北海道の四季登山と読了記

週末の休みを利用して登山しています。ときどき本も読みます。

(098-0909)家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

2022年09月29日 | 四季の山登り(2022.1.1~2022.12.31)

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(岸田奈美著 小学館 2020.10.17 第2刷\221ページ)
車椅子ユーザーの母(病気で)と弟(ダウン症)がいて、父は心筋梗塞で急死。泣きながら笑う技と、怒りながら信じるコツ。
人生は、少しずつ、大丈夫になってゆく。
いちばん感動したのは、良太君が中学生のときに、お金を持っていないのにコーラを持ってきた万引き疑惑事件を引き起こした。問い詰めるとポケットからレシートが出てきて、レシートの裏には「お代は、今度来られるときで大丈夫です」。コンビニ店主の厚意でコーラを「掛け売り」にしてくれたのである。著者と母がコンビニに行き、詫びたが店主は「喉が渇いて困った良太君がこの店を頼ってくれたことがうれしい」という。地域の人たちはフォローしてくれる。困っている人への接し方が素晴らしい。
「死ななきゃ、なんとかなっちゃうよ」(幡野さんの軽やかな言葉。200P)、「人を大切にできるのは、人から大切にされた人だけやねんな」(214P)、「岸田さんが苦しいのは、いまの岸田さんを好きになれていないのかもしれない。自分が嫌いだと、他人に評価を求めようとするからね。」(あとがき 220P)。
読んで損はない本だ。

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