まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ブルーハワイ(三洋、デジパチ)

2014-06-04 17:46:44 | 現金機デジパチ

美麗液晶(メーカー初の液晶機)と保4連チャンでファンを魅了した新要件機「ブルーハワイ」
(1992年、三洋)

★賞球7&15
★大当り確率…1/227
★出玉…約2400個
★保4連チャンあり


当時の三洋といえば、「保留玉4個目」での連チャン機が幾つも出ていたが、その先駆け※が本機である(同時期登場の「ジパング」も保4連機)。当時地元だった「L店」が三洋の台を多く置いており、本機を打つ機会は多かった(ノーマル機「ハロウィン」の実戦もL店を思い出す)。

※「保4連」自体でいえば、「エキサイト123」(旧)や「スターマイン3」(新)など、本機以前はニューギンの機種に多く見られた。また、大一の「カクテルA」(新)にも電チュー絡みの保4連があった。あくまでも、「三洋保4連のハシリが本機」という意味である。

その後、「アメリカンドリーム(&2&V&7)」や「野球拳」、それに「赤富士」なども、仕込まれた保4連で人気を博した。また、小デジ確変機「ラスベガス」にも弱性の保4連があったりして、保4連チャンは三洋の「十八番」(おはこ)ともいえた。


本機は、初の液晶モニタ搭載機「麻雀物語」(平和)に対抗して登場した感もあるが、液晶の美しさに負けず劣らず、甲高い「デジタル音」が特徴だった。けたたましいリーチ音が耳に残る。

また、グラスの中で変動するデジタルにも、独特の味があった。特に、デジタル停止前やロングリーチ中に、デジタルが「シャッター開閉」のような動きをするのが面白かった。まるで、グラスの中のカクテルを飲み干すと、その中から図柄が現れるような動きである。

大当り図柄は「0~9」の数字と、熱帯魚、ハイビスカス、パイナップル、グラサン太陽、ヤシの木の計15種類。3や7などの「奇数」をラッキーナンバーにする店が多かったが、中には「魚」や「パイナップル」をあえて継続図柄とする店(渋谷の「日拓」など)もあった。

独特な円形のアタッカーは、先行機「ハロウィン」譲りで、大当り中の玉の拾いは良好。同時期、ニューギンの「エキサイトカムカムAW」(1991年)も、丸いアタッカーを採用していた。

デジタル停止順は左⇒中⇒右。リーチ時、右デジはリーチがかかった図柄からスタート。2周目に入るとリーチ音が変わり、右デジが「シャッター開閉」の動きに切り変わる。3周目(スーパー)まで行くと、サウンドはいっそう派手に変化して、期待をあおる。

スーパー発展時は、「大当りor前後1コマ」でしか停止しないので、最終停止する直前が非常にアツかった。大当りの多くがスーパーを経由するが、ノーマル(特に1周目)からでも大当りした。


大当り中は、ハワイアンな美女達が液晶に登場。図柄が揃った直後は「LUCKY」、ラウンド間は「やったね」(前半)と「アロハ」(後半)というメッセージで、打ち手を祝福する。大当り終了時の「美女3人のフラダンス」が楽しみだった人もいるだろう。


余談だが、昔見たパチンコ映画「ゴト師株式会社」の中で、「ゴト師~」のメンバーが電波を飛ばして、ホールの全台を大当りさせる過激な場面があった。確か、このシーンで登場したのがブルーハワイ(「ムーンライト2」も出て来た記憶アリ)だったハズだ。太った常連のオバサンが、「なんだい、こりゃ、(チャッカーに)入ってないのに回り始めたよ!」と驚いた後、定番のスーパーリーチで大当りすると「来たよ~、来た!」と大はしゃぎしていた。おぼろげな記憶では、ゴト師のメンバーが懐に発信機を隠し持ち、掌に仕込んだ小型スピーカーのようなもので電波を飛ばしたり、メンバー同士が足元で端子の接続を素早く行ったりしていた。






★ブルーハワイの連チャンシステム

(1)内部判定の流れ

・大当り判定⇒ハズレリーチ判定⇒完全ハズレ目(非リーチのハズレ目)決定の順で行う。

・大当り判定…カウンター移行範囲は「0~226」の227コマで、当選値は「221」。大当り確率は1/227

・大当り判定に外れると、ハズレリーチ判定に移行。
ハズレリーチ判定…カウンター移行範囲は「0~14」の15コマで、当選値は「7」。ハズレリーチ確率は1/15

・ハズレリーチの判定に外れると、完全ハズレ目の決定に移る。
ハズレ目は、チャッカー入賞時の「左中出目テーブル」と「右出目カウンター」の値で決定

・保留エリア(保0~保4の5つ)には、チャッカー入賞時の(1)抽選コード(判定結果)及び(2)出目コード(表示出目)を格納する。

(1)抽選コード…「大当り」=「10」(16進数で「A」)、「ハズレリーチ」=「5」、「完全ハズレ」=「0」を、各保留エリアに格納(大当り乱数「221」やハズレリーチ乱数「7」が、上記数値に変換されて格納される事に注意)。

(2)出目コード…チャッカー入賞時の「完全ハズレ目」(リーチ掛からず)を、保留エリアにいったん格納。その後、保留消化時に抽選コードの「再読み込み」を行い、抽選コードが「10」なら大当り出目を、「5」ならハズレリーチの出目を「上書き」する。抽選コードが「0」(完全ハズレ)の場合、最初に格納したハズレ目がそのまま生き残る。




上記の判定システムによれば、本機は確率1/227の「ノーマル機」となる筈だ。だが、実際には保4での連チャンが多発した。その「カラクリ」は、以下の通りである。

・大当り中のアタッカー開放後、Vゾーン入賞から約2秒以内に保4を点灯させた場合、プログラム処理量の急激増加による「スタックオーバーフロー」(スタックエラー)が発生する。なお、「2秒」というリミットは、Vセンサーに感知された玉が、その先の「10カウントセンサー」に到達するまでの「所要時間」を意味する(Vセンサーから10Cセンサーまでの距離が長め)。

このエラーが起こると、抽選コードの保4の位置に、大当りの「10」が強制的に書き込まれる。この怪しげな「書換処理」こそが、保4連チャンのカラクリであった。

ただし、場合によっては、保4にハズレリーチコードの「5」が書き込まれるケースもある(この場合は、保4でハズレリーチが発生)。エラー時に、大当りコードである「10」が保4に書き込まれる確率は、「約40%」程度である。

よって、「V入賞から約2秒」の間は、連チャン発生の「チャンスタイム」となる。このチャンスタイム内に保4を点灯させる必要がある為、大当り時に保4を空けておかねばならない(これは後継機「アメドリ」でも同じ⇒チャンスタイムは本機よりも長い。「野球拳」は、保4空けの必要なし)。

なお、アタッカーのVゾーンに玉がよく流れる台ほど、必然的に何度もチャンスタイムが訪れる。(もちろん、保4点灯の機会は一度きりだが…)。よって、アタッカー上部の釘調整も、連チャン率を左右する大切な要素となった。

一方、デジタルの回りが良い台は、基本的に有利なハズだが、同時に「ヘソに玉が流れやすい」台でもある。つまり、V入賞前に保4が点灯してしまう危険も高い(ストロークを変えて対処する方法はあったが…)。「回りすぎる台は連チャンしにくい」…というジレンマもあった訳だ。しかし、実際は甘い確率と強い連チャン性ゆえに釘のシブい店も多く、「回り過ぎて困る」といった記憶はほとんどない。


そういえば、単発打ちだと「1」のリーチが掛かり易い…みたいな説があったが、その後は立ち消えとなってしまった。実際のところ、リーチの偏りは存在したのだろうか。ハズレリーチ用の出目テーブルに、何らかの「偏り」があったとしても、特に不思議ではないが…。




(論点)
アタッカーに入賞した玉がVゾーンを通過しなかった場合(ハズレ入賞)も、その玉は、約2秒後に10カウントセンサーを通過する。「V入賞~10Cセンサー到達」をチャンスタイムとすると、ハズレ入賞した玉が10Cセンサーに到達する直前、別の玉がVを通過すると、「Vセンサー感知~10Cセンサー通過」のタイムラグが1秒以下となり、チャンスタイムが一気に短くなるのでは…という疑問が沸く。

実は、この点については諸説分かれており、「ハズレとVの入賞タイミング次第では、チャンスタイムが短くなる」とする「A説」と、「V入賞から2秒間は、いかなる場合もチャンスタイムとして確保される」とする「B説」がある。

まぁ、何れの説が正しいかは、大当り中の保4点灯タイミングを分けて検証すれば、おのずと判るはずだ。保4を空けて大当りさせて、アタッカーのハズレ穴に玉を入れてから、その1秒後に追加玉をV入賞させる。さらに、V入賞の1.5秒後に保4を点灯させる(⇒V入賞から2秒以内だが、最初の玉が10Cセンサーを通過した後)。この条件でも保4連チャンすれば、B説が正しい事になる。実機をお持ちの方は、一度検証しては如何だろうか。