決断の時

きっと、もっと前から知っていたこと。
それなのに、自分の中でくすぶらせていたこと。


ここ数日、ずっと悩み苦しんでさやの状態は終始低迷。

よく眠れない。
眠っても悪夢に悩まされる。
食欲が湧かずほとんど食事も摂れない。

その上、悩みの種のせいで彼とは揉めっぱなし。
そのことがさやの状態をますます悪くする。

泣いてばかりいた。


だけど、彼との関係がぎくしゃくしてる中で思った。

なんでふたりの間の問題以外で
ふたりが気まずくならなければならないんだろう？

彼としてはもっと強くそう思っていただろう。
そのことを思うと胸が痛んだ。


今の自分に出来ること。
今の自分がすべきこと。

それは自分の病と闘うこと。
自分の病を克服すること。


みんなに言われた「共倒れ」というコトバ。

そんなことになってはならない。

でも年明けからさやの状態は良くない。
それは何のせい？

それはさやの元に届いたメールのせい。
以前の恋人の調子が悪いという事実のせい。

いったいさやに何が出来るだろう。

何かするどころかさやの調子は絶不調。


誰が悪いのでもない。
何が悪いのでもない。

そこにはただ事実があるだけ。


さやは今大切な彼がいる。
彼のことを守っていきたいし、この関係をも守りたい。

以前の恋人は、確かに大切なヒトだった。
けれどもうすでに過去の人になっている。
さやが守ることも助けることも出来ない。

あの人の周りにはさやだけじゃない。

だけどさやには彼だけだし、彼にもさやだけ。


ずっとどこかで過去のことにしてしまいたくなかった。
そんなさやの想いが彼には見透かされていた。
そのことで彼のことを苦しめ続けてた。

今ココでこれからの時間を作っていく彼に
なんでそんなことが出来るのだろう。
なんでそんなことそしてしまうのか。

過去に囚われ続けることで、彼を裏切り続けていた。
そんな簡単なことにどうして気付かずにいたんだろう。


大切なものは「今」。

後悔する「過去」があるなら同じ過ちは繰返さない。

それが過去のことに対して出来る唯一の償い。


あの時間があるから今の自分がいる。

あの頃よりも幸せになること。

それが今、さやに出来る最大のお礼。