Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

11/11 ひばりが丘団地見学会

2010-11-28 11:47:25 | 建築

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11/11 住居の会の見学会で、URのひばりが丘団地ルネッサンス計画1を見学して参りました。
これは昭和40年代に建てられた公団団地を再生しようと言う研究です。
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私は子どもの頃、昭和40年頃建った府中の日鋼団地というところに住んでいたので、公団の団地のオリジナルの姿は懐かしいものがありました。日鋼団地は3DKだったので、光が丘よりも若干広かったのですが、基本的な形は同じようなものだったと記憶しています。そういえば先日のブラタモリ日本の住宅でも光が丘団地が取り上げられていて、「団地への招待」が流れていました。「団地への招待」は大学時代に講義で見た記憶があります。今見るとコントのようで笑ってしまいますが。兎小屋と呼ばれる小さな団地が当時は憧れの対象だったことがわかります。
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オリジナルの写真をみてお気づきかもしれませんが、当時の日本人は体が小さかったのか?畳の生活だったせいか?天井高さ及び鴨居の高さがとても低いのがおわかりいただけると思います。それを現在に活かすとなると、問題は壁梁。光が丘は壁式RC造で壁梁の成が大きいため、大変目障りです。それを腹筋梁に付け替えてみたり、さらには上の写真のようにスラブを2枚撤去して3層から1.5層×2に変更したりしています。天井高さが高いとこんなにも開放感が出るのですね。写真の住まいは一人暮らしの若者を想定したロフト付き住宅です。
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こちらは更に大型の家族向けメゾネット住宅。吹き抜けが気持ちよい。
他にもベランダに壁柱を設置することで強度を保障し、隣との界壁を撤去して2戸1や4戸1といった大型の住戸にしたり、妻側の壁をふかして開口を取り、緑豊かな立地条件を室内に取り込んだり、エレベータと開放廊下を新たに設置してバリアフリー化するなど、様々な試みが行われています。
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これは既存の壁梁の鉄筋と、新たに付け替えて梁幅を大きく、梁成を小さくした梁との比較写真です。この、細く頼りない丸鋼がまばらにしか入っていない梁を見ると、他の耐力壁やスラブも同様であることが伺われ、はたして再利用して安全なのか、不安になりました。
また、大きな問題はコストで、なんと新築の80-90%の費用がかかるとのこと。再利用することで廃材が減りエコなのかもしれませんが、実際に経済的に採算が合わなければ困難なのではないでしょうか。
その他住居の会HPにも報告を書いているので、よろしかったらごらんください。


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