麗しの青林檎 -Marine & Silk-

AN OLD & A NEW MAC A NEW LEGEND ~だって俺、MACだもん~

実は恵まれている? Macユーザー

2005年05月09日 | 雑記
 私が本格的にMac(MacOS X)を使うようになってそろそろ4ヶ月が経つのだが(買ったのは10月だったんだけど。考えたらMac miniでWinからスイッチした人と私のMac歴はほとんど変わらないんだよな)、Macを使うようになって今までとちょっと感じ方が変わった事がある。

 Macユーザーがネット上の様々なサービスや周辺機器の対応等でWindowsユーザーに比べて不遇な扱いを受けている事が多いのはご承知の通り(苦笑)で、「これMacには非対応じゃないかー(ぷんぷん)」「ちきしょう、Macが少数派だからってんで切り捨てやがって」「世の中にはWindows以外のPCがあるんじゃぼけー」等々、色んな場面でMacユーザーが怨嗟の声を上げていたり嘆いていたりするのを目にする。

 そういうことに対して「Windowsを使っていた頃は気がつかなかった」という人は多い気がするが、私の場合はちょっと違う。私がWindowsを使っていた頃は、「え~Macだとこれができないんだー」「そうか、Macだとこれができないんだな(めもめも)」「なにー、Macだと出来ないなんてふざけんなー」と、そういう物を見たりそういう状況を体験したりするにつけ、いちいち自分がMacユーザーであるかのような感情や態度を示していた(自分はWinだから出来るのに、である)。これはおそらく私に「今はWinを使っているが、将来絶対Macユーザーになってやるのだ」という心構えがあったせいで必要以上にその手のことに敏感だったんじゃないかと推察するが、それだけでなくもっと単純に「少数派が少数派というだけで不当な扱いを受けている」ことに対する憤りが大きかったようにも思う。

 さて、そこで晴れてMacユーザーになってみると、以外とこういう状況に出会っても驚いたり悔しかったり嘆いたり憤ったりしないもんだなと気がついた。「Macユーザーは例外扱いされるもの」という認識が既に自分の中で確立されているから今更驚かない、ということはもちろんある。しかし、それ以上に「いやぁMacユーザーって恵まれてるよな」と思うようになったからだ。

 世の中のクライアントPCの9割近くはWindowsである(9割という数字は正確ではないかもしれないがおそらくそのくらいはあるでしょう、きっと、たぶん)。しかるに、世間一般にクライアントPCと言えば「WindowsとMac」なのである。一割にも満たないパーセンテージのコンピュータが世間に広く認知されている、という点がまず一つ。更に、そのMacというのは「Appleただ一社が作っているコンピュータ」なのである。どこかネット上だか雑誌だかでこの「MacはAppleだけが出している」という字句を読んだ時にはまさに目から鱗が落ちた思いがした。

 NEC製のPCだけが、あるいは東芝製のPCだけが特別視されるなんてことがありうるだろうか? もちろんMac以外のPCに乗っているOSの大半はWindowsであるから、その時点で他社メーカーは全て「十把一絡げ」となってしまい特別扱いされることは無くなってしまうわけだが、では仮にNECや東芝が独自にOSを開発して自社製品に搭載したとしたら、世間はMac並みの優遇を与えてくれるだろうか?

 私がWindowsを使っている時には「世の中にはWindowsとMac、二種類のコンピュータが存在する」という認識しかなかった。しかしMacを使うようになってから、Linux等WindowsでもMacでもない別のOSについて特に強く意識するようになった。世の中にはWindowsでもMacでもないPCがある。にもかかわらず、アプリケーションメーカーや周辺機器メーカーの対応状況で「Linuxに対応しています/いません」等と表記されているものがどれだけあるか。プリンタドライバなど皆無に等しいという気がする。でも、でもね、これが普通だと思う。たった1割の「Windows以外のPC(OS)」に対応してあげなきゃいけない道理なんてメーカーにはなく、そんな「変」なPC(OS)なんて使う方がどうかしている、素直にWindows使っとけ、という主張は多分正しい。Windows以外のPCでも使えるようにしたり、動作確認したり、そんなこと「たった一割のPC」のためにいちいちやってなんかいられないだろうと思う。

 にもかかわらず、普通対応状況等が書かれている部分には必ず「Macでは使えません」等と書いてある(使えないことが多いからこう書くが:笑)。そう、世間では「Macは蚊帳の外」では無いのだ。たとえ使えない場合でも「Macではどうこう」と書いてある。「WindowsとMac、世間には二つのコンピュータがある」ということ、「MacユーザーはMacを無視すると怒るから一応書いとかんと(爆)」という認識が浸透している。Linuxや、いやLinuxならまだしも更に別のOSなんざ「書いてないのが当たり前」である。そして、シェアから考えれば当然Macだって本来「書いてないのが、対応してないのが当たり前」ではないのか?

 なぜMacだけこんなに特別待遇してくれるのかと言えば、Macというコンピュータの先進性(ゆえに他のOSに一目置かれた存在である)だとか、Appleコンピュータの歴史の長さ(ゆえの慣習から)だとか、素人でも使えるように作られたコンピュータが、そもそもWinとMac以外今まではなかったからだとか(←みぃにゃ様のコメントより追記)、単にMacユーザーがうるさいからとか(笑)、色々理由はあると思う。しかし、「Windows以外のPC」というくくりで考えるとMacというコンピュータ(及びユーザー)はほんっとうに恵まれている。別に卑屈になる必要はないが、「てやんでぇばーろーどうして対応してないんじゃぼけー」と、まるで「Windowsと同様にMacが対応していることが当たり前」であるかのように考えているMacユーザーは多いと思う。しかし「対応してなくて当然なのに対応してくれていてどうもありがとう」という気持ちでいると、腹も立たないし、なんとなくメーカーに感謝さえしたくなるし、何より「Macってのはやっぱ凄いんだな」と気づかされる。たった一社が作っているコンピュータ、その中に搭載されているシェア0.3%(くらいだっけ?)のOSに対し、この「世間はMacをそれほどないがしろにしてないぞ度」は異常と言えるほど高いんじゃないだろうか。そう考えると、そんなMacを使っている事に更なる誇りを感じることが出来るのである。



<補足>
 一応断っておくが、私は現在の「Winにしか対応しない」という現状に「賛同」はしない。ただ、Winのシェアを考えると「現状ではそれも仕方ない、残念ながらそれが当たり前」というに過ぎない。「対応していないのが当たり前」と諦めずに「対応せんかいこら~」と常に要望を訴える続けることがMacユーザーに更なる利益をもたらすことは言うまでもなく、要望を訴えることを否定しているわけでは決して無い。

 今、Macは元気だ。そして今後Linux陣営が伸びてくればWin帝国の(衰退や崩壊は残念ながら無いと思うが)縮小は近い将来必ず起こると思っている(だってLonghornって売れそうにないんだもん…)。しかしそれでもMacのシェアは伸びてせいぜい3割だろうと思うし、「決してシェアNO1にはならない」のがまたMacらしいと思う(iPodはぶっちぎりですけど~)。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
PCはPersonal computerの略 (みぃにゃ)
2005-05-09 08:28:14
だからだと思うよ。

世間じゃPC=窓機って認識で、MacはあくまでもMacなんだって話になっちゃうけどね。

(そう、某微妙に柔らかい会社が一応の主催となってるQ&Aサイトに出入りしていた頃、痛切に感じたがね)



今でこそ、個人ユーザーもLinuxやらUnixやらいろんなOSを使っている人が増えてきているし、Mac自体も根底にFreeBDS系のOSが走っていてUnix風に使うこともできるOSになったけれど、それまで、そう、少なくともあたしがMacを使うようになった頃、Macと窓以外のOSは、コンピューターの専門家のものって認識だった。



専門家御用達のハードは、いちいち「○○というOS対応しています」とは書かれない、その代わり「これはこういう規格の部品をつかってあり、スペックはこうだ」とまるで宇宙語みたいな記述が書かれている。専門家はそれでわかるのが当たり前だからだ。

この宇宙語みたいなわけのわからない記述の意味がわかれば別にMac用と書かれていなくてもMacに使えるものはたくさんある。

Mac用と書かれているものはたいてい高いから、ネットでがんがん調べまくって、必死でその宇宙語を解読して安いやつ買ったり、もっと知識のある人は自分で改造したりドライバ書いちゃったりするんだよな。

こうなると、ちょっとばかりコンピューターの専門家の領域に足を踏み入れちゃってる訳で、窓とMacの功績は、そういった専門知識のない人でもコンピューターを使えるようにしたということだろう。

窓もMacもOSを意識しないでもコンピューターに仕事をさせることができる。それを目指して作られているOSだということが、今のショップで「これは窓に使えます」「これはMacに使えます」という表示になっているのだと思う。



それが本当にいいことなのかは、あたしにはわからないがね。
返信する
そこなんですよね… (SeireiK)
2005-05-10 01:06:33
 みーさん、どもども。



 まさにおっしゃるとおりで、「Macと窓以外のものを使っている人は既に結構知識がある人で、いちいち対応なんて言わなくても宇宙語(笑)でわかる」というところがキモなんだと思います。PCの超ド初心者の中には自分が使っているOSを意識すらしない(聞かれても分からない)人もいるわけですが、「Macには対応していません」という記述をあちこちで見る事で「ほぉ、Macなんてものがあるんだな(しかしほとんど対応してなくて可愛そうだなオイ)」と、Macの存在やOSってものの存在を段々と知る事になっていくと思うんですね。ところが、MacやWin以外のことについては「言わんでも分かるから」「やつらはいっぱしの専門家だから」ということで切り捨ててしまうような現状が続いちゃうと、いつまでたっても世の中のコンピュータは「MacかWinか」の二極になってしまいます。



 Linuxの中でも、思いっきりクライアント向けに作られた(というか老人子供向けとしか私には思えない)ターボリナックスホームとか、「専門知識が無い人でも使える、Win/Mac以外のPC」というのが最近よーやく広まる兆しを見せている(気がする)わけですが、Win以外のPCがどかんと爆発する気配がなかなか感じられないのはそーいうところにも原因があるんじゃないかと。老人子供初心者向けPCだと薦められて買ってみたら「あんたたちは専門家だから説明無しね」なんて対応を受ける事になってしまった…なんて悲劇もいいところです。



 「MacやWinのおかげで専門知識の無い人でもコンピュータが扱えるようになった」ことや「(だから)WinとMac以外の対応が書かれることが(すく)ない」ということが「いいことかどうか」は私も置いておきますが、WinとMac以外にも「専門知識が無い人向け」のPCが出てきているという現在の動静においてなお「Win一党独裁体制」がいつまでたっても崩れそうにないのが(いい悪いではなく単純に)寂しいんですよね。Winが嫌いだからとかいう以前に、一般ユーザーに対する選択肢がせめて3つくらいはあって、お互いにしのぎを削るようにならないとコンピュータ界の発展はなかなか望めないんじゃ…なんて堅苦しい話はさておき(さておくなっ)、私は単純に「WinとMac、そしてその他の第三勢力」によるPC三国時代を早く見たいんですよ~(笑)。
返信する
Unknown (みっきー)
2005-05-14 20:12:46
昔、アップルのCMでThink Differentってのがありましたが、

そのナレーションに以下のような言葉があります。



「クレージーな人たちがいる。

 反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。

 (中略)

 反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。

 しかし、彼らを無視することは、誰にも出来ない。」



と。まさにAppleって無視することができない存在って

ことですよね。

Appleという会社とその製品には、実際の物理的価値よりも

遥かに影響度の高い価値を内在してるってのが魅力なんだと

おもいます。
返信する
Unknown (SeireiK)
2005-05-14 23:43:35
 みっきーさんコメントありがとうございます。

 「Think Different」はApple-Styleさん(のトップページ右)にあるリンクよりこの前たまたま拝見したばかりです(笑)。

 

 「実際の物理的価値よりも」というところがポイントなんですよね。USBやFirewireの普及も、iMacやうちの娘(苦笑)にAppleが積極的に導入していった結果の産物だと思っていますが、当時実用面では明らかにSCSIやADBの方が歩があり、その思い切り方に注目度は高かったと聞きます。まさに「無視できない」行動だったんでしょうね。



 「いち早く先の時代を捉えていち早く対応していく。古いものは思い切って切り捨てて行く」というのが、ジョブズが未来を見通しているような気にさせられてしまうところなんですよね(USB1.1にこだわって2.0の時代を見誤ったなんて話も聞きますが…)。

返信する

コメントを投稿