明石さんは、新邦楽の「大和楽」から「たけくらべ」(昭和10年、西条八十作詞)です。もちろん、樋口一葉の「たけくらべ」に材をとり、吉原に住む14歳の少女美登利の微妙な心理をモチーフにしています。作中に登場する鼻緒の切れる場面も活かされていて、駒下駄が片方脱げるという所作になっています。大人と子供の両面を見せなければならない難しい曲を、よく表現していたと思います。
連歌と同様に、「執筆」の方が会記を記します。正解の人には朱筆で注付けがされ、全部当たると「叶」の文字が書かれます。「叶」の一番上席の方が会記を賞品として受け取れます。歌会の懐紙と同じですね。
総じて女子の方がきわめて優秀でありました。優勝者はうれしそうであります。
分からぬもんですよ~(汗)。目敏い人は香木の色で見分けていました(本当は邪道)。
試み香で出なかったものが本香で出たり(客香)するので、「出たもの」と違う香かどうかを判断しなければならない、焚かれ加減で香の具合もかなり違う、五感を試される高度な遊びです。
まずは試み香が回ってきます。ここでそれぞれの香を覚えて、本香で出てくる香を当てます。香炉を手で覆い、深く吸って香を確かめます。下座に向かって息を吐く姿勢が、香炉を耳に当てているように見えるので、「香を聞く」という異名があります。
香木の基本は「六国香」(伽羅=きゃら、羅国=らこく、真南蛮=まなばん、真那賀=まなが、佐曽羅=さそら、寸聞多羅=すもんだら)の六種類ですが、そのどれにあたるのかを嗅いで当てるのが「香会」で、さまざまな趣向があります。今回は、六国香を六歌仙にあてはめた「歌仙香」と、『古今集』の三鳥をモチーフにした「鳥寄香」が行われました。
おとといの授業「房総の文化」は金丸和子先生の講義。
私は能「百万」の詞章
「毘首羯磨が作りし、赤栴檀の尊容、
やがて神力を現じて、天竺震旦わが朝、
三国に渡り、ありがたくも、この寺に現じ給へり」
で清涼寺の釈迦像の伝説を知りました。八千代市の正覚院の釈迦像は清涼寺の像をモデルにしたものです。久しぶりにスライドで見て、美しさにため息をつきました。写真は本宮啓光さん作のジオラマ「正覚院」