静岡にて（２２）

このままどこまで続くのか、静岡奮闘記？
「こち亀」のように１００を超えるのか、それとも超えないのか。
ひとつの楽しみでもある。

この日は１９時過ぎに行った。
行った店はもちろん静岡Ｈ店。写真を撮れないのが残念だ。
早く行った方が少し安い。
指名こそはないが、Ｎ嬢をリクエストする。
私の持ってきた在日フィリピン人向け雑誌「ＰＡＲＡＩＳＯ」をあげた。

ワンセットのショータイムが５０分くらいのため、実際、まともに話せる時間は１０分くらいしかない。
ショータイムの間は、ダンスにしろ歌にしろ、音響が大きすぎて話せない。
その間は、日本語の教科書（すべて英語で説明してある）を見ていてもらうことにしている。

この店に来る前に、静岡パルコ（元西部デパート）の８階にある雑貨屋「Ｌｏｆｔ」に足を伸ばして、パイロットのフリクションボールというペンを買っておいて正解だった。
水性ではあるが、軸後部のラバーで消せるのだ。
それと、レポート用紙。
これらは、あるととても重宝する。
メモ帳やノートでは試写した後で必ず破いて持って行くため、紙の端がいびつな形になってしまったりするものだ。

彼女たちは日本語の試験があるようで、日本語に対する勉強意欲は強い。
もっとも試験があるからだけでなく、日本に来る時点で意識が高い。
日本語もかなり国際化が進んでいて、フィリピンだけでなく他の国でも日本語を勉強したいという人は少なくない。

案の定、彼女たちは本の内容を写し始める。
そして、分からないところは私に聞いてくるので教えている。
彼女たちは黒ペンで、私は赤ペンでがんばっている。
とりあえず、韻（いん）から入るように教えてはいるが、まずひらがなとカタカナを読めるようになるのが大前提ではないだろうかと思っている。
写すときは必ずアルファベットを使っているからだ。
外国人にとっては難しいであろう、ひらがな、カタカナは・・・。
どう見たって変な記号のようにしか見えないだろう。
そしてこれらの仮名を覚えたとしても、使い方を間違えてしまう。

「カード　わ　つかえません」のように。

この説明はかなり難しい。

そんな思いの中、３時間ほどお茶割りで酔っぱらっていた私に約２年ぶりのＡ嬢が目の前に現れた。
一瞬、誰だか分からなかった。

これは感激！

この日にセントレアに着いたらしいが、かなり忙しかったであろう。
迷彩服のようなファッションでの登場だった。
もちろん感激したのも、私だけでなく他の客やタレントも大喜びであった。
彼女がショータイム後のソロで踊ったとき、店内の空気が沸くのが分かった。
うん、ダンスは衰えていないようだ。
ただ、彼女の持病が心配だ。

遅い時間になって、客の足は衰えることを知らない。
私が店の中で飲んでいるときに、どれほどの人が満席で帰れなかったことであろうか。入店できなかった方、申し訳ない。
今宵は無理をしてでも長くいてよかったと思う。
これからもこの店は人気が増していくだろう。

結局はラストソングが流れるまでいた。
フィリピン好きの私でも長いと思ったくらい長かった。
ラストソングが流れる前に、別の娘に変わってしまうものだから
その娘が私の日本語の教科書に夢中になってしまって食いつく。
困ったな・・・こんなに酔っぱらってしまった状態では教える気力すらない。
しかも終電の時間が迫ってきていた。

「sorry・・・finish!」
「I can't go home if you study more」
「Oh sorry・・・」
「i'm going to come back here next weekend.」

と言い残して店を出た。

確か下りのムーンライトながらは静岡駅０２：２８発だったはずだと思い
駅へ歩いていけば・・・
ダイヤ改正したようだった。
下りのムーンライトながらは０２：１０発ですでに発車した後だったのだ。
迂闊だった・・・。

私は夜を明かすしか方法がなかった。
在来線は５時が始発。
ネットカフェというものができて本当によかったと思う。
２時間くらいの時間つぶしなんて苦ではない。
到着駅を降り、バスを待っている間、猛烈な吐き気におそわれた。
ターミナルでトイレがあって良かった。

帰宅後、シャワーを浴びて睡眠。
７時３０分頃だったと思う。
昼に起きる。
なんだか、時間というか、日がつながっているような感覚だ。
普段は夜に寝るから起きたときは朝になっていて、そこから一日が始まるというのに、一日の区切りがないというような感じだ。

台風４号も１５時３０分頃に鹿児島県枕崎市に上陸し、北東に時速３０キロで進んでいるという。
静岡は明日あたりが峠になるだろう。