1990年(平成2年)に、ニューギンから登場した旧要件デジパチ「エキサイトワープ」
FL管(Fluorescent Lamp)による、カラフルな蛍光デジタルが特徴。黒をバックに、白く縁どられたピンクと黒2色のデジタルが浮き上がり、当時としては美麗な画面だった。
デジタル回転中は、デジタル背後で「赤・青・黄・橙・緑」の派手なシマ模様が、デジタルを巻き込むようにクルクルと動く。大当り時や大当り中は、このストライプ模様が一層カラフルになり、ある種の毒々しささえ漂った。
4つの保留ランプも、FL管の画面内に表示される。サウンドも軽快。なお、「ワープ」といってもワープゾーンは非搭載。
★賞球:6&9&12 (ヘソ6個戻し、アタッカーとオマケは12個戻し)
★大当り確率:1/204.8 (甘め)
★デジタル停止順:左⇒右⇒中
★大当り図柄:ピンクの「0~9」と黒の奇数(1、3、5、7、9)の各3つ揃いで、計15通り
⇒リーチ時、中デジが色違いの同数字で止まると、少々悔しい。
★最高10ラウンド継続
★アタッカー開放時間:約19秒 (短め)
★平均出玉:1700~2500個 (基本的に少なめ。但しオマケの調整で変化)
★連チャン性…なし (高確率ゆえの数珠連チャンは有)
⇒「大当り終了直後チャッカーに1個入れると、その保留玉で連チャン」という噂も流れた(ガセ)
★設置店:JR巣鴨駅「巣鴨会館」(現存)、JR赤羽駅「キングドラゴン」(現存)ほか多数
★兄弟機:「エキサイトワープ2」
賞球違いの「エキサイトワープ2」
賞球は「7&10&13」。ヘソが7個戻し、アタッカーとオマケが13個戻しと「1」より多い。但し、アタッカー開放時間は18秒と短い。よって大当り時の出玉はいい勝負だが、通常時の玉持ちはヘソ7個戻しの「2」の方が上。大当り確率は1/204.8で同じ。当時は「2」もそこそこ出回っており、JR駒込駅「銀玉会館」や京成曳舟駅「パチンコたちばな」などに設置(いずれも閉店)。
★「エキサイトワープ」の大当り確率について
ネット資料を検索すると、本機の大当り確率を「1/225」とするものが多い。
確かに、各デジタルの図柄は15個づつ、大当りが15種類で、表面上の確率は1/225だ。
しかし、内部確率は違っており、表面上よりも甘い「1/204.8」となっていた。
・大当り抽選方式
「0~2047」(2048通り)の範囲を有する抽選用乱数のうち、「2038~2047」(10通り)の乱数を取ると、大当りと判定される。即ち、本機の大当り確率は10/2048=1/204.8となる。
ただし、本機の乱数はカウンターシステム(プラス1移行、マイナス1移行)ではなく、「Rレジスタ」によりランダムに生成される。さらに、乱数生成のリセット間隔が「0.012秒~0.025秒」と一定でなく、乱数の移行スピードもランダムである。よって、体感器で大当り乱数を狙い打つ攻略は不可。
なお、大当り判定を行うタイミングは、保留点灯時・非点灯時に拘らず、「左デジタルが停止する直前」である。また、保留格納エリアも存在しない。
★どちらが「エキサイトワープ2」?
先述したように、エキサイトワープには賞球違いの兄弟機「エキサイトワープ2」が存在する。
さらにいえば、「エキサイトワープ3」という機種も、「2」と同時期に検定を通過している。ただ、「3」が実際ホールに設置されていた情報はないので、今回は触れない。
さて、当時のニューギンは、「エキサイトワープ」及び「2」が登場した1990年末に、このような広告を出していた。
キャッチフレーズは「あまい夢をみてみたい」。確かに、この頃のパチ屋は楽しい機種が多く並んでいて、いつも夢見心地でハンドルを握っていた気がする。また、「あまい」は、スペックの「甘さ」も示唆していたのだろう。
ただ、この広告をよく見ると、賞球が多い上の方を「エキサイトワープ」、賞球抑えめな下の方を「エキサイトワープ2」と紹介している。
これは明らかな「誤り」で、機種名のキャプションを逆さに付けてしまったものと思われる。
今頃、こんな記載ミスを指摘したところで、何の意味もないが…。どうしても気になったので、ちょっと触れてみた。
★新要件版の後継機種(2機種)
「ジュピター2」1991年登場。大当り確率は1/204.8でワープと同じ。16R、出玉2300個。
「ビーナス」1991年登場。大当り確率1/240と低いが、保留連チャン有。16Rで出玉2300個。
※本機は、「スターマイン3」(1991年、連チャン機)のデジタル表示のベースとなったが、スターマイン3では、さらに美麗なデジタルへ「進化」を遂げている。
(美麗デジタル、ジッタリン・ジン「夏祭り」、そして保4連が特徴だった、「スターマイン3」)