宮内庁書陵部の前にはミツマタが植えられています。楮とともに和紙の原料となる(皮)木なので、図書寮文庫の前にあるのは大変似つかわしいのですが、現在では、書物よりはむしろ紙幣の材料として知られています。「ミツマタ」は、枝先が三つに分かれることからついた名ですが、古くは「サキクサ」といい、やはり「三つ」にかかる枕詞でした。春に先駆けて花が咲くのでその名があるともいわれます。まだ2月の末なので、花のつぼみもちらほらですが、間もなく盛りとなるでしょう。
劇評こぞって大絶賛の「籠釣瓶花街酔醒」、「宿へ帰るが、いやになったァ」よりはじめて、「籠釣瓶はァ切れるなァ」まで、一瞬たりとも目が離せませんでした。吉右衛門、菊之助、菊五郎、ご一家となったお三方が繰り広げる丁々発止の至芸、言葉に尽くせません。
木挽町広場には雛人形が。
和歌披講のため、披講卓にかける卓被を作成依頼中です。金襴の錦でつくります。
「卓被」で印象に残っているのは、かつて田母沢御用邸で拝見した謁見の間の卓被です。
こちらは新調されたもの(西陣織)
こちらが元のものです。鮮やかな錦ですね。
本学で「博物館経営論」の非常勤講師をお務めいただいております小池淳一先生が展示代表として企画された「万年筆の生活誌ー筆記の近代ー」展が3月8日から国立歴史民俗博物館ではじまります。みなさまぜひお出かけください。
歌舞伎十八番『毛抜』の八剣(やつるぎ)玄蕃といえば、先代萩なら仁木弾正といった役回りで、彦三郎丈や団蔵丈といった重鎮が演じるものですが、今回の新春浅草歌舞伎では、本学「伝統文化まつり」にお越しいただいた中村橋吾さんが大抜擢でお務めです。坂東巳之助丈のフレッシュな粂寺弾正を向こうに回して一歩も引かぬ堂々たる悪役ぶり、なんだかんだと憎まれ口をきくその口跡が実にお見事で、若手中心のお芝居にぴしりと一本筋が通りました。最後は弾正に斬られて首になってしまいますが、観客はやんやの大喝采、これも役作りの成果と申せましょう。終演後楽屋に伺い、いろいろお話を伺いました。高島屋さんと片岡市蔵さんに習われたそうですが、いくつかあるポイントを外さなければ自由にやってよいということで、いろいろ工夫なさっていることがよくわかりました。26日まで上演中ですので、足をお運びいただくと、きっとよいお芝居が見られると思いますよ。
写真は、いまさっき、方位磁石を抱えて天井から落ちてきた忍びの者をバッサリやったばかりのお腰の物、竹光でたいへん軽くつくられています。
本学のきもの授業の品ぞろえは、リサイクルきものの「福服」さんがベースとなっております。もう7~8年くらいになりますか、このたびご縁あって、社長の福田さん(右)にお目にかかることができました。創業からの現在までのご苦心やきものに懸ける情熱を承り、勉強させていただきました。