麗しの青林檎 -Marine & Silk-

AN OLD & A NEW MAC A NEW LEGEND ~だって俺、MACだもん~

打倒 Mac mini

2005年05月10日 | 雑記
 我が愛機「Marine」こと「Power Mac G3 B&W(通称Yosemite)」。この娘を現在の市販パーツでばりぶりにチューンした場合どうなるのか。miniが発売されてしまった今、miniより旧マシンを選ぶメリットはどのくらいあるのか? 果たしてうちの娘はminiにどの程度肉薄できるのか?

 あらためて書き起こすまでもなく既に私の中にはある程度整然と一覧表が作成されているのであるが、「Macを買ってWindowsから別の世界に踏み込んでみたい人」の背中を押すべく、旧マシンと比較する事でもう一度miniのコストパフォーマンスを検証したり、旧マシンのメリットを検証してみたいと思う。

 Power Macは「腐ってもPower Mac」。長く使えるように設計されているため拡張性は最高。で、そのPower Mac G3を目一杯チューンすると、スペックは以下のようになる。

 CPU  …G4/1Ghz(G3/1.1Ghz等の選択肢もある)
 メモリ  …最大1G(PC100や133)
 グラフィックボード…Radeon9200(ただしAGPではなくPCI)
 HDD  …SATAやATA133カードを使って増設し放題


 一方miniの方はというと。

 CPU  … G4/1.25Ghzまたは 1.42Ghz
 メモリ  …最大1G(DDR333 SDRAM)
 グラフィックボード…Radeon9200
 HDD  …ATA133(かな?) 基本的に増設は外付け


 非常に大雑把に言えばこんな感じ(光学ドライブはとりあえず無視で)。これだけ見ると「お、Power Mac G3でもほとんどminiと変わらないじゃん」くらいにはパワーアップできるような気になる。しかし、実際SONNET社のG4/1Ghzカードを使用するとなるとシステムバスクロックを100Mhzから66Mhzに落とさなくてはならなかったり(そもそも数値の上では初めから0.25/0.42の差があるし)、RadeonはPCIスロットに挿さねばならず、メモリは規格が古かったり、FirewireやUSBが(出始めのモノなので)ほとんど使い物にならない、等々細かく見て行けば「どんなに頑張ってもminiには一歩二歩及ばない」ということがわかる。

 更にコストパフォーマンスを考えた場合、こりゃもう明らかにminiの圧勝である。「Power Mac本体とOS、HDDとATAカード増設」にかかる金額は先日まとめたところ4~5万。更にこれに加えてSONNET G4/1Ghzが、安く見積もって約4万(真っ当に買えばほぼ5万)。ATI Radeon9200 Mac Edition が約2万。更にメモリや光学ドライブも買うとなると…

 いや、その、miniどころかiMac G5買えちゃうんですけど…。う~ん、書いてて悲しくなってきたぞ。い、いや、これは私がPower Mac側に立って考えるからで、mini購入を検討している人にとっては「え~、miniってそんなに安いのぉ~?」と思って頂けるに違いない。そう、miniはほんとにシャレにならん位安いんである。キーボートとモニターとマウスが無いという条件は、はっきり言って中古で買うPower Macも同じと言っていい(純正キーボードはなかなかいい感じだけどマウスは…ということで結局マウスは新調するハメになると思う)し、しかもminiにはOSとiLifeが付いてくる! BTOでメモリを1Gにするとしても、Power Mac G3をフルチューンするより圧倒的に安い。安すぎる。しかも安いだけでなく「総スペック的にはPower Macを多少上回る」のである。

 では、miniには隙が全く無いのか? 何をどうやってもPower Macが太刀打ちできる部分は無いのか? いやいやそんなことはない。微妙に微妙だけど、わずかに「おらおら~、これはminiにはちょっとできんだろ、へへん」な面はあるのだ。腐ってもこちらは天下のPower Mac様なのだ。

 まず、先ほどちらっと触れたが、拡張性の鬼Power MacにはPCIスロットの空きが標準で三つある。ここにSATAカードやATA133カードを挿せば、大容量HDDを標準で3台まで増設できる。亀の子にしたり光学ドライブの上に押し込むという荒技を使えばなんとびっくり7~8台までは多分増設可能だ(もちろん電源の強化が要るとは思うが…)。大容量ファイルのファイルサーバーとしてMacを使いたいなら「HDDが増設しまくれる」のはメリットと言えるだろう(8台は無茶すぎだが3台内蔵可能なだけでも充分頼もしい)。miniはその小ささがウリだが、Power Macの「でかいゆえに中にモノが突っ込める」というのもまた利点なのだ。

 更に「現行機種」であるminiには無い、「旧型機種」ゆえの利点。何といっても「OS9のインストール及び単独起動可能」。これはminiが逆立ちしても無理。ふはははは、ざまぁみろ。しかもうちの娘にはOS8.5.1やOS8.6だって乗せられるのだ。むはははは。

 …いや、私のようなWindowsスイッチャーにはそんなメリットあまり魅力的では無いんだけど。

 ま、まて! うちの娘には更にADBコネクタが付いているんだぞっ! ADB機器が接続できちゃうんだぞ! これはPower MacでもG4以降の機種には無いものだっ! オールドキーボードのタッチが大好きな人にはたまらないものなのだっ!

 …いや、私はふかふかしたキータッチが好みだからこれもあまり意味が…。

 さ、さらに機種によってはZIPドライブ搭載モデルや、さらにMOドライブだって…って今更そんなもん使う人がいるのか?って感じだし(涙)。結局のところ「古さ」ゆえの利点もせいぜい「OS9」くらいしか誇れるものが無い。

 結論。あえてminiではなく中古MacでMacの世界に足を踏み入れることがオススメな人とは

 ・Macを弄ってみたいけど初期投資額は安ければ安いほどいいという人
 ・とにかく大容量のHDDを簡単に増設できるマシンがいい人
 ・メールとネットサーフィンくらいしかしない人
 (くどいようだがこれなら4万で充分
 ・古いOSや周辺機器も使ってみたい人
 ・筐体内部のパーツを見たり弄ったりするのが病的に好きな人
 ・ゆえに、内部アクセスが面倒なminiが嫌いという人
 ・税金対策等、なるべくお金を使いたがっている人
 ・どうみてもminiより古いPower Macの方が可愛く見える人(私)


 こんなところだろうか。もしPCI用のATI Radeon9600なんてのが発売されれば現行のminiを買った人に比べてちょびっと優位に立てる気がするが、可能性は薄いし、そもそも大枚はたいてそいつを買ったところでDashbordの波紋エフェクトが見られてわーい、くらいしかメリットが無さそうな気がする。逆にminiには今後新機種で9600等Tiger対応グラボが標準で乗る可能性が大いにあるわけで、ことによると更に値下がりする可能性や、あるいはG5化する可能性もあるのだ。

 ということでまとめ。上記の条件に当てはまらない人で、なるべく安くMac購入を考えている(しかも長く快適に使いたいなんていう)人は素直にminiかeMacを買うべしです(もちょっと頑張ってiMacG5買えば更なる幸せライフが待ってるはずですが)。

 話が少し飛ぶが、私はエレキギターをスペックそのまんまで使うことを好む。Macのパーツ増設や模型製作を嗜好する私であればギターのカスタマイズも嬉々としてやりたがりそうだがさにあらず。ギターというのは、メーカーが木材とピックアップのマッチングだのなんだのを完全に最適化してくれた状態で出荷されていると思うからだ。安いギターならいざしらず、高い木材を使ったハンドメイドに近いギターであれば、いたずらにピックアップを取り替えても木材とのバランスが乱れ、音の「抜け」が悪くなったりすることがあるはずだ。もちろん塗装を剥がして色を塗り替えるなんてもってのほか、シール一枚貼るのもNG、シングルコイルのギターにハムバッキングを取り付けるため穴をごりごり開けちゃうなんて言語道断で、音が木材を振動する経路が変わる事で音も変化するはずだ。もともとエレキギターは非常にシビアな楽器なので、何か一つ違っても音が微妙に変わってしまう。それゆえペグ一つ交換するだけで躊躇してしまふ、というのが私のギターにおける考え方であり、使い方だ(でも全然弾かなくてホコリかぶりまくりでも全く気にしないのはなぜ?)。

 ギターと同じようにPCやMacも、というより全ての家電は、いたずらに素人が内部を弄くり回していいものではないはずだ。メーカーが最適に作ってくれたものを、なるべく弄らずにそのまま使う。調子が悪くなったらメーカーサポートに診てもらい、スペックが物足りなくなってきたら素直に新製品に買い替える。これがおそらく最善の道であり、PCライフ、Macライフを最も満喫できる方法に違いないと思う。

 

 とは思う…のだが、ちょこまかとパーツを買い足し、にやにやしながらスロットにカードを挿しこんで「わーいベンチがちょっとあがった~」という行為が止められないのはやはり幼い頃ラジコン小僧だったせいだろうか…せいなんだろうな。

(5/15 ちょこっとだけ加筆)

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