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40代ブロガーの日常+アルファです。アクセス数よりも長寿を目指していきます。

コロナ渦の中で

2021-04-25 18:44:07 | TAXI日記帳
また、誕生日を迎え44歳になりました。なんだかあっという間に年を取ります。
私はタクシー会社に勤務していましたが、不眠症が発症したためここ1年間は休職し、手当て暮らしでした。
しかし、40歳を過ぎると体力や筋力が想像以上のスピードで衰えはじめそれに抗えない自分がここにいるのです。全身が痛いときもありますし、立ち上がりが困難な時もあります。
頭もイメージやビジュアルはすぐに浮かぶのですが名前が出てこないことが多くなりました。こうやって徐々に老化していくのでしょうね、なんだか悲しいです。
1年間の休職の末、不眠は治らなかったので退職し別の仕事を見つけましたが、今でも睡眠薬は飲まないと眠れません。不眠の原因は不祥です。
ただ、いくつかの心当たりがあります。

1,運転職で長時間勤務ということ。
運転というのは結構疲れるのは皆さんご存じの通り。しかし、タクシーにも休憩時間はあります。(2時間)
しかも、どのタイミングでも取っても、分割してとってもよいという融通の利く休憩時間なのですが
当然のごとく、お客様によって行先が様々で戻る時間も考えると休憩時間=待機時間とほぼなってしまうことがほとんどです。
行先によってはご飯を食べるタイミングを逃したりすることもあります。
拘束時間も12~16時間と長く、一般の仕事の約2倍の長さの労働時間になります。仕方のないことですが月に15~16日の
勤務日数なので週40時間を消化するとなると朝から深夜の勤務も珍しくないのです。時には夜勤もあります。
そんな予想以上に不規則な勤務が睡眠のリズムを狂わせた可能性はあります。

2,私生活まで「禁酒」が及ぶこと。
昔は飲酒運転なんて・・・という時代でしたが、今は飲酒運転は犯罪の時代です。仕事もクビになる場合がある時代です。
よって、タクシー会社をはじめ運転職種の会社は必ず乗務前と乗務後にアルコールチェックを行います。そう、翌日までに
アルコールを絶対に残してはいけないのです。そのため忘年会なども昼から行われ、翌日に影響の出ることがないように行われます。
現在の法律では酒気帯び運転が呼気0.15㎎までですが、勤務となればたとえ0.01㎎でも不可となります。そうなってしまった場合は
タクシーを出庫できなくなるので自分の売り上げに大きく影響します。もちろん給料にも影響してきます。
職員は節度を持ってお酒を飲むときは飲む!のですがシフトが不規則なので夜勤明けに飲むなんてパターンも少なくありません。
しかし、こういったパターンは体への負担をさらに大きくさせるので途中で嘔吐・・・なんてことも少なくありません。

3,月間ノルマが常に付きまとうこと
会社の最低限の必要経費はタクシー会社の場合、足切りといいます。それはドライバーに重く乗りかかってきます。会社によっても違いますが月間約50万円くらいだと思います。
タクシー会社の収入源は主にタクシーのメーター額です。
そのメーター額だけでタイヤなどの消耗品、ガス、事故を起こした時の修理費、保険、車検、点検費、新車購入費用、会社の運営費、人件費、福利厚生などなどをやりくりせねばならず、地域で異なりますが初乗り600円から始める
商売なのです。加算額は約220メートルで90円と車の維持費を考えると安いように思えますが、目的地に着くときは意外にメーターが上がってしまうなんてこともあり値下げの声も少なくないのですが
タクシーというのは元々、贅沢品であって割引などは無いものなのです。それでも関西では大手タクシー会社が1万円以上は半額にするとか、首都圏では初乗り運賃を下げるなどの努力をしています。
この条件で足切り額を達成するには1回の勤務で約3万円稼がないと達成ができないのが現実です。
一般的に週初め(月曜日)は需要が低く、週末や連休前、年金支給日、雨天(ゲリラ豪雨)などに需要が高まります。
勤務時間内に3万円稼いだ後はだいたいヘトヘトになっていますが、さらに洗車、シーツ交換、売上額の集計(日報)という業務が待っています。
お客様の中には「メーターの金額は運転手の懐に入る」と思っている人がいますが、全く違います。むしろその逆で、メーターの金額は全て会社に納めなければなりません。有料道路などの請求を忘れると運転手の自腹となります。
ですから運転手の懐に入る額は基本的にありません。お客様を快適、安全に運びチップを貰った額を集めてご飯を食べたり、コーヒーを買ったりしているのです。ただし、個人タクシーの場合はすべて運転手のものになりますが、
そのお金で消耗品、ガス、保険、点検、車検、生活費などを捻出しなければなりません。

4,事故が大きなリスクとなること
事故も様々ありますが、人身事故をやってしまうと免停になってしまうため、ドライバー生命は一瞬にして絶たれます。退職しか生き延びていく方法がないのです。もっとも事故を起こしたくて起こしている人はいないと思いますが
自損事故でもれっきとした事故になります。保険には加入していますがやはりペナルティーとして修理金額などに応じて賞与からそれ相応の金額がマイナスされます。ひどい場合だとボーナスが一瞬で吹っ飛ぶこともあるんです。
悪質な客は「アクセルもっと踏め」だの「信号なんか気にするな」だの「メーターを切れ」だの挙げたらきりがありませんがその発言が事故を呼ぶ可能性もあります。もっともそれらは強要罪、危険運転幇助などで警察を呼べば
懲役刑(執行猶予あり)にはなると思いますが、タクシー運転手というのは社会的立場が低く、自律神経の乱れと繋がってしまう恐れがあります。やはり、プロドライバーはクラクションなんかで腹を立ててはダメなのです。

5,夜勤もあるということ
勤務体制にもよるのですが、タクシーは深夜2時を超えたあたりから早朝4~5時まで休憩(休業)します。私が勤めていた会社は夜勤もあったため、夜勤は距離がやや長く俗にいう「いい仕事」なのですが、深夜はその仕事がいつ来るか
予測しにくいのです。普通のお客様は待機所でも運転手が寝ていると気を遣って乗車してきませんが私の場合はすぐに目を覚ませるよう感覚を研ぎ澄ませていたのでしょう。すぐに目を開けることによって仮眠している間に売り上げを少しでも上げておくということも大事なのです。そういった緊張感のようなものが常に走っていたのかもしれません。

これらの理由が私を主に不眠症に導いた理由だと思っています。
どの理由が濃いのか薄いのかは、はっきりとわかりませんが、ある日、寝ようとしても眠れないことから病院にかかり1年以上経ちます。
救いだったのはコロナウイルスが蔓延し始めて自粛要請が発令され、売り上げが落ち込んだ時に一定額の手当をもらって生活できたことです。
決して大きな額ではありませんが、有ると無いとでは雲泥の差です。
次の職は調理職ですが転職はエネルギーを使うのでなるべくしたくはないですね。
どうか次の仕事が続きますように・・・。


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