先日、「子供時代の空き瓶拾い」の記事を書いたのだが、例の如く「記憶の引き出し」を開ける作業をやっているうちに、当時の「小学校給食」の記憶まで一緒に蘇ってきた。
で、思い付いたメニューを逐一書き出したら、何やら、「献立表」のようなものが出来上がった。折角なので、1か月分の献立表(再現版)として、ブログで公開する事にした。
ただ、流石に30年数前の古い話。ハッキリ覚えている部分と、ベールが掛かってボンヤリしている箇所との差が大きい。おそらく、以下に紹介する献立表を当時の自分に見せたら、「うーん、40点」などと言われるに違いない。実際の献立表とは、かなりの「乖離」があるはずだ。
(現物が残っていたら…と悔やんでも仕方ない)
まぁ、そんな感じで、曖昧な部分も少なからずあるが、「古きよき昭和」を振り返る一資料として、目を通して頂ければ幸いである。
★★1983年(昭和58年) 小学6年の頃の給食献立表(再現)…「川崎市Ver」★★
★月~金の献立。土曜日は「半ドン」だったので、給食無し。
★食器は、アルマイト製の平皿とお椀。スプーンは「先割れ式」のもの。
★給食時間は12:15~1:00の45分間。12:45からは、「お昼の校内放送」が始まる。
1(木) パン、牛乳、炒めビーフン、アジフライ、せんキャベツ
2(金) 食パン、牛乳、チーズ、竜田揚げ、かきたまスープ
5(月) パン、牛乳、塩もみ、クリームシチュー、ゆで卵
6(火) ソフトめん、牛乳、ミートソース、みかん
7(水) パン、牛乳、ちくぜんに、大学いも、冷凍みかん
8(木) 黒パン、牛乳、やまとに、塩もみ、プリンスメロン
9(金) ピロシキ、牛乳、フレンチサラダ、りんご
12(月) パン、牛乳、中華スープ、ひじき、冷凍みかん
13(火) きなこパン、牛乳、八宝菜、ヨーグルト
14(水) 食パン、牛乳、ママレード、マカロニグラタン、塩もみ
15(木) 敬老の日
16(金) パン、牛乳、アジフライ、せんキャベツ、フルーツポンチ
19(月) 食パン、牛乳、マーガリン、竜田揚げ、白菜スープ
20(火) パン、牛乳、ポテトサラダ、マヨネーズ、ゆで卵
21(水) ぶどうパン、牛乳、やまとに、チーズ、塩もみ、ミカン
22(木) パン、牛乳、アジフライ、せんキャベツ、バナナ
23(金) 秋分の日
26(月) ソフトめん、牛乳、カレーあんかけ、バナナ
27(火) 揚げパン、牛乳、白菜スープ、白身魚フライ、りんご
28(水) パン、牛乳、炒めビーフン、大学いも、フルーツゼリー
29(木) 黒パン、牛乳、ボルシチ、チーズ、クラッカー
30(金) 食パン、牛乳、マーガリン、春雨サラダ、ゆで卵
(註)
この時期、私の通った川崎エリアでは、小学校給食の主食といえば、とにかく「パン」であった。米食はまだ導入前で、昼時に校内で白米を食べたのは、弁当持参時(遠足が雨で中止になったり)と、家庭科で調理実習をした時くらいだ。
基本的には、ややパサついた「コッペパン」がメイン。正直、あまり好きではなく(飽きる)、よく残しては机の奥やランドセル(カバン)に突っ込んだ(時間が経つと、カチカチ状態で出てくる)。
コッペパン以外では、食パンの出る機会が多く、その他、黒パン、揚げパン、きな粉パン、ブドウパンなどが、ちょくちょく「ローテ―ションの谷間」に来る感じだった。とりわけ、揚げパンの砂糖の甘さと、ほどよい触感がお気に入りだった(我が地域は、きな粉パンと揚げパンは別モノ)。
また、当時の楽しみとして、パン以外の主食が出ると、非常に嬉しかった。その代表格といえるのが、「ソフト麺」である。「パスタ以上、うどん未満」の柔らかい麺がビニール袋に入っていて、これをミートソースやカレーあんかけ、中華スープなどの具に混ぜて食べる。まぁ、世代によっては、定番の「懐かし給食メニュー」ともいえよう。
それと、たまに出たのが「ピロシキ」だ。コチラは油で揚げた小さな調理パン…といった感じで、中身は肉あん入りとアンコ入りの2つ(セット)。この味もたまらなく好きだったが…もしかすると、川崎エリア独特のもの?
次に牛乳だが、これは定番の「三角テトラパック」入り(牧場のイラストが描いてある、緑と青のパック)。低学年時は透明な牛乳瓶(ガラス)だったが、途中で三角パックに変わった。よく、瓶を落として割る子がいたので、安全面を考慮して変更したと思われる。
また、チーズは銀紙で包装された四角い「QB」プロセスチーズが基本。但し、食パンの時には、薄いスライスチーズが添えられる事が多かった。食パンとの組み合わせでは、マーガリン(銀紙で包んだ四角のもの)やイチゴジャム、オレンジママレードなんかも付いてきた。
さて、肝心の「おかず」だが、正直、記憶が鮮明なものと漠然としたものが混ざっており、いまだ記憶の奥底に埋もれたままものも多い。
そんな中で、今もハッキリ覚えているのが、何といっても「炒めビーフン」である。白いビーフンを、挽肉や刻み野菜と一緒に炒めたシンプルなもので、食べやすいよう細かく切ってあった。これが、非常に私好みの味で、今も印象深いメニューだ。
しかし、ちょっと困った事もあった。給食当番で、大きなアルマイトのバケツに入ったビーフンを、これまたアルマイトの小さなお椀に掬う時、粘っこいビーフンがベットリお玉にくっつくのが、少々面倒だったのだ。お玉をお椀に「カンカン」と叩くようにしてよそうのが、ビーフン「お決まり」の光景だった。
また、献立表にある「やまとに(煮)」も、お気に入りのメニューだ。「大和煮」という名称が付いているが、実際はジャガイモをトロトロ・クタクタに煮た、「うま煮」的なもの。いわば、「柔らかいジャガイモのみの肉じゃが」といった風情で、甘辛い味付けが食欲をそそった。但しこちらも、よそう時にベタっとお玉にへばりつくのが、玉にキズ。
その他、マカロニグラタンやボルシチ(なぜか、ロシア料理が給食に出た…あ、ピロシキもか)、白菜スープや春雨サラダなんかが、記憶に刺さる。「塩もみ」は、きゅうりの輪切りを塩で揉んだもの(キャベツの塩もみもあったかな)。せんキャベツは、文字通りキャベツの千切り。後は、定番のゆで卵。
そういえば、よくメニューで出た「竜田揚げ」は細い肉をカラッと揚げたものだが(ちょっと固い)、肝心の材料が「クジラ」だったか「鶏肉」だったか、すっかり忘れてしまった(鶏肉だったかな)。
なお、上記の献立表は、アレコレ詰め込んでいるので、特に主食が「贅沢」な構成(今と比べると質素だが)になっている。実際には、ただのパン(コッペパン)の比率が、もっと高かった筈だ。デザート付きの日も、これ程多くはなかっただろう。ソフト麺も、確か月イチ程度でしか、お目にかかれなかったような…。
とまぁ、私個人の思い入れで色々書いたが、給食には、地域差・時代差が大いにあったので、「懐かしのメニュー」といっても、人それぞれの筈だ。皆さんの「思い出の給食」は、果たして…。