とある設計事務所のスタッフダイアリー

兵庫の輸入住宅建築設計事務所・セルビーハウジングのスタッフがふと感じたこと、つぶやきを日記にしてみました。

2×4工法 なぜ地震に強い その4  

2005-09-04 10:38:53 | 解説ツーバイフォー住宅
前回、耐力壁の説明をしましたが今回は、釘の重要性です。
前回説明したように合板の継ぎ目に下地が無いのはもっての外ですが、きちっと釘が打たれていてもそれが何センチピッチに打たれているか?長さは?釘の種類は?等、家の耐震性に大きく係わる問題です。
まず在来木造では、通常N釘といういわゆる“普通の鉄釘”か、もしくはステンレス釘が使用されています。
2×4の場合はCN釘といってN釘よりも太い釘が使用され、しかも釘が長さごとに色分けられているので打ちこまれた後から素人が見ても「この釘は緑だから5センチのものが使われているな。」と言うことが分かります。
N釘やステンレス釘は、そうは行きません。打ち込んでしまうとどんな釘を使ったのかプロでも分かりにくいので「どうせ分からんやろ~」と、簡単に打てる種類(細くて短い)の釘に替える大工さん(工務店)が後を絶たないようです。口に出して言わないとやり易いように施工していくモラルが低い人はいまだに意外と多く、特にローコストメーカー、建売り業者は、大工さんも当然のごとく安い単価で働いているので抜けるところは抜いて早く終わらせないと日当が出ないのでごく一部の人は、自然とそのような流れになっていくようです。

この釘の種類の違いによって耐力壁の強度も大きく違ってきます。
例えば、N-50釘(50とは、長さ5センチと言うこと)のせん断力は1本あたり、45kgf(引抜耐力:34kgf)、CN-50のせん断力は48kgf(引抜耐力36kgf)と一本あたり3kgfも違ってきます。“なんだ3kgfか” と思いますがこれは1本のみの力です。これが合板1枚分になるとすごい差になります。
ちなみに2×4工法では、CN-50の釘を10センチピッチに打ち込むことが決まっています。4方10センチピッチに打ち込むと70本の釘を打つことになりますがこれに3kgf/本を掛けると210kgf、さらに 家全体になると・・。
もうお分かりでしょう。
在来木造でN-50を使ってこの差ですがもっと施工し易いN-45(37kgf、28kgf)N-38(29kgf、20kgf)を使っているとどうでしょう。ステンレス釘の場合もせん断力?、まだ錆びない分ましですがステンの場合の方が短いものを使われ易いかもしれません?
“当社は、構造用合板を全面に張り巡らせた耐震性のある家を建てます!”と営業マンさんが言っても儲け主義ではなく本当に誠意を持って家づくりに取り組んでいる会社で職人レベルまできっちりしてないと一か八かの賭けですよねー。
今、耐力壁仕様で在来木造を建築中の方、間取りやデザインだけでなく釘も見てみましょう。

2×4工法で施工中の方は上記でも述べた様に釘に色わけされていて誰が施工しても同じで誰でも間違いを見つけられるので施工精度は変わりません。ご安心を!
それが品質だと思います。
長くなりましたが2×4工法 なぜ地震に強いは以上です。

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