京都駅に集合した我らが装束隊士7名(白石・三田・関根・長谷川・三須・幸島・安田)は、八條先生と合流ののち、さっそく会場の今宮神社へ!途中、車軸を流すような驟雨に遭遇し、難儀をいたしました。
「今宮松風会館」には、おなじみ、黒田装束店の黒田幸也、知子ご夫妻にご足労をいただき、裳唐衣装束と束帯の着装実習をしていただきました。八條先生はお二人と初対面であらしゃいました(歴史的邂逅ですね)。
いつもながら、装束司としての矜持と責任の重大さを踏まえつつ、具体的にお話しくださる内容はまことに貴重で、ことにも、本年は伊勢遷宮の年にあたり、御神宝の製作や衣紋で度々ご奉仕されることにも言及され、斯道の奥深さを垣間見ることができました。
実習は裳唐衣装束から始まり、まずはお手本を拝見します。至近距離で、で目学びさせていただけることが、何よりの勉強になります。「装束にのめりこんでいただきたい」というお言葉、まさに金言かと存じます。
続いて学生による実習です。装束の持ち方から、衣紋結びのコツまで、丁寧に教えていただきます。普段着付けに慣れてはいるものの、さらにステップアップするためには、目で見て、やってみて、直していただく、ということのほかありません。若い人たちはそうやって貪欲に吸収し、身につけてほしいと思っています。
袖を折りあげて次の袖に落とし入れるやり方、衣紋紐を、衣紋ひだをとりながらあてがうやり方、理にかなった方法は、見ていて美しいものがあります。
続いて、束帯の着装です。本日は夏用の黒袍を用います。日頃、いかに着付けるかでかなり苦労をしている束帯ですが、今日は特に、石帯の紐の仮結び、本結び(ならびにかいこみ)、袖の作り方が目を惹きました。
また、太刀の装着のコツも教えていただきました(八條先生御撮影)
(八條先生FBより)
これは束帯装束の、太刀の付け方。「鴎尻(かもめじり)」(鞘を後ろだかにすること)の角度調整に「七つ金」で調整する方法。
こういうことは、なかなか知る機会がない貴重な勉強です。
黒田先生、本当にありがとうございました!
最後に、学生たちのために「捻り仕立」の実演を見せていただきました。餅状にした米糊で、精好の布の端をこよりのように巻いていくのですが、簡単そうに見えて、実に高度な技術であることが見て取れました。
こちらが仕上がり品です。
黒田様、長時間にわたりどうもありがとうございました。