中国浙江省杭州は、7月23日に起きた高速鉄道事故車両の始発地(事故は同省温州市)で、おそらく騒然としていたと思われますが、そのような中、7月28日から31日の間、同地で「東アジアの漢籍遺産ー奈良を中心としてー」国際シンポジウムが行われ、増尾先生が「日本古代における一切経の請来と書写」の題で発表されました。日本に請来された一切経は不完全であり、その峻別もなされなかったために、日本にはいわば清濁併せ呑む形で、多くの偽疑経が入り込み、中国の民間思想が流入するもととなったという指摘は大変刺激的であります。