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まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

アメどろ事件発覚!!(1992年)

2013-09-08 02:55:44 | アレパチ、電役、普通機

1990年(平成2年)に豊丸から登場した一般電役(旧要件)「アメリカンドリームP1&P2」

 


アメリカンドリームP1(賞球8&15)


アメリカンドリームP2(賞球7&13)

 

P1とP2の主な違いは、賞球数、盤面、ゲージ構成の三点である。詳しくは、コチラの記事を参照。
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/dc96e7ff73ca37b9139bd5147203d88d

 

一発台が次第に減りつつあった平成3年・春から徐々に設置を伸ばし、ワンチャンス4000発オーバーの「ポスト一発台」として、各地で人気を誇った名機である。

「P1」と「P2」の設置頻度に関しては、私のホームだった新宿・歌舞伎町でいえば、「P1」の方が多かったと記憶する。

コマ劇・中央通り(現・セントラルロード)の地下ホール「パチンコ747」に「P1」、コマ劇そばの「モナミ」1Fにも「P1」、喜多方ラーメン「坂内」(当時、新規オープン間もない頃)向いの「日拓2号店」2Fにも「P1」、そして角地の「日拓4号店」1階にも「P1」があった。一方、西武新宿駅前の「日拓本店」1Fと、高級風俗店「バルボラ」向いの「日拓3号店」1Fには、「P2」が入っていた。

P1とP2は、スペックこそ多少異なるが、肝となるゲーム性は共通である。天下の入賞口に飛び込んだ玉が、役物内のスロープを左右にジグザグと降りて行き、最下部の大当り穴まで到達するとV獲得となる。その後は右打ちに切り替えて、2回開きチューリップと電チューの連動で出玉を増やしていく。技術介入面では、大当り途中でダブルを狙う攻略法などがあった。

 


(アメリカンドリームの役物。マリリン・モンローをモチーフにした、バタ臭いイラストが特徴。役物に玉が入ると、タテ笛のようなサウンドで「チキチキバンバン」のメロディが流れた。大当り中BGMは、「天国と地獄」)

 

この役物が非常にクセモノで、なかなか一番下まで辿りつかずに、絶えずジリジリ&イライラされられた。

スロープの途中には「折り返し地点」が左右に計2か所あり、そこに「ハズレ穴」が待ち構えている。

一応、スロープの背後では、十字型の白い「プロペラ」(風車)が時計回りに動いており、周期的にハズレ穴を塞ぐ役割を果たしていた。だが、その回転周期が絶妙で、最初のハズレ穴をクリアした場合、ほぼ次のハズレ穴でアウトとなるタイミングで回っていたのだ。逆に、二つ目のハズレ穴を塞ぐタイミングでは、最初の穴でほぼ確実にアウトになってしまう。

その為、スロープを転がる玉が、両方のハズレ穴をクリアするのは、至難の業と言えた。ただ、役物内で玉が遊ぶとか、途中で玉が引っかかるとか、追加入賞した玉が玉突きするなどの「異変」が起きれば、玉の挙動が変わって、一番下のV穴に到達するチャンスとなる。もちろん、ヤクモノのクセも非常に重要だった。

 

さて、ここでようやく、記事タイトルにある「アメどろ事件」に触れる訳だが…(前置きが長い)。

「アメどろ事件」とは、シビアな役物をかいくぐって大当りさせようと編み出された、アメドリの攻略法…というか「ゴト行為」が発覚した事を指す。1992年・初夏に、主力攻略誌「M」などで取り上げられた(註:単なる読者情報の紹介であり、「M」誌が開発したネタではない)。

その内容は、いたってシンプルだ。、まず最初に、溶けた飴玉の汁やグリースなどを手に塗り、自分の手を「ベタベタ&ドロドロ」の状態にしておく。当然、その手でパチンコ玉を握れば、玉の方もベタつく。そして、粘り気の十分ついた玉を打ち出して、役物内にできるだけ多くの玉を入れる。すると、汚れた玉が次々と転がって、ヤクモノ内のスロープも次第にベタ付いてくる。

このように、役物内をベタベタにすることで、役物内を転がる玉のスピードは通常よりも遅くなる(不安定になる)。当然、玉の動きとプロペラのタイミングも変わってくるので、ハズレ穴をクリアするチャンスも、必然的に増える訳だ。場合によっては、玉がスロープの途中で止まることすらありうる。その場合は、プロペラのタイミングに合わせて台をドつき、ハズレ穴をかわす。

つまり、「アメどろ」とは、アメリカンドリームの略称「アメドリ」と、飴玉で役物をドロドロにする「飴ドロ」を掛け合わせたネーミングである。まぁ、いまさら説明する必要もないが…。

ただ、この方法を使うと、役物内部はもちろんの事、バネまでもが悪くなってしまい、玉の打ち出しが非常に不安定となる。そこで、仕込みを終えたら台をしばらく放置して、バネが乾燥して回復するのを待つ。その間、台を空けて他人に打たせるのも良いが(「M」誌は、そう説明していた)、その他人に「大当り」まで奪われては、元も子もない。

ともかくも、バネが正常に戻った後は普通に玉を打ち出して、ベタドロの役物に玉をぶち込めば、普段よりも遥かに大当りし易くなる。熱を持ったバネと違い、役物内部の汚れやベタ付きは、短時間で消えるものではない。

もちろん、これは明確な「ゴト行為」であったから、実際にホールで「アメどろ」をやった人間は、出入り禁止、事務所連行、或いはK察にしょっ引かれる可能性もあった事は、言うまでもない。私自身も、単なる「ネタ」としては知っていても、店で実行した事など一度もない。仮に、「やったことがある」という人がいても、それを「凄い」とは到底思えない(単なる「犯罪の披瀝」に過ぎない)。

あくまでも、20数年前のアメドリに「そういう方法もあった」という事を、資料的な意味で紹介したまでである。なお、このネタを取り上げた当時の「M誌」も、これは「犯罪」であり絶対マネしないようにと、ハッキリ読者に釘を刺していた事を、申し添えておく。