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2020大統領選と為替相場をマンデルフレミングモデルで考える

2020-11-09 09:18:36 | 日記

大統領選からほぼ一週間、バイデン勝利に傾きつつありますが、ドル安が進んでいます。一か月前と比較すると2円以上動いています。

 

大規模な金融緩和政策をとってくるからだといわれています。

貨幣供給を増やし、消費を刺激し、金利は下がり投資を刺激する。IS-LM分析におけるLM曲線の右移動です。(左図)

金利が下がると自国通貨は安くなり輸出は増加する。これはマンデルフレミングモデルです。

変動相場制なら景気を刺激するには金融政策が有効です。消費↑・投資↑・貿易↑

        

 

 

財政政策をとるとIS曲線が右移動し、政府支出は増えるものの、金利が上がり投資は減少します。クラウディング・アウト(右図)

さらに、金利が上がると自国通貨は高くなるため貿易収支は悪くなります。政府支出↑・投資↓・貿易↓

金利の影響を考えるとクラウディング・アウトが発生する財政政策より金融政策のほうが効果があります。また、変動相場制のもとでは貿易の影響も加わりますますその効果が大きくなります。状況によっては財政政策の効果がなくなる(輸入増で効果が海外に流出してしまう)場合もあると言われています。

マンデル・フレミング理論は1963年に発表、1999年にノーベル賞を取りました。経済学理論なので前提条件があり、すべての状況にあてはまる訳ではありませんが、大統領選後の為替相場はこの理論にあてはまる(あてはめた?)動きをしています。