歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

雨ふりシーサー~宮古島旅8~

2012年10月05日 | 宮古島 -miyakojima-
これがいわゆる、スコールか。
本場の。

ザーッと降ったり、たまに止んだり。




東京でも最近は「ゲリラ豪雨」なんて言われる、烈しくて唐突な雨が増えてきたけど。

そんな、雨の中。




サトウキビ畑の中を、あっちへこっちへ、縫うように
うねりくねりながら、



たどり着いたのは、





畑の中に、ぽつんとある、ここ、



金城陶芸さん。

宮古の焼物(やちむん)のお窯元です。


ここで待っていたのは、



まんまる金魚と



シーサーさー。







雨がますます止む気配の無い中。






中に展示してある焼物を めいめい物色したり、




お買い物したり。





そもそも
ここに来たのは、ひとつ、はっきりした目的がありました。


「本気のシーサー」を買うためです。





これです。

この旅の直前、エクステリアを手がけることになったお客様から、
「シーサーを飾りたい。」とのご要望があったんです。


那覇の空港で買えるような、可愛らしいシーサーも、今はたくさんあります。
、、が、そんなんじゃなくて、


「古式ゆかしきかたちで、素材や作り方とかもトラディショナル(伝統的)な、
 本気のシーサーが欲しいんです。」

「魔除けになってくれる、強い、力のあるシーサーが、欲しいんです。」


お客様の願いは、とても切実で、強いものでした。

それを受けて、
みんなよりも先んじて宮古入りした社長が、数件の窯元を訪ね回り、

「これだ!」と見定めたのが、
この金城陶芸さんのつくった、
このシーサーでした。



大きいです。
重いです。

赤土の、渋い褐色をおびたムラや、素焼きの質感。

素朴、且つ、この上なく品の良い色。


、、、


うん、確かに。これです。

この色なら、周りの色にも合う、と思います。


即決でした。


しかし、気に入って頂けるだろうか・・・
それはまだ、わかりません。


いつも、庭をつくるときと同じように、

「フタを空けて見るまで、わからない」
のです。

贈り物というのは。
どんなに心を込めて、考えに考えて選んでも、実際手に渡って、素直な反応を見るまでは、
そわそわ心配で、ほっと出来ないものです。


「出来上がりの最後の最後まで、お客様がどう反応してくれるか、わからない」

庭で言えば、そんな感じです。




皆さんのお買い物のあいだ、



壊したら大変なので、


(*photo by n-kun mama)


ベイビーズは外へ誘い出し、

締め出し。










なお 雨は強くなり。





止む気配も無く。

されど、
美しく。






社長曰く、
宮古島は、こんなふうに、ほんとによく雨が降る、と。
昨日一昨日と、見事に晴れが続いたのが奇跡的なもんだ、とのこと。


これぞ、南の島の雨。


大粒の雨は、
力強く、重たく、甘く、




命を感じます。


ひまをもてあまして、
ちょっと濡れてみよっかな~ なんて飛び出してみたら、



一気にびしょぬれる勢い。


生半可じゃないです、この勢い。

慌てて屋根の下へ。




まあ、止まないけど時間もないので、

出発です。







今度はどこ~?




次はどこ行くの~?



どこで覚えるのか、必殺・悩殺ポーズ。

ベイビーは相変わらずごきげんで、たまりません。


ちょっと年上のボーイも、
でっかい10人乗りボックスカーの 頭に居るママのところから お尻のとこにいる自分のところまで
駆け抜けて、



ご満悦の様子。

子供って、ちょっとでも広いところが、楽しいみたい。


あ、




青空が。

あの凄い雨も、止んできました。






さっきまでの 見渡す限り一面のサトウキビ畑は、


どこへやら。

車は、中心市街のほうへ戻ってきました。


満場一致で、次の目的地は、



食堂~。

本場の「宮古そば」を頂きます!



まだかな まだかな~




まだかな~




まだかーなーー!




ああああーーー!


来た!



食べたよ。

痩せの大食いの早食いの俺は、写真撮り忘れて、一気に食べたよ。

けっこうなボリュームでした。美味しかったです。

ちなみに、「久松製麺所」という、社長なじみのお店でした。





宮古そば屋さんを出ると、

すぐそばに



どーん。

「宮古まもる君」です。
肌白い。くちびる黒い。
気持ち悪い。

宮古島の交通安全をまもるべく、島内に何人か、立っているんだそうです。

そのうち一人と、一応こうして出会えました。


(photo by n-kun mama)



そのすぐそばには、公設市場が。

お土産をお買い物。




ドラゴンフルーツのジャムとか。レアな色!



パパイヤとか。
そういえば、初日に食べた パパイヤのきんぴらが、うまかったです。


自分は、「沖縄ついたら絶対買う。」と狙っていた、
「月桃」関係のものを、ここでガッ!と、買いました。
月桃せっけんとか、月桃茶とか、シュッてするやつとか。


月桃(げっとう)とは、ショウガ科のハーブです。
ちょっとスパイシーなような、しかし甘くて切ない、素晴らしい香りなのです。

そんなこんなで、

もうお昼過ぎ。



天も晴れ。


この次は、

私が個人的に虎視眈々と、あわよくばと、狙っていた場所へ・・。




なんとなく流れで、わがまま聞いてもらっちゃいました・・。




~~~~続く~~~~~




****





、で、終わると思いきや。


PS。


****************

旅から帰ってきてから、数日後。

あのときの「本気のシーサー」が、
厳重にパックされて、無事届きました。

早速、お客様のもとへ。




こうして、門扉の両脇に鎮座しました。

狛犬的に。






うむ。

正解でした。
シンプルで、強い。

大きすぎず、小さすぎず。

目立ちすぎず、目立たなさ過ぎず。

合ってる。

背景のレンガの、ピンクがかったベージュ(弊社の卸しているベルギーレンガ。)にも、
明るいブラウンの木製扉にも、
合っています。


お客様も、びっくりしながら、
とても喜んでくださいました。


これで、

ほっと、一安心。です。


さらに、サービスで、
手前の門柱に



ちっちゃな可愛いシーサーも付けました。

最初に描いたイメージ図では、こちらに載っけていたんです。
ここが、「鬼門」なので。


さすがに、あっちの大きいのは載らないけど、
やっぱり、
その、最初にお出ししたイメージ絵を気に入って頂いて始まった仕事だったから、
なるべく、その絵の通りにしたくって。

、っていう、気持ちもあり。

「えっ、こっちにも!」って、
ちょっとビックリさせたいな、とか、

可愛げも欲しいな、という気持ちもあり。



ちっちゃいけど、力強そうでしょ。




まず この、一番に目に入る門柱のところで、
この愛嬌に 「ふふっ」と、ほっこりしてもらって、

いざ家に入るときには、「ああ、護ってもらってる」って、
安心感に、ほっとしてもらえたらと。



などと、

色々考えながら。


良い運気がめぐる、素敵な庭を作れるよう、
頑張らなきゃ。と。











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