毎日毎日、泥のように眠るさや。
働いてる時に続いた不眠など、まるで嘘のように。
その異常な眠りは病気のひどさを物語っていました。
眠る度に夢を見ます。
眠っている間中、悪夢に追われていました。
目覚めると待っているのは悪夢のような現実。
夢と現実の境さえわからずに眠り続けました。
本当に寝ても覚めても、
そこにあるのは悪夢のような毎日でした。
やっと仕事を休めることになったのに、
いくら眠っ . . . 本文を読む
早いモノで、もう一年になります。
一年前、さやは仕事を辞めました。
それまでの一年半、ずっと休職した結果です。
暖かくなり始めた春の日、
さやは長い長い休職・闘病生活に入ることになりました。
あの頃は本当にただ生きているだけの日々でした。
起き、眠り、ただ息をする。
そんな毎日。
薬の影響で、ただひたすら水を飲んでいました。
水を沢山飲むので定期的にトイレに起きるのですが、
それ以外の . . . 本文を読む
それはちょうど今から一年くらい前のこと。
もう少し、夏の暑さの残る頃。
その頃のさやはだいぶ回復してきていて、
外に出掛けることも、
人に会うことも出来るようになっていました。
相変わらず人混みも、電車に乗ることもツライけれど、
何とか大丈夫になりつつありました。
そんなさやに声を掛けてくれる友人も増えました。
それまで音信不通に近く、不義理ばかりしていたさやに
優しく声を掛けてくれる、本当に . . . 本文を読む
退職してから、早いモノでもうすぐ一年になります。
一年前の自分は、いっつも気を張りつめていたため
一見すると今より断然元気でした。
今思うと、そんなこんなで
ココロの休息にはなっていなかったんですよね。
休職の間中、仕事のことが頭から離れなくて
いつどんな形で復職するか、そればかりを考えていました。
休職期間満了のための退職を告げられたのは
それまで通っていた病院、でした。
その頃主治 . . . 本文を読む
人間の「忘れるという能力」は素晴らしいモノだと
改めて思う時があります。
過去の記憶を引きずり出した時、
全てが明確な訳ではなく
どこかしら多少なりとも形を変えて
自分自身が背負いきれない程の負担にならないように
どことなくぼやけた形で、鮮やかな色を失いながら蘇る。
忘れたくない、一生覚えておきたい記憶というモノも
時間の流れの中でどこかしら変形していく。
あるいは本人に都合の良いように、
. . . 本文を読む
その日は、精神科への再来院となりました。
「出勤する変わりに通院すること!」
それが私の仕事だと、
産業医の先生に強く言い含められていたためです。
そうでなければきっと、
二度と精神科の扉を開くことはなかったのではないでしょうか。
診察は初老の、院長先生。
穏やかな話し方だけれど、どことなく意地悪そうな雰囲気を
最初は受け容れにくく感じたものです。
診断名は「ウツ病」
それもかなり重 . . . 本文を読む