からす天狗 松江市大庭町空山 標高110m付近
神魂神社かもすじんじゃの駐車場から市道空山線の舗装道を上がること1㎞、カーブを曲がった左側斜面の上にある平地。ここに石灯籠や牛像、座ったように見えるからす天狗像がある。からす(烏)天狗は木の葉天狗とも呼ばれる鼻先が鳥のように尖り、羽根のうちわを持つ小天狗。昭和50年代に松くい虫にやられて松が倒れ、その勢いで天狗像が砕けてしまい、破片を集めたのが今の天狗像。背が低くなったような哀れな姿になってしまい、口元も欠けているが羽根もうちわも確認できる。農耕牛の守護神である(大山)大智明大権現の石碑には風雨に晒された小銭が置かれている。鳥取県大山の博労座(大山寺の駐車場がある所)で1700年代から昭和初期まで盛大に行われていた牛馬市にあやかって、大庭の地にも牛馬信仰が広がり、牛市が開かれて大山を拝んでいた。昔は家族同様に大切にされていた牛である。駐車場はないので路上駐車となる。向かい側に道標があり、神魂神社近くの涼み殿公園までしっかりした小道が下っているので散策によいコース。かつて牛も歩いたという古い道である。ここの空山は地名で、のどかな丘陵性風景を楽しめる。からす天狗から更に700m行くと、茶畑と製茶工場、屋根付きの展望所があり、宍道湖が望める。車が数台置ける。
てんぐの森 松江市大庭町 出雲かんべの里 標高33mくらい
松江市が出雲かんべの里を開設した際に造られた、ちびっ子のための自然体験型施設がてんぐの森。民芸館前に広場があり、入口に天狗の木彫り像があったが、風雨で傷みが早いのか、今は民芸館の軒下に置かれている。これは顔が鳥の顔で、全身真っ黒に塗られている。この地に天狗話は聞かないので、多分、紹介したからす天狗の話から名付けられた施設名であろう。斜面の小屋には天狗の長い赤い鼻が付いていてご愛敬。