」など多数(設置率高し)

★CR版の兄弟機…「CRスーパーアラビアンクイーン(CRFアラビアンGP)」
1997年3月登場。大当り確率=1/251。1/2で確変突入。5回のリミッター付き(新基準機)。
爆発力はフルスペックに劣るが、その分、CRにしては確率が甘い。


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別名を「スーパーアラビアンクイーン」というように、かつての大ヒット機種「フィーバークイーンII」(1993年、保留連チャン機)の後続機として本機がお目見えしたのが、1996年の12月。

但し、クイーンをそのまま踏襲した訳ではなく、文字通り、「アラブ」のエッセンスを振りかけた、独特の仕上がり具合になっていた。

ドラム回転音やリーチ音もアラブ調だったが、元祖クイーンの「面影」も感じられた。

図柄もクイーン同様、「赤7」「青7」があった。その他、クレオパトラの「女王」(元祖クイーンにもトランプの「女王」図柄があった)、空飛ぶ絨毯に乗った踊り子風の「魔女」、羽根付きの「王冠」など、アラビックな図柄が多数。


「赤7」→時短


「青7」→時短



「F(Fever)」→時短



「女王」…単発


「魔女」…単発



「宝石」…単発


「王冠」…単発


「壺」…単発

※その他、単発図柄の「ランプ」も存在。





4種類のリーチ、右ドラムのスベリ、そして大当りの期待をあおる「予告フラッシュ」と、打ち手を魅了する要素は満載。まさに、「ドラムの三共」らしく、完成度の高い演出だった。


低確率のフルスペックCR機が幅を利かせた当時、1/227という良心的な確率も嬉しかった。
(この直後、CR機も爆裂度を抑えた確変リミッター付きの「新基準機」が登場)

クイーン的な仕込み連チャンこそないが、出玉を減らさずに時短中に再度大当りする、「疑似連チャン」が十分期待できた(時短連チャン率は35.7%)。


但し、時短モードは、時短図柄の大当り後100回で終了。次回当りが約束されたスペックではないが、時短ループ、単発後の(自力)数珠連チャン、時短終了直後の引き戻しなど、出玉を大きく伸ばす要素も多かった。


本機を「マイルドな出方※」と呼ぶ人も多かったが、私はそう思わない。「1/227」の確率が織りなす好調時の出玉の「波」があり、ヘソが甘ければ、時短と早い初当りを絡めて、一気に箱を積む力も持っていた。その一方、大ハマリが少ないのが大きな魅力といえた。

※「爆発力がない」といった印象を持つ人は、実戦店の釘が露骨にシブかったのではないか。事実、新装から警戒して釘をシメる店もあったし、時短中に玉減りする酷い調整の時もあった。


なお、当時は、「射幸性」を煽る営業を自粛する空気もあり、「3箱規制」といった自主規制で、積んだドル箱を途中でカウンターに流させるホールもあった。


「射幸性」といえば、この時期は、かつてホールを賑わした連チャン機に「社会的不適合機」の烙印を押して、撤去するような動きも目立った。店に大きな恩恵をもたらした「恩人」に対して、掌を返したような酷い仕打ち。一般ファンにとっては、何とも理解しがたい流れであった。


まぁ、そんな背景があったからこそ、本機のような「疑似連チャン機(時短連チャン機)」を、ホールも重宝したのだろう。本機は、当時の現金機の中において、かなりのヒットを飛ばした。都内・神奈川でも、新装で次々と導入されて、97年の代表機種となる可能性も存分にあった。

ただ惜しむらくは、本機のヒットとピッタリ重なるタイミングで、元祖クイーンIIの正統後継機、「フィーバークイーンJX」(1997年)がリリースされた事だ(CR版は「CRFクイーンJX」)。

コチラは、ハッキリと初代クイーンIIを「踏襲」したリメイク版で(現金機は1/4で次回まで小デジ確変、CRは1/2で確変・5回リミッター付き)、97年中盤から下半期に、大きな注目を集めた。これが、本機の存在感・注目度を、薄めてしまった感が否めない。





★右ドラムの「スベリ」について

ドラム停止順は、基本「左→右→中」だが、右ドラムが一旦停止した後、再び動く事があった。これが右ドラムの「スベリ」で、アクション発生時はリーチ及び大当りの期待度がアップ。

スベリのパターンは、「7コマスベリ」「8コマスベリ」「9コマスベリ」の3つ。大抵は7コマか8コマのスベリだが、稀に9コマスベる事があった。


(参考)右ドラムのスベリコマ数、振り分け率

・ハズレリーチで「右スベリあり」が選択されると、必ず「7コマスベリ」となる。
・大当りで「右スベリあり」が選択されると、7コマスベリが6/7、9コマスベリが1/7。
・右が左に対して+1コマでハズれる時(非リーチ)は、スベらずが4/7、8コマスベリが3/7。



7コマスベリは必ずリーチが掛かるが、単なるハズレリーチも多い。
(但し、スベリ無しよりも期待度はアップ)

8コマスベリは、左ドラムに対して、右が「+1コマズレ」で止まる為、絶対リーチにならない。

9コマスベリは必ず大当りする。だが、振り分け率はそれなりに低く、頻繁に出た訳ではない。


しかし、右が一旦停止してスベった時、「普段より余計にスベッたな」と思ってリーチになれば、感覚的に「大当り」と判断できた。普段はスベッて上段にテンパイする図柄が、下段までスベって来た時など。

また、左の停止図柄に応じて、右の「一旦停止図柄」もセットになっていたから、これさえ頭に入れておけば、7コマと9コマの違いを見分ける事も出来た。

ただ、スベリは割と素早く起こったので、対応図柄を瞬時に判断しかねるケースもあった。


そこで、7コマと9コマの違いを見分ける為、スベる前後の右ドラムの挙動に着目する、以下の判別方法もあった(あまり知られていないが)。以下、図説を加える。



まず、左ドラムの中段に、何らかの図柄(大当り図柄のみ、ブランクを除く)が止まった場合。
(「ブランク・図柄・ブランク」が止まるケース)

ここから右が7コマスベる時は、やはり「中段」に何らかの図柄が一旦停止する。直後に7コマスベリが発生して、左中段と同じ図柄が右「中段」に再停止して、リーチとなる。例外はない。

つまり、「ブランク・図柄・ブランク」が一旦停止して、「ブランク・図柄・ブランク」が再停止する。右中段の図柄は入れ替わるが、「図柄が中段停止」そのものは変わらない。


一方、9コマスベる時は、「ブランク・図柄・ブランク」→「ブランク・図柄・ブランク」のパターン以外に、「ブランク・ブランク・図柄」(下段)で一旦停止してから、「ブランク・図柄・ブランク」(中段)で再停止するケースが生じる。

即ち、下段で一旦停止後、中段で再停止するパターンだ。この「変則パターン」が起きれば、「9コマスベリ確定」で必ず大当りする。

したがって、左中段に図柄が止まった時、右ドラムの下段で図柄が一旦停止後、スベリが発生した時点で、大当りを確信してよい。左右の図柄が何であれ、「変則スベリ」さえ知っていれば、ある程度は大当りの「先読み」が可能だった。
(右スベリが発生した瞬間、大当りと判る)





次に、左ドラム「上段and/or下段」に、何らかの図柄(ブランク除く)が止まった場合。

まず、左の停止形を大別すると、上下共に図柄がある場合(W図柄)」と、「上段単独図柄」、「下段単独図柄」の、3パターンに分かれる(配列上、必ずそうなる)。

・W図柄…「図柄・ブランク・図柄」
・上段単独図柄…「図柄・ブランク・ブランク」
・下段単独図柄…「ブランク・ブランク・図柄」

ここから右が7コマスベる時は、(i)W図柄が一旦停止後、別のW図柄で再停止(リーチ)、(ii)上段単独図柄が一旦停止後、別の上段単独図柄が再停止(リーチ)、(iii)下段単独図柄が一旦停止後、別の下段単独図柄が再停止(リーチ)、の3パターンとなる。例外はない。

特徴的なのは、右スベリが起きる前後の停止形が、必ず「同じ」である点だ。
(W図柄→W図柄、上段単独→上段単独、下段単独→下段単独)


一方、9コマスベリは、「W図柄→W図柄」に加えて、「W図柄→下段単独」「上段単独→W図柄」「中段→上段単独」という、3つの変則パターンがある。なぜ「変則」かといえば、7コマスベリと違って、スベリの前後で右の停止形が「変化する」からだ。

よって、コチラも変則スベリと判った瞬間、大当りを確信できる。このうち、「W図柄→下段単独」と「上段単独→W図柄」の2パターンは、右が再停止してリーチが掛かった時点で判別可。残る「中段→上段単独」はもっと早く、右スベリが起きた瞬間、大当りする事が判る。なぜなら、左の上/下段に図柄がある時は、7コマスベリなら、絶対に中段には一旦停止しないから。


以上が、右スベリ発生時における、お手軽な「大当り先読み」(9コマスベリ判別法)である。

左の停止形に応じてパターンが幾つかあるが、法則自体は単純。実機をお持ちの方は、検証してみるのもいいだろう。





★リーチアクション(4種類)について

・ノーマルリーチ(中ドラム再始動は鉄板)
中ドラムがややスローで1周回った後、2周目のリーチ図柄を通過後、超スローに切り替わる。

徐々に低音→高音に変わるアラブ風リーチ音が、元祖クイーンのジリジリ感を彷彿とさせた。

但し、ノーマルのままでは滅多に当らない。元祖クイーンは、この「ジリジリ」リーチから当たるのが醍醐味だったが、本機では低信頼度のリーチに「格下げ」となった格好だ。

但し、「滅多に当らない」とはいえ、ノーマルで当る事もたまにある。解析によれば、初当り時の約17回に1回が、ノーマルで当る。

なお、中ドラムが一旦ハズれた後、再始動すれば、必ず大当りする(三共得意の「二段階」)。

但し、ノーマルの再始動アクションは、通常時と時短中とで異なる。通常時は、「1コマスベリ」「7コマスベリ」「19コマスベリ(約1周)」「1コマ戻り」の4パターン。時短中は「19コマスベリ」「23コマスベリ」のロング再始動のみ発生。




・不思議なリーチ
(中ドラム再始動は鉄板)
ノーマルから発展するSPリーチ。ノーマルが超スローに切り替わって1周した後、さらに2コマ進んだ時点で、左右ドラムがガクガクと揺れ始める。

1周以内で止まる「ショート」と、2周目に突入する「ロング」があって、ロングの方が高信頼度。特に、右7コマスベリからのロングは、信頼度約6割と激アツ。

中ドラムの再始動パターンは、「1コマスベリ」「7コマスベリ」「1コマ戻り」の3つ。



・さまようリーチ
(中ドラム再始動は無し)
左ドラム停止後、中・右の図柄が揃った状態でスクロールを開始。しばらく回りっぱなしの後、「一旦停止→回転」を繰り返すようになる。

左の停止図柄が1つだけなら、シングルリーチ確定。一方、左の上&下段に図柄が停止した「W図柄」の場合、中・右が斜めに揃っていればシングルだが、平行揃いで回っていると、ダブルリーチとなる。

そして嬉しい事に、ダブルリーチ型の「さまようリーチ」は、大当たり確定。さらに、ダブルリーチ時は必ず一方が時短図柄なので、1/2で時短図柄での大当りが期待できる。

なお、4種類あるリーチの中で唯一、中ドラムの再始動アクションが無い。



・魔法のリーチ
(中ドラム再始動は鉄板)
ドラム回転中に突如サウンドが激しく変わり、全ドラムが高速回転後、図柄が揃って一旦停止→同時回転→中ドラム1コマズレで停止→同時回転と派手に動く。最後に図柄が揃って止まれば大当りとなる。但し、「揃った」と思った直後に、中ドラムが1コマ落ちてハズれる事もある。

中ドラムの再始動は、「1コマ戻り」と「19コマ(約1周)スベリ」の2パターン。

さらに、時短図柄(赤7、青7、F)で魔法のリーチが掛かれば、100%大当りする。高速回転後、一旦揃った図柄が時短図柄であれば、その時点でドル箱を用意してよい。




★予告フラッシュ(前兆)について



ドラムが始動する直前、「ピピピピピピ!」とけたたましい音と共に、ドラム周りの飾りランプが一瞬激しく点滅することがある。これが連続するのが、本機の大きな特徴の一つである、「予告フラッシュ」だ。

最低2連、最高で4連続するフラッシュの出現で、大当り期待度も大きくアップした。但し、「ガセフラッシュ」も存在したので、最後まで気が抜けなかったのも事実。

フラッシュ発生の前提条件は、「時短中でない事」、「保1でガセフラッシュが発生しない事」。

保1にガセフラッシュが残ったまま、新たなフラッシュ抽選が行われる事はない。よって、フラッシュは最高4連まで。

上記条件が揃った状態で、始動チャッカーに入賞。この時、「保2以上が点灯している事」も、フラッシュ発生の必須条件となる。よって、フラッシュは最低でも2連する。

この時に入賞した玉で「大当り乱数」を引けば、「8/23」でフラッシュ抽選を行う。当選すると、それまで点灯していた全保留でフラッシュ予告を発生させる、内部処理を行う。

フラッシュには、「ピピピピピピ」と短めの予告音が鳴る「ショートフラッシュ」と、「ピピピピピピピピピピ」と予告音が僅かに長い「ロングフラッシュ」がある。

大当り時の連続フラッシュは、「ショート」からのハズレ(ハズレリーチも含む)が何度か続いた後、対象となる最後の保留消化時に「ロング」が発生して、必ず大当りする。


但し、同じ条件下で「ハズレ乱数」(ハズレリーチ含む)を引いた時も、「1/683」のガセ抽選に当ってしまうと、同様の処理が行われて、全く嬉しくない「ガセフラッシュ」が起こる。この場合、発生する連続フラッシュは、全て「ショート」になる。もちろん、対象となる最後の保留消化時も、ショートとなってしまう訳だ。

つまり、ショートフラッシュは必ずハズレとなり、ロングフラッシュなら必ず当たる

予告音の長さのちょっとした違いだが、よく観察すれば見逃す事もなかった。フラッシュがロングだと判った瞬間に安心できるが、逆に4連目のフラッシュがショートだった場合、「ガセ確定」となる。




★通常時のドラムの「即止まり」現象について

本機は、各ドラムが停止する際、通常は「ダーン(間)、ダーン(間)、ダーン」と、一定の間隔がある。

しかし、時折「ダン、ダン、ダン」と素早くドラムが停止して、「即止まり」アクションを見せる事があった。

なお、時短中は、ドラム変動時間の短縮で即止まりするケースが頻発するが、ここでの即止まりは「通常時」に限る。

この即止まりが当初は怪しく感じられて、「大当りの前兆」とか、「特定の形で即止まりすれば、次回転で大当りする(リーチ目)」など、色々と物議をかもした事もある。

即止まりのパターンには、(1)単なるハズレ停止、(2)リーチが掛かってハズれる、(3)リーチが掛かって大当り、の3パターンがあり、即止まりの大当り信頼度も気になったりした。

しかし実際には、単なる「演出」の一環として、用意されたものに過ぎなかった。

即止まりは、大当り時の1/5、ハズレリーチ時の1/10、バラケ目ハズレ時の1/30で発生。

したがって、リーチが掛かれば多少は期待できたが、単なるハズレ(バラケ目)でも、ランダムで発生する仕様だった。結局、前兆やリーチ目とは、何の関係もなかった訳だ。